以前から感じていた事だが、このクラブの人々は妙な善悪二元論に陥っている節があってそれが不思議でならなかった。簡単に言うと悪さをするのは常に他クラブの選手、監督、あるいはサポであって(それは特に鹿島、浦和、瓦斯、川崎に向けられる事が多い。)自分達は常に清く正しい善なる存在、みたいな考え方。勿論実際はそんな事は無く、クラブとしての規模が大きければそれだけ多くの人が関わり、必然的にそういった馬鹿な事をする輩の絶対数も多くなるだけなのだが、あまりそういう現実には目を向けてないようだった。
だから今回の件で本当の意味でクラブに衝撃を与えたのは、「この選手がこんな事をしでかした」と一個人がどうという事ではなく、(こういった事とは無縁なはずの自分達にもこういう事をする奴がいたという)事実と向き合わざるを得なかった事だったと思う。そして丁度間が悪い事に、発覚直前の試合では小野がもし逆の立場ならそれこそサポーターは糾弾してはずの「頭を使ったプレー」で大久保を退場に追い込み、直後の試合では、常に悪の帝国であるはずの鹿島にサッカーの質の差を見せ付けられる完敗を喫した。それまでの思い込みが激しかった分、この一連の出来事でクラブとしての立ち位置が揺らいだ感じ。
先ず何よりこのクラブに必要なのは金でもスカウト力でもなく現実と向き合う気概。金が無いなら無いで補強は厳しく下部組織から昇格させるか無名の若手を獲るしかないと正直に言えば良いのに、「育成クラブに転換」などと広島辺りが聞いたら噴飯物のすり替え論理とか、別にA・ビルバオみたく純血路線に切換えた訳でもなく単に外国人のスカウト力が無いだけなのに、「外国人無しでこの成績はよくやってる方。」とか。挙句の果てには、どうも名古屋を見て決断したと睨んでるんだが監督経験の無い大物OBが監督就任と。オシムとは言わないまでも、せめて若い選手を厳しく鍛えられる監督(国籍問わず)に3年位任せていれば、今頃栗原や坂田、山瀬、狩野はもっと良い選手になってただろうし(少なくとも1人は南アに行ってたはず。)、それより若い世代ももう少し実戦で戦えてたと思う。勿体無い事だ。あんまり他クラブと比較するのもどうかと思うが川崎なんてシーズン途中にGKとエースFW、後外国人が1人抜けてどう考えても苦しいのに、代わりに出た選手が必死に穴を埋めようとしてる。結果が示す通り完全に埋まってはいないんだが、苦しい中でも必死に勝点を積んで(直接対決で2敗した)マリノスより上の順位なのは大したものだ。詰まる所、そういう事なのだ。11人全員が連動して戦うサッカー、それが見たいだけなんだが、今のマリノスはそれがあったり無かったりというのがここ5年位の光景。03年の開幕戦&最終節の磐田戦みたいな試合を再び、って感じかね。
まぁ残り少ないとは言え、まだ時間はある。おそらく来年、2011年が一つのリミットになるのでは無かろうか。来年(残留かは別として)で清水は35、松田34、中澤、中村、河合33、そして山瀬もとうとう三十路を迎えるのだが、来年以降になるとさすがにシーズンフル稼働は厳しくなる年頃。だから2011は今の主力が揃って戦えるラストチャンスになる可能性が高く、ナビスコでも天皇杯でも、リーグへの影響とか考えずに全力で獲りにいくべき。何かしらタイトルを獲れば、自信も生まれてワンランク上の次元に進めるだろうし、もしそうで無かったら、何も勝ち取れずにベテラン勢は去り、残された選手だけで戦うしかなくなる。それは考える以上に深刻な事態を招くかもしれない。
大分話が飛んだな(苦笑)まぁ先ずは日曜の試合がどうなるかという事で、広島には最近リーグで勝ってないが、今季は連敗だけはしないんでジンクスが続くなら引分けか、と思っていたら台風直撃かよ。予報:暴風雨とか堪らんわ。しかもこういう時に限って三ツ沢とか\(^o^)/
31日朝に関東最接近らしく、試合が始まる頃には過ぎてくれる事を願うしかない。