ローマ世界→中世へ

絵で見る十字軍物語塩野七生
 ローマ帝国からその後の地中海世界を経て、ついには十字軍まで辿り着いてしまった。本作はそれを叙述するあたってのプロローグ的位置付けで、19世紀のフランスの画家・ギュスターヴ・ドレの十字軍絵巻とその解説を元に構成されている。
 このドレという人の絵(版画)を見た時にどこかで見た事のある画風だなと思ったんだが、神曲の文庫版の挿絵の作者がこの人だった。精密な白黒画が妙にリアリティを増幅させる。
 本編である十字軍物語は全3巻で、1巻は既刊だが、2、3巻は来年の刊行という。ローマ人〜の文庫版(来年に最終巻刊行予定)でもそうだが、こういうロングスパンの刊行スケジュールそのものが、一つの歴史を形成しているように感じられ、それがまた惹き付ける要因になっているようにも。丁度会社に入ったばかりの頃にローマ人〜を読み始め、既に6年目を迎えた今もこうして続編を読み続けている我が身を鑑みれば。


 気が付けば大会は明後日なのにこの10日間全く走れて無かったので、走ってきた。日産スタジアム周辺を約7km。日曜の天気も持つみたいだし、去年みたく小雨交じりの寒々しい天候とは違う(であろう)レースは楽しみ。