歴代最高のチームとなる為に

 今回の慈善試合のメンバーを見ると、本当にCBとトップ以外の層の厚さは異常なほど。今回のメンバー以外でも香川、金崎、安田、宇佐美らが復帰したり成長すればさらに盤石だな。
 今の代表は攻撃的過ぎず、かといって守備的過ぎない絶妙なバランス感と、監督が変わってから短期間で完成されつつある点が歴代のチームに無い特徴だけど、このチームの基盤を作ったのはやはり前任者の岡田氏という事になるのかな。長友や岡崎、内田を代表に呼び、長谷部をキャプテンにして、本田を中核に据え、川島をレギュラーにした―――この人自身は徹底して現実主義的なサッカーで、どちらかというと重心は後方にあるサッカーだったけど、それとは全く違うサッカーの礎を作ったとして記憶されるというのも歴史の皮肉というか何かの縁だろうか。
 今思うにこの人が南アで残したのは、『発想の柔軟性』かと思う。最適の解が見付からないからと言って駄目な訳では無く次善の策を見出せば良いというような。今までずっと点取り屋がいない、決定力が足りないという事で、FW探しに血眼になっていた中で、“いないものを探す位なら、手持ちのカードをフル活用する方が現実的”とばかりに本田をトップに上げて松井をサイドの上がり目に使ったりとか、そういう所に。まぁ直前にそれまでのやり方で結果が出なくなったが故の突貫工事だった面はあるけど。


 今のチームが本当の意味で歴代最高のチームとなるには、良い内容で良い結果を残す―――ブラジルでベスト8以上―――が重要なのは勿論だが、この慈善試合の為に主力が勢揃いするのも同じ位重要な事。少し大袈裟だが、いつの日かこの試合を振り返った時に、震災から再起するきっかけの1つとして、サッカー好きの代表チーム(一部を代表するチーム)から真の意味でこの国を代表するチームになった象徴として、記憶されるよう願ってる。