J1第20節 柏×横浜M(日立台)


 およそ3年振りの日立台だったが、当時から席割りが変わり、アウェイの指定はメインスタンドアウェイ側になっていた。近さで言えば三ツ沢も同じ位ピッチから近いんだが、ゴール裏とスタンドの近さや、箱型のスタジアム形態等、こちらの方がよりサッカースタジアムらしい感じがする。


 試合前に黙祷が捧げられた後に始まった試合は、先日の日産での柏戦と同じ様に、ポゼッション自体はマリノス優勢ながら、柏が流れるような連携からカウンターでチャンスを作る展開。前回の対戦でも思ったが、柏のレアンドロ・ドミンゲスはドリブルもパスも独特の間合いを持っていて、こういう選手と“組織的な連携プレー”、“流れるようなパス回し”の相性は悪いように思えるのだが、実際は全くそんな事が無く、むしろその個人技がいいアクセントになっている。
 で、マリノスはこういうチームは苦手なのだが、今日の柏の1点目も、後ろから何人も走り込んで来た柏の選手を捕まえ切れずにエリアのすぐ外でシュートを打たれ、2点目もカウンターから(柏から見て)右サイド⇒左サイドに大きく揺さ振られた後に最後はJ・ワグネルの左足。特に2失点目は、2年前だったかにアウェイ広島戦で森崎(浩)に決められたシーンのデジャヴのようだった。やっぱ普段攻撃も守備も個人に依存してる分、こういうスペースを突く攻撃には苦しいな。まぁそんな完成された攻撃が出来るチームなど限られてるから今の順位なのだろうけど。
 マリノスもチャンスはあったし、後半柏DFのエリア内でのハンドを見逃されたシーンはあったけど(主審:イエモッツ)、全体的に見れば0−2というのは内容が反映されたものだった。個々人で見れば各選手奮闘してたし、特に中村は普段以上に走り、体を張り、今日に懸ける気合を見せていたんだが、サッカーが11人のチームスポーツである以上、そういう個人の奮戦だけでは限界が有る事を、柏のサッカーが示しているように思ったのも事実だった。ポスト直撃のFKもあったけど、中盤でパスの出し所が無いままキープしている内に、柏の選手が何人も寄って来てボールロストするシーンが幾度もあったが、そんな所に。


 今日はメイン側だったのでアップするサブの選手や、ピッチ際で試合を真剣に見つめる小林祐三の姿が間近で観れた。試合終了後には、挨拶を終えて中に下がるマリノスの選手を井原(現柏コーチ)が迎えていたのだが、特に中澤と握手していたシーンは今でも目に焼き付いてる。一度も見た事は無いが、背番号4、22、5(小村)、3の選手らが一堂に会したら・・・それだけでこの20年のマリノスの守備の系譜が体現されていた。もはやそれは叶わぬ願い、なのだけど。