サッカー年齢について

 先日中村ケンゴが本田の代役扱い(報道)にウンザリしているとのニュースがあったのだが、代役云々よりも発言の中で次の件が目を引いた。

今まで年代別の日本代表歴もないし、若い選手のような過密日程も経験していない。A代表に初めて入ったのも25歳。だから消耗も少ない。おかげで体はすごく動く―――

 数年前にチェルシードログバもインタビューで“自分がトップレベルの試合に出始めたのは20代半ばだから、(30を過ぎた今でも)まだトップレベルでやれる力は残ってる”という似た様な発言をしていて、実年齢と“サッカー年齢”は違うのかと思っていた所へ日本の現役選手のこのような発言だったので、中々興味深かった。
 つまりは同い年でも、10代からトップレベルの試合に出続けているメッシやセスク(87年生)と、20歳を過ぎてから試合に出るようになった選手とでは、実年齢は同じでも、サッカー選手としては全く違うという事なんだろうな。メッシの方がより経験を積んでいるからサッカー選手としては“大人”な一方で、その分より消耗が激しく、現役選手としての寿命は遅咲きの選手の方が長いとも言える。日本で言うなら、中村ケンゴと小野、小笠原、遠藤は学年が1つしか違わないけど、10代半ばから年代別代表で国際戦を戦ってきた小野達と中村とではサッカー年齢が実年齢以上に開きがある、と。
 よく考えたら中村は大学からプロに入った選手だけど、このような、『高校時代は代表に縁が無く、大学になって伸びてプロ入りした選手』は消耗が少ない分、伸びシロも大きいのかもしれない。ブラジル大会時には33〜34歳になっているから正直代表は厳しいかと思っていたが、そう考えると、2014年の代表は有り得るか。

 一方で10代でデビューして30代半ばを迎えた今でもトップレベルで結果を出している選手―――例えばギッグスやラウール、トッティ、少し前ならマルディーニ等―――は思っている以上に凄い選手、なんだろうな。これらの選手達はある時点で(自ら身を引いたか呼ばれなくなったかの違いはあるにせよ)代表試合には出なくなったから、それが現役生活を伸ばす要素になったとは思うけど。