五輪決勝覚書

 土曜に三ツ沢から帰ったら前半開始早々という所で、いきなりメキシコに点が入ってて驚いたが、この試合と準決以前の試合が全く別次元に思える程、内容が衝撃的だった。日本相手に内容で優勢だったメキシコが、そのメキシコ戦の日本のような戦い方をしている(せざるを得ない)点にまず驚いたが、最後まで組織立ったプレスを切らさずに戦い抜いたという意味で、日本が緒戦で見せたサッカーの究極版に思えた。後半半ば過ぎからメキシコがカウンターで決定機を作り出すようになって、最後はセットプレーで追加点を奪った一連の流れは、ブラジルが根負けした証だったか。それ以外にも激しいタックルで選手が倒れるシーンが頻発してたんだが、基本的にボールに行ったもので(主審がイングランド人というのもあったと思うが)流れが途絶えず、これも準決以前との違いだった。
 メキシコはW杯だと常にベスト16止まりという、安定感と停滞感が同居した微妙な立ち位置だが、ここ数年U17で2度世界一になって今回はU23で金メダルと言う事で、ついに突き破る時が来たのかと思う。丁度次は南米開催だし、ベスト8以上は充分有り得るわ。よく日本は体格の似たメキシコが参考になると言われるが、もし日本のスタメン全員が長友、本田級のフィジカルを身に付けたら、ああいうサッカーになるのかな。それはそれで実現性でも方向性でも違う気がするが。

 何れにせよ、決勝のサッカーの衝撃が醒めぬ内に書いておく。