先日ふと、今年の年末は去年より仕事が忙しくないのに何故こうも慌ただしいのかと思ったのだが、少し考えたら年末の忘年会とこのMVP投票故だった。ただ忘年会は人に振ってでもこれだけは毎年続けねばならない。個人blogの自己満とは言え、その妥当性、意外性を含めた説得力のある投票は他にあるだろうか、いや、無い(反語)。それも毎年協力してくれる周囲の有識者のお陰なのは勿論で、投票制を採用してからもう4回目だが、今年も協力してくれた皆に感謝したい。
【過去の受賞者】
2005年:中村(俊)
2006年:中村(俊)
2007年:中村(俊)
2008年:遠藤
※※※※以降投票制※※※※
2009年:長谷部(2位岡崎、3位中村(憲)、4位本田、5位前田)
2010年:本田 (2位香川、3位長友、4位闘莉王、5位前田)
2011年:澤 (2位長友、3位清武、4位カズ、5位長谷部)
【選考者】
Y氏、SWT、Yチケン、katoken、ハラD、ONI、Shoto、T内、tor、SONE、woyama、Dちゃん、Sぶ、I田、nemo、yuta、Sんぺー、PAPA、S野、Mグ、arz、SIO、chuna、H田、Nンバ、K太、maru、Hヤト、Mさん、J子、M野、Sトゥー、Aりさ、Rっく、Aゆこ、Y下さん、S藤氏、N川氏、T田氏、barcaw
【選考方法】
各者2012年に活躍した日本人選手(国内組・海外組問わず)上位5名を選び、それを1位:5pt〜5位:1ptでポイント化、そしてその総合計値で選出。
ではベスト5から。
第5位
カズ(横浜FC):36pt
去年の4位に続き、今年もベスト5入り。まぁ『フットサル日本代表として、フットサル人気を高め』、『ワールドカップに出場し、サッカー界を盛り上げた』たのがその理由の大半だとは思う。そのフットサル代表入りも『賛否両論あった』のだが、例え瞬間的にせよフットサルに注目が集まって、それでプレーだけでなく観るフットサルに気付く人もいただろうから、意義はあったはず。
それとこの人と言えばやはりあの年齢でもトップレベルでプレーし続ける『カリスマと熱意』だろうか。『ただのファンだから』という意見もあったが(笑)、この投票の選考者の年齢層は丁度10代の頃に代表のエースで活躍してたのをリアルタイムで観ていた世代なのだが、そういう意味でのカズ神話、もっというとドーハ組神話というか、少年少女時代に見た記憶と言うのはそのレベルに関係無く強烈に刷り込まれるんだろうなと。
第4位
吉田麻也(VVV→サウザンプトン):56pt
『前評判低かったロンドン五輪の躍進は彼なしにはなかったはず』、『吉田なしでは準決勝進出はなかった』、『仲良しのチームが引き締まり、最高のチームにしてくれた』という五輪の活躍と、勿論A代表での活躍、そして『プレミアでの頑張り』というクラブでの奮闘で4位。『順調にいけば今後10年は代表のセンターバックを支える存在』だし、『瞬間最大風速はマリノス中澤の全盛期を越えている』。この2人は丁度10歳離れているのだが、10年前の中澤はというと、五輪に出て代表にも入っていたが、当時は強さあるが荒削りなDFで、日韓大会直前で代表落ち。それこそ今で言う同じマリノスの栗原位の序列だった。
『うっちーを狙ってるのかと思ったら一般女性と結婚しちゃった』という意見もあったが、単にリア充の交友という感じであんまりそっち系の匂いはしなかった。むしろGK川・・いや何でも無い。そうそうこれもコメントで気付かされたのだが『スペインとフランスの両チームを倒した唯一の選手』でもあった。
第3位
香川真司(ドルトムント→マンチェスター・U):76pt
なんつたって天下のマン・Uですわ。『マンUに移籍したのは凄い!』、『ビッグチームにいけるだけの評価をされることが素晴らしい』、『日本人があの赤い悪魔に所属するとは』、『朴越えマストでよろ』というマン・U移籍だけでなく、『MVP級の活躍でドルトムントの2連覇に大きく貢献』した今年前半の活躍を含めて76ポイント獲得。活躍が当たり前になり過ぎて『これほどのドリームを達成した日本人がどこにいたか。数年前までJ2でやってた』のを忘れそうになるが、この人がJ1でプレーしたのは2010年の前半だけなのだった。その数少ない試合を観れて(マリノスvsセレッソ@日産)良かったわ。『移籍後は怪我で苦しんでいるが』、プレミアは世界一消耗の激しいリーグだから、これから佳境に入って各チーム怪我人も増えてコンディション維持が難しくなった頃に万全の状態で戻ってきて欲しい。レアルと当たるCL決勝Tの頃までには。
今までならこれでMVP間違いなしなのだが、(去年ならこのポイントでMVP獲れていた。)それでも3位。それ以上に活躍した(と評価された)選手があと2人いた訳で・・・。
第2位
長友佑都(インテル・ミラノ):90pt
『今シーズンコンスタントに活躍してたのはやっぱり長友!』、『監督代わってもスタメンで高評価』、『安定感を増してきた』という安定感で90ポイント獲得し、2位に。誇張ではなく『本当に世界トップレベルに来たことを実感する。』よく“世界一のサイドバックになる”と本人はインタビューで語っているが、それがあながち夢ではない所までは来ているな。全盛期のロベカル、マイコン、A・コールとまではいかないが、この内1人は引退し、残り2人はピークを過ぎた。他にも例えばレアルにコエントランと言うポルトガル代表の左SBがいるが、プレーを視ても正直長友より上とは思わないし、この前のフランス戦でも長友は対面のジャレを圧倒した程で『近頃は貫録さえ感じる。』つまり強豪国でも代表入り出来るレベルには既に達しているのかなと。そんな中で『年々うまくなっている彼に来年も期待。』インテルで何かしらタイトルを獲って欲しい。
2012年日本最優秀選手
佐藤寿人(広島):91pt
『悲願の優勝の』『なんやかんや言っても』、『立役者』であり『この人の努力&功績が大きい』と広島で優勝し、得点王、リーグMVP、そして『クラブワールドカップの得点王』になったのが評価され、2012年のMVPはこの人に。『J2落ちたときも残ってようやく報われた』と言えるだろうか。またこの人は『サッカー人としての人柄も素晴らしい』とあるように、ユースの試合に顔を出したり、先日のチャリティーマッチにも参加したりと意識がピッチ内だけに止まらない選手。
一応言っとくと今年の躍進で忘れがちだが、この選手は今年だけのプレーではなく、『何年も続けて二桁得点を取るのは素直に凄い』。この点は日本人で言えば前田と並ぶ安定感。『裏への動き出し、ワンタッチプレーがよく引き合いにでるが、トラップやポストプレーが上手い』とあるように、特に中澤みたいな大柄なDFの前に入り込んでボールを受け、後ろにはたいて一気に反転して前に抜け出すプレーは技術の正確さも無ければ出来ない。あの小さな体で何故かミキッチのクロスに合わせてしまう技術はもはや職人芸と言う他ない。
『常にゴールへの最短距離を突く姿勢は日本代表も見習うべき』と代表での活躍を期待する声も多々あったが、広島自体この人を最大限生かす為に作り込んだサッカーだから、単純に代表でも、となると厳しいかもしれない。入るなら岡崎の位置かな。ただ代表で不遇と言う事すら、今やこの人にとって選手としてのハクになってる感さえあるが。
まさか1ポイント差とは思わなかった。最後に投票状況の話をすると、今年は例年以上に投票回収に難儀して、ある程度集まったら締め切ろうと思った位なんだが、長友とこの人の票が予想外に競り合って、30人以上回収時点でまだ5ポイント差以内だった。ならば何が何でも40人に達するまで締め切るのは止そうと決意し、結果がこれと。去年は女子選手が獲ったし、今年は海外のメガクラブ所属選手を抑えて国内リーグ所属選手がMVPだけど、決して意外では無くて、その辺のバランス感覚こそこの賞の面白いところかなと。
後、ポイントが並ぶ事など考えてもみなかったので、今後の為にルールを決めておく。もし並んだ場合は1位票の数、それでも同じ場合は以下2位、3位の票の大小で決定。ちなみに今年は1位票数は佐藤7、長友9だった。
以下6位以下全投票結果
6位:25pt
本田(CSKAモスクワ)
7位:23pt
清武(C大阪→ニュルンベルク)
8位:22pt
中村(俊)(横浜M)
9位:20pt
中山(札幌)
10位:18pt
宮間(岡山湯郷)
11位:9pt
前田(磐田)、森脇(広島)
13位:7pt
田中(陽)(INAC神戸)
14位:6pt
豊田(鳥栖)、長谷部(ヴォルフスブルク)
16位:5pt
遠藤、藤ヶ谷(G大阪)、富澤(横浜M)、木村(コロラド・ラピッズ→NYレッドブルズ)、高山(湘南)
川島(リールセ→スタンダール・リエージュ)、なでしこ
23位:4pt
大津(ボルシアMG→VVV)、闘莉王(名古屋)、中村(憲)(川崎)
26位:3pt
森保、青山(広島)、大前(清水→デュッセルドルフ)、槇野(浦和)、柿谷(C大阪)
赤星(鳥栖)、岩田(横河武蔵野)、塗師(品川CC)
34位:2pt
高萩、西川(広島)、阿部(浦和)、柴崎(鹿島)、猶本(浦和L)、岡崎(シュツットガルト)
乾(ボーフム→フランクフルト)、岩清水(日テレ)、永木(湘南)、赤嶺(仙台)、逸見(名古屋オーシャンズ)
45位:1pt
菊池(湘南)、東(大宮)、酒井(高)(シュツットガルト)、永井(名古屋)、仲田(INAC神戸)
酒井(宏)(柏→ハノーファー)、田中(達)(浦和)、大儀見(ポツダム)
辻(YSCC)、ニータン(大分)、
・8位に中村(俊)がランクイン。この人が一桁順位に入るのは投票制以来初のはず。『ここ数年で一番キレており』、『怪我なくリーグ戦を乗り切った成果が最終順位に反映したのは間違いない』。『左足だけと分かっていながら、深い切り返しに騙されるのは彼が一流な証拠。』試合を観ると分かるのだが、パスだけでなく、『ちゃんと走るしディフェンスもする34歳』。ここ数年精度の低かったFKもまた決まってきたし、元旦決勝行けるかな。リケルメ、ベロンみたく30を過ぎて地元クラブにタイトルをもたらせるか。
・今年引退を表明した中山が9位。『長い間おつかれさまでした。』、『ゴンお疲れ様』、『印象的なのは仙台との入れ替え戦が決定した、ホーム最終戦の挨拶』と惜別コメント多数。正直この人はカズと同列には語れないと思っていて、もうJ2でも厳しい状況だったから、最後は地元の社会人チーム(6部〜8部相当)でも良かったんじゃないかと思っていたのだが、これも1つのキャリアの在り方なのかもしれないな。何と言っても『ワールドカップ初出場の代表初ゴール』で、02年も10番背負ってチームに活を入れた訳だし。カズの項でドーハ組神話と書いたが、やっぱこの世代はドーハの頃の躍動感が今でも記憶に残ってる。この世代ではその他監督森保が得票した。
・今年は五輪年かつU20女子W杯自国開催という事で宮間『ホント上手い』、『あんなに感情が出た宮間ってすごい』、岩清水『何点防いでくれたことか。』、大儀見『世界の舞台で完璧なポストワーク』、田中(陽)『両足でフリーキックを決めたあの試合はいやがおうでもミハイロヴィッチを思い出させた。』、猶本『オリンピック後のなでしこバブルがはじけた感を払拭したのは、この人を中心とするヤングなでしこだったのでは』という意見の一方で田中(陽)『可愛い。とにかく可愛い。』、仲田『かわいいから。』という意見もあった事を記しておきたい。去年の流れで何時の間にかなでしこ枠が当たり前になってきたけど、FIFAの表彰も男女別だから今後どうしようか考えたが、まぁこのままでいいか。ちなみに09年から5位をなでしこ枠にして早くから鮫島らの名を知らしめてきた選考委員某氏はその役目を終えたと判断したらしく、今年は全員男子だった。偉大な功績であった。
・J2勢では断トツ1位の甲府からは得票者ゼロで、劇的なプレーオフで昇格した大分からも1名(1匹?)という中で(苦笑)、何故か2位の湘南から3名得票という事態。菊池は知ってたけど、永木と高山は分からなかった。永木は『強化指定からのプロ1年目ですでに大黒柱』で『走る・前に出ていく湘南サッカーにピッタリのボランチ』らしい。このクラブは妙な近さがあるな。平塚までの小旅行程度の物理的な距離感もそうだが、選手も関東の大学サッカー出身者であれ、高校時代からの超エリートというよりは無名の存在から頭角を現してきたタイプが多く、知り合いの知り合いぐらいで辿りつきそうな、そんな距離感。そういや親戚の知り合いがここの幹部だったし。来年はその名だけはワールドクラスの湘南BMWスタジアムにまた行きたい。
・マリノス勢では中村以外に富澤が得票。『昨年のボランチ故障続発で順位急降下の二の舞を避けられたのは彼のお陰』、『コスパの良さは、Jリーグでもトップクラスだったはず!』と今季のマリノスではアンカーにCBにとMVP級の活躍だった。この人は移籍1年目だが既に中心選手としての自覚というか意志が感じられる。『マリノスにヴェルディの血が混ざると、いつも結果が良くなってる気がする。』という意見もあったがパット思いついた限りで中澤、田中隼磨(ヴェルディレンタル時代にSBとして開花)とかかな。何れにせよ、今季のJ全体で見てもベスト3に入る補強だったと思う。
・五輪世代(男子)は結果の割にあまり票が伸びず。まぁあの大会も尻すぼみ感が強かったのと吉田の活躍の印象が強過ぎた面はあったかな。『Jリーグは今年急成長した若手選手はいなかった印象』という声もあったが、大前にしても去年からそこそこ活躍してたしな。後は柴崎と大迫がどうなるかだが、鹿島は若手を少なくともJで戦えるまでには出来る所ではある。大迫もまだまだゴール数が少ないが、それでも毎年増えてはいるし。