マリノスについて(2013年1月版)

 毎年この時期はJがオフなので、シーズン中は深く突っ込めない面を書いてみたい。
 ここ数日マリノス関連の移籍情報、それも主に出ていく方の情報が頻発しているが、パッと見て若い選手の完全移籍やレンタルが多いと感じたので、昨季のメンバー+今オフのIN&OUTを生まれ年別に並べてみた。
色は
赤系統:IN(赤は加入(昇格含む)、ピンクはレンタルバック)
青系統:OUT(青は完全移籍、水色はレンタル)
緑:レンタル中

1973ドゥトラ
1974
1975
1976マルキーニョス
1977
1978中澤、中村
1979
1980大黒
1981
1982富澤
1983榎本、栗原、藤田
■----------↑今年30代以上↑----------
1984
1985小椋、兵藤、中町、小林、谷口
1986天野、狩野、飯倉、青山金根煥
1987松本(怜)、六反、奈良輪
1988森谷田代
1989比嘉、武田F・アギアール
1990齋藤、金井水沼端戸佐藤丁東浩
1991
1992小野松本(翔)
1993熊谷
1994鈴木、喜田

 こうしてみると30代以上8名が殆どレギュラー格なのが凄いな。昨季終盤を基準にするなら大黒以外の7名がスタメンという。残りのスタメン枠は兵藤、小林、小野、斎藤か。こうして見ると、ベテランと若手(ここでは高卒3年目以内、大卒2年目以内を若手と定義)を繋ぐ“中堅”が薄い。生まれ年なら85〜88年生まれだが、86年以降は確固たるポジションを築いている者がおらず、85年組も谷口に移籍の噂がある(→柏)。仮に移籍してしまったら小椋、兵藤、中町、小林の4名の役割は想像以上に大きい気がする。彼らが怪我無くフル稼働するのがチームの浮沈に関わるので。

 思えばこの4名の内、大学から入った兵藤以外は皆他クラブからの加入組なのが興味深い。怪我で2012年を棒に振った小椋も含め、見ててこの人達はサッカー選手としてタフだなと思う。試合内容が押される展開でも踏ん張れるし、チーム(組織)の中で自分の持てる力をしっかり発揮出来る。逆にユースから上がった選手はそうではない傾向が強く、2〜3年トップチームで燻った後にレンタル、というパターンが多い。小野は例外だが、この選手はドリブルという武器と強気なメンタルがそうさせているのかな。あまりこういうタイプは他の昇格組にはいないし。ただ、若い選手の成長という面で言うと、マリノスはある意味放任主義なので、“長所は伸びるが、短所も直らないまま”となる傾向が強い。高さ、強さは代表クラスだけど、集中力や繋ぎの面での課題が解消されないままついに今年30になる栗原がその一例で、このまま行くと小野は“ドリブル突破は磨かれるが、決定力に難がある”まま年を重ねる可能性がある。年間7〜8点取れるようになれば丁度浦和に移籍する関口みたく代表入りのチャンスも出そうなんだが。

 若い選手が力を発揮出来ない要因としては他にチームの戦い方もあるかと思う。基本的に守備から入ってカウンターというのが伝統戦法だが、こういう戦い方は相手にボールを保持されても不用意なミスをせず堪える力や、少ない好機を生かして点を取る嗅覚が必要になるが、若い内からそういう力を持ってる人はさすがに少なくある程度経験(≒年齢)を重ねないと難しい(逆に言うとそういう力を伸ばすのが『育成』なのだろうが。)。その意味では今後も年に1人は他クラブからある程度経験を積んだ選手を取らないと厳しいと思うが、それには相応の資金が要るのがなかなか難しい所だな。酒井(ゴリ)とのポジション争いに敗れていた小林、フロントとの争い(?)で放出リストに載っていた富澤を取れたのは幸運だった。今後もそういう(言葉は悪いが)訳有り案件を逃さないフロント力が必要だわ。

 開幕まではあと2カ月近くあるのでまだ人の入れ替わりはあると思うが(攻撃の層が薄くなったので端戸は戻ってきそう)、何にせよ早くまたいつもの観戦日常に戻りたい。

【追記】
1/10せっかく作った表なので最新状況を更新していきたい。
藤田(←千葉)を獲って、端戸がやはりレンタルバック(←北九州)、そして金根煥が完全移籍(→新潟)と。
藤田はこの前の昇格決定戦で決定機を外していたイメージしかないのだが、タイプ的に大島に似てる。上手くいけば7〜8点、通常で4〜5点取りそう。
1/14レンタル中の武田を忘れていた。今季もレンタル継続(→鳥取)。そして相模原からF・アギアールが加入し、後、谷口は残るようだ。相模原から取るのが面白いな。↑で述べた下部リーグからの掘り出し物かもしれない。
1/20記載漏れの丁東浩のレンタル復帰と小野の移籍(おそらくこのまま決まるだろうから。)を反映。中堅・ベテラン依存度がまた高まった。
1/23谷口と狩野が柏へ移籍決定。谷口は身体能力、技術は高いが使い所の限られる選手だけど、そこをネルシーニョが既存のチームにどう組み込むのか興味深い。