J1第9節 横浜M×鹿島(日産)


 この試合は前日までにチケ発券数2万9千(公式HP情報)、かつ晴天に恵まれたGW&年チケ保有者向け2枚2千円チケ販売という条件が重なったので当日券を加算して観客3万4千〜5千は行くかと思っていたが、最終的には4万越え。ホームゴール裏2階が埋まると大抵3万越えなのだが、今日はそれに加えてメインスタンドもそこそこ埋まってたしな。鹿島サポも多く、アウェイゴール裏を久々に2階を開放していた。

 試合はお互い出方を探りつつ、といった感じではあったが、流れでもセットプレーでもレベルの高い攻防で観てて飽きる事は無かった。互いにシュートが少ない中で決定機の数はマリノスが多かったと思うが、それらは曽ヶ端がスーパーセーブ。ここ数年の曽ヶ端は年に数回はやらかすGKという印象が強かったのだが、今日はほぼ完璧なプレーだった。そんな展開が後半半ば過ぎまで続いたのだが、73分に左サイドからのFKのこぼれを野沢が弾丸ボレーを決めて鹿島が先制。鹿島はこの20年間、基本的に4−4−2の布陣で隙を逃さない強かなサッカーだが、このゴールの場面でも、きっかけとなったFKは相手陣地内深くでの相手スローに厳しくチェックに行ってボールを奪い、そこからファールを貰ったもの。勝つ為には些細な事の積み重ねと思うが、まさにそういう“些細な”プレーを全員やり切るのが鹿島の強みだな。
 その後は鹿島は逃げ切りを図ったのだが、ロスタイム5分の5分目に途中投入のファビオが混戦から同点ゴールを決め、丁度前節と逆パターンで、同じ勝点1を手に入れた。 

 鹿島については、前々監督のオリベイラ時代にその精密機械みたいな組織立ったサッカーに随分感嘆させられたものだけど、去年のジョルジーニョ、そして今年のT・セレーゾについては(勿論鹿島らしい強かさはあるものの)そこまで緻密な印象は無い。推測だが、これは監督の選手キャリアの有無に因るものではないかと思う。オリベイラは選手としてのキャリアが殆ど無い人だったが、ジョルジーニョやT・セレーゾは現役時代はブラジル代表クラスの選手だった。ジーコ然りで、現役時代に名選手と呼ばれた人ほど指導者としてはより選手個々の判断を重視するというか約束事で縛りはしない印象がある。鹿島に限らず、モウリーニョ、サッキといった選手としてのキャリアが殆ど無い監督のサッカーを観てもさもありなんかな。
 という訳で最後の最後に同点に追い付かれるとか、同点ゴール直前に混戦から頭で撥ね返そうとするが中途半端になってしまった所とか、そういう辺りは詰めが甘く、オリベイラ時代なら誰かが一発クリアして試合を終わらせていたかなと思う。

 毎回鹿島戦は鹿島のサッカーについて思いを巡らしてしまう(苦笑)そうそう今日の鹿島のスタメン&サブの顔触れを見ると高校サッカーのスターばかりだった。小笠原、本山、ナカタコ、大迫、柴崎、後は青木もプロ入り時は複数クラブで争奪戦だったはず。そういう目玉の選手を取ってしまうのもここの強みか。今季も植田という良いCBを取ったし。