アジア予選

 昨日のW杯アジア予選で最高に笑えたのは、試合終了後にイラン監督のケイロスが韓国ベンチに向かって拳を突き上げて煽ったシーンだった。

試合前から舌戦が過熱していたけど(日本の感覚では)あまりにあからさま過ぎてプロレス的匂いを感じてたので、マジだったんだと(笑)結果的に引分けなら3位転落だった中で、押されまくりながらシュート1本で勝ったんだから、そりゃ興奮したくもなるな。日本も最後は1点勝負が続いたし、豪も最初から苦戦したりと色々紆余曲折あったが、結果的に2位以内で突破した4ヶ国を見ると妥当な線。


 韓国は李東国金信旭、池東源と9番タイプを前に並べて、その後ろに孫興民とこれまたアタッカーを置いた、パスもへったくれも無いロングボール+サイド突破全開サッカーだったが、追い込まれた時はこうやって伝統に縋るものなんだなと痛感する。韓国もこのサッカーでW杯で勝てないのは多分分かっていて、現に行き詰る度に“テクニック重視”とか“パスサッカー”を標榜するのだが、結果が伴わない事に結局我慢出来ず慣れた戦法に回帰する。でもそれはある意味仕方が無い。日本が仮にウイングを置いたサイド攻撃重視や放り込み戦術を標榜しようにも、そういう人材(ウインガーターゲットマン)が育つ土壌に無いから無理があるのと同じで、小さい頃から↑みたいなサッカーを教えてきていきなりパスサッカーと言っても遠藤みたいなタイプは現れない。まぁ日本の場合は色々変遷を経て、今のサッカーを追求する以外道は無いと共通認識が出来ている分、韓国みたいなブレは無くなりつつあるけど。 
 ただ予選は予選であって、本大会の結果・内容とはまた別と思う。全ては突破後から本大会までの準備期間、更に言うと本大会にチームを固めてピークを合わせられるかにかかっているので、予選で下手に完成したチームより、大改造が必要な位に課題満載のチームの方が伸びシロは有るとも言える。例えば02年はブラジルは予選が散々で、同じ南米でもアルゼンチンは余裕で突破したのだが、本大会の結果は全く逆だった。まぁその課題を解決出来なかったら意味無いのだが。今の韓国は“原始的な”サッカーで変な戦術癖が無く、メンバーも毎回入れ替わって固まって無い、言わば更地同然の状態なので、後任者が優秀なら既存の建屋を壊す手間が無く新しい家を建てられるので、短期で伸びる要素は有る。元々今の監督は予選突破までの期間限定のはずだったし。後任は洪明甫が有力らしいが、この人はテクニックベースのサッカーの重要性は分かっているし、一方で対日本でロングボールが有効なら躊躇なくそれを選ぶ(ex五輪3決)現実性もあるので怖い存在ではあるな。ただ、02年のヒディンクの頃と違って今はあちらも海外組が増えて簡単に試合を組めなくなったし、昔みたいにひたすら試合をこなしてチームを完成させる手法は取りにくいはずなので、そこがどうだか。

最後に動画をもう1つ。試合後にイランの選手達が場内を一周した時に四方から投げ込まれるペットボトルの雨。(10:20過ぎから)