天皇杯3回戦 横浜M×北九州(三ツ沢)


 夏休みが終わり、今日からまた会社、というタイミングで天皇杯と。色々片付ける事があって出るのが遅くなり、結局前半終了間際の到着。前半1−1なのはチェックしていたが、丁度ゲートを通った瞬間にスタンドが湧いたので、マリノスが勝ち越したのが分かった。階段を上り、ピッチが視界に広がった時点で前半終了。

 前の三ツ沢開催である神戸戦はこのままスコアが動かなかったのでさすがに1点位観たいなと思いつつ、後半が始まったのだが、序盤はマリノスが押す展開。藤本を中心に左右に揺さぶる攻撃はなかなかのクオリティだったが最後のフィニッシュが甘く、3点目が取れない。そんな中で中盤になると北九州もカウンターから攻めるようになるのだが、こちらも決定機まで作れずという中で後半半ば過ぎに藤本⇒天野の交代。今日スタメンだった喜田もそうだが初めて生で観る顔ぶれで、どんなプレーなのか興味深かった。天野は左利きの中盤のアタッカーと言う事で中村、藤本のいない中でセットプレーのキッカーも任されていたのだが、終盤にフリーで撃った左足のシュートを外したのは勿体無かった。マリノスの速攻から相手ゴールエリア内で数的優位が出来るほどの状況で決め切れなかったのは後にして思えば分岐点だったな。
 その数分後、北九州が攻め込み、最後はスローインからのグラウンダーのクロス⇒ニアが潰れてアウトに走り込んだ内藤がフリーで冷静に流し込んで同点に追い付いた。

 延長は最初からマリノスが押し込む展開で、北九州はたまにFW渡がスピードを生かして突き進む以外攻め手が無い。ファビオもなかなか手を焼いていたこの渡という選手は若い頃の坂田大輔を見るような荒削り感があった。判断力や冷静さを身に付ければJ1レベルになれるはず。延長も後半になると栗原が上がってパワープレー状態になったのだが、それでも決定機は作れず、PKかと思った終了間際、マリノスオフサイドラインを突破してロングボールに抜け出したその渡が最後はトラップからのハーフボレーで逆転ゴール。先ほど坂田に準えたが、まさにその坂田が03年のワールドユース韓国戦延長で決めたゴールを思い起こさせるゴールだった。そしてその1分ほど後に試合終了。

 試合後、近くの野次で気付いたのだが、これでマリノスは来季のACL出場は事実上消えた。(これからリーグ3位以内はさすがに厳しい。)柏の様に毎年何かしらタイトルを獲れるようになれば良いが、事実上唯一残されたナビスコ杯の相手がまさにその柏という。2012年から続いてきたサイクルもそろそろ終わりと言う事か。マリノスは丁度12年の今頃から13年秋頃までが1つのピークだった。
■2012年
序盤苦戦するも、メンバー固定で連携を深め、後半躍進。
■2013年
前年の基盤をベースに快進撃するもリーグは最後に息切れ。ただ天皇杯を獲得。
■2014年
固定メンバーではACLに耐え切れず、またレギュラー格の離脱や引退で現在チーム再構成中。

 ざっとこんな流れだが、丁度今は2012年の今頃に相当する。同じ監督が続くならば再びメンバーを固定して連携を深める事と思うが、果たして未だに中心である所の中村、中澤は15年には13年より更に2つ歳を重ねている。要は先が見えてしまっているんだな。来季は上手く行けば今年よりは良くなるだろうが13年には及ばない程度の出来だろう、と。そういった予定調和というかマンネリはビッグクラブを目指す(と自称する)クラブに最も似つかわしくない態度。

 おそらくマリノス内部からと言うより、出資するマンC側の意向で何かしらフロントのテコ入れがあるのではないかと予想する。彼らも金を出す以上、「ラフィーニャに出場資格の無い事を知らずに主力組で練習させていた」とか「実はセットプレーの失点を今まで分析していなかった。(柏戦後にようやく対策着手。ただ今日もCKから失点した。)」とか温い環境には我慢ならないはずだろうから。