練習場、そして横浜の地域性についての雑感

 先日マリノスタウンの今後についてのニュースが出たが、思うにこの練習場は交通の利便性もさることながら、横浜中心エリアにある事実そのものがまず重要で価値を持っていたんだろうな。

 ここで横浜市内の地域性の話にあるが、この都市は370万という人口規模とその広さ故に幾つかのエリアに分ける事が出来ると思う。まぁこういう地域性はどんな都市にもあるとは思うが、横浜の場合、その人口故に各エリアも区分けによっては数十万、百万規模になる。分類は色々あるがざっくり北と南で分ける方法、海側と陸(丘)側で分ける方法、あるいは鉄道の路線で分ける方法が分かり易いか。で、どのような分類にせよ、他エリアは言わば“外の世界”なんだな。個人的な記憶ではあるが、横浜の北部に住んでいた自分にとって京浜東北線でいう石川町から南、山手だとか磯子と言うのは未知の世界だった。相鉄は親戚が沿線に住んでいたので多少馴染みはあったが、京急横浜駅で見かけるだけで殆ど乗った事は無かった。そしてその逆もまた然りだったろう。
 で、そんな状況にあって横浜〜桜木町〜関内辺りの中心部は北部であれ南部であれ殆どの横浜市民にとって訪れた経験を持つ馴染み深いエリアとなる。(例外もあって田園都市線沿線や一部の横浜線沿線民にとっては渋谷や町田の方が身近と思うがここでは割愛)そもそもどの路線も横浜を目指し、経由するのだから自然な成り行きなのだが、そういった市内各所から人の集う場所に練習場があるのは、“存在を意識する”“身近に感じる”上で大きかったんだろうなと。後横浜駅から少し離れているとは言えバスで通える範囲内にある三ツ沢にスタジアムがあるのも同様。スタジアムという観点では関内の駅前に本拠を構えるベイスターズがより当てはまるが。仮にスタジアムも練習場も全て新横浜や港北NTなど北部に集中していれば、追浜に下部組織があるとは言え市南部に今よりチームが浸透していたとは思えない。

 という訳でみなとみらいを出る事になれば何処に移るにせよ、影響は免れないだろうなというのが正直なところ。ただもしかしたら横浜を出る可能性があるのではないかと思っているのだが、それはまた来週(には書きたい)のシーズンプレビューででも。