J1前期第2節 FC東京×横浜M(味スタ)


 味スタは昨季の最終節以来でまだ3ヶ月しか経っていないのだが、年を跨ぐと遠い過去に思われるのが不思議だ。年跨ぎだけでなく選手も監督も変わった影響もあるのかもしれないが。この試合は東京のホーム開幕戦と言う事でスペシャルゲストに歌手の大■櫻子が登場して曲を披露した。最初今年の高校選手権のテーマソングを歌った時はサッカー繋がりだしこういうのもアリかなとは思ったのだが、歌い終わった後続いて2曲目を紹介し始めた時、スタンドに微妙なざわめきが。まさか2曲も歌うとは思わなかったが、試合に来たのもこの新曲のプロモ込みなんだろうなという事はまぁ理解できるとして、曲名が「無敵のガールフレンド」と聞いた時の場違い感は、かつてクラブW杯でケミ●トリーが空席も目立つ寒い冬の国立でテーマソングを歌った時に通ずるものがった。

 開幕戦で書いたように、東京は監督が2年目でより組織立っているだろうと思っていた。確かに左右への大きな展開などはスムースではあったし後半にCKから武藤のヘッドがバー直撃のシーンもあったのだが、時間が経つほど攻撃の手詰まり感が高まっていく点など、昨季最終節で感じた印象からさほど変わらず。相手ゴール前でのクロスやパスが撥ね返されてもマリノスが繋ぎのパスやクリアでミスが多く、ボールを拾っての二次攻撃のチャンスがを何度もあったのだが、ゴールに結び付かない。その他東京の武器と言えば左SB太田のクロスだが、ここはマリノスが上手くコースを切って簡単にゴール前に上げさせないなど対応されていた。開幕は昨季リーグ王者にアウェイで2点差を追い付いたが、今日の試合を観る限り、成績も去年並みだろうと思う。

 マリノスアデミウソンがいきなりスタメンだったが、ボールを持てば確かにセンスを感じるプレーだったが、印象としてはかつてフッキやワシントンを初めて見た時のような化物感、フェノーメノ感までは無かった。独力で何でもこなすというよりかは、組織が出来たチーム(パスが来るチーム)の中でより活きるタイプかなと。ブラジルでヨーロッパ仕様に育成されたアタッカーと言う感じ。さすがにまだコンビネーションが出来ていない為にパスの呼吸が合わないシーンが多く、何よりボール触る回数自体それほど多く無かった。中盤からパスが来ないので下がって貰いに来るシーンがしばしばあったが、この点は練習でコンビを磨くしかない。
 おそらく来日して1週間も経ってないこの試合では後半半ばまでの時間限定だったと思うが、最終的にはフル出場。やはり終盤は運動量がかなり落ちていて、せっかく東京の守備が空いてきた中で勿体無かったのだが(代わりに齋藤が上手くそのスペースを突いていた。)、ゴールの匂いを感じさせる数少ない選手だという事がこの試合で分かったから、代えるに代えられ無かったのだろうと思う。
 ゴールの匂いという意味では今日は兵藤が2度ビッグチャンスを得たものの権田のセーブに阻まれて得点ならず。開幕戦といい今日といい、この選手は守備に攻撃にフル回転して未だ組織を構築中のチームの中で絶対不可欠の存在。もし今代表監督がオシムだったら即刻代表入りだろうな。当時代表だった羽生をよりスケールアップさせたタイプで。勿論今日味スタに来ていたらしいハリルホジッチにも呼ばれる可能性はあるが、今年30歳。今の様な堂々としたプレーをあと数年早く見せていたら。

 全体的に膠着した内容で、興奮してというよりあまりに両チームがじれった過ぎて疲れた。試合後は友人宅で19時からの松本×広島戦を視ようという話もあったのだが、この内容や日頃の疲れが一気に噴出して帰りの京王線内で立ち寝しそうなほどだったので新宿で別れ、帰路へ。乗り換え駅で讃岐うどんを食して多少回復した。