決勝

・内容的にはいつもの日韓戦ではあったな。最初は向こうがハイペースで押し込んできてそれを凌げば日本の時間帯がやってきて、お互い自分達が主導権を握っている時間でいかに点を取るかが勝敗を分けると言う。実際前半は韓国が押し込んで点を取り、後半は日本が押し返した。ただ逆転勝ちというのは過去記憶が無い。やはり2点目を間髪入れず取れたのが大きかったな。時間が空けば相手もさすがに冷静になって無理に攻めず引いてきたかもしれない。そうなると少なくとも90分で試合を決める事は難しかった。

・矢島は全体的にプレーが軽く見え、こういうフィジカルで押してくる相手には一番不向きなタイプだし何故ここまで重用するのか不思議だったが、1点目の浅野へのアシストとなった長いパスを見て、監督はおそらく仙台における梁勇基の役割を期待しているのだろうという結論に至った。このチームの2列目の選手は中島はドリブラー、南野はセカンドトップ、豊川はスペースに飛び込むタイプという中で、ボールをキープしたりパスでリズムを作るタイプはこの選手だけ。
 今大会は頭で2点決めたように得点力もあるし、世代を見渡しても似たようなタイプはなかなかおらず、監督の信頼度は想像以上に高いんだろうな。強いて言えばセットプレーの精度(特にFK)も高まれば更に梁の域に近付けると思う。

・浅野の1点目はGKを抜きに掛かると思っていた中でダイレクトに打ち、正確にゴールの枠に入れるセンスには痺れた。ただ昨年末からCS→クラブW杯→天皇杯→今大会と休みなしでフル稼働してきただけに疲労が気になる。帰国したらすぐキャンプに合流するだろうけど、無理せず上手くコンディションを調整して欲しい。

・2失点のシーンを始め全体的にかなり危なっかしい守備陣だったが、それでも高さで相手を撥ね返せれば何とかなるというのもまた一面の真理だと思う。植田、岩波、奈良は共にクラブでレギュラー取りを。

・相手の監督申台龍は現役時代は当時では珍しい茶髪の韓国人選手だったのでよく覚えている(笑)確か20年位前のサッカーダイジェストにインタビューが載っていて読んだ記憶もある。タイプとしては得点力のある2列目のアタッカーだったが、代表にはあまり縁が無かった。そのインタビューも96アジアカッププレビューの一環だったが、アジアカップ以降は代表に選ばれず、W杯出場も無かったはず。今は五輪代表監督兼A代表コーチだったのか。