ナビスコ杯GL 横浜M×鳥栖(三ツ沢)


 鳥栖とは1ヶ月前に同じ三ツ沢でリーグを戦ったばかりだが、片やマリノスはその時からスタメンが全員入れ替わり、鳥栖は9人同じのほぼベストメンバー。何故鳥栖がベストメンバーなのか不思議だったが、友人の指摘で、鳥栖熊本地震で先週末のホーム戦が中止になった事を思い出した。レギュラーのコンディション維持もあるし、この試合に控えを出す理由が無かったという事なのだろう。

 試合はさすがに1ヶ月前と違い、鳥栖がやや押し込む展開ではあったが、攻撃がサイドからのクロスに終始していた為にGK榎本がセービングする様なシーンはあまり無かった。時間が経つにつれて逆にマリノスがボールを奪ってカウンターを仕掛けるシーンが増え始め、途中にはGK林が前に出た所を天野がロングシュートを打つシーンもあった。(林が手を伸ばして何とかセーブ。)そんな中で前半半ば過ぎにクロスを鳥栖DFが手に当ててPK、これを伊藤が決めてマリノスが先制した。
 後半も鳥栖の攻めは変わらず、かと言ってマリノスにも決定機がある訳でも無く時間が過ぎて行ったが、終盤になると少しづつ鳥栖が押し込み始め、またマリノス側で足を攣らせる選手が増え始める。鳥栖のシュートが2度ポストに当たったシーンはあったものの、最後まで凌いでマリノスが1−0で勝利。

 今日観に行った理由は左SB高野(マリノスユース出身で現在日体大所属の特別指定選手)や新井、朴など今までプレーをこの目で観た事の無い選手を観たかったというのが大きかった。単純なミスが多く、鳥栖の単調な攻撃(鎌田が序盤で負傷退場したのは大きかったと思う。)に助けられた面はあったが、「ブロックを作って守り、縦に速い攻撃」というのは伝わってきた。こういうシンプルさと個人能力(強さ、速さ)に委ねるサッカーは欧州っぽい。モンバエルツのいた仏2部は黒人選手が多く、1部以上にフィジカル、スピード勝負中心のサッカーらしいが、その反映と言うか。

 そうそう今日の観衆は公式HP上の予定人数(発券枚数)約9,000人に対して4,777人だった。平日のナビスコでも7〜8,000人は入っていたので雨でも無いのにこの少なさはここ10年ほど記憶に無い。予定人数には年チケ保有者も含まれるから、保有者で行かなかった人が約4,000人いたという事かな。
 自分も保有者の1人だが、正直年チケであっても今日の様な試合をまた観に行きたいかと言われたら考えてしまう。ましてや前売りでホーム自由席2,500円、当日に2,900円払って行きたいかと言われたら・・・。試合内容だけではなくまだ肌寒い4月の平日19:30開始で帰宅時間は早くても22時過ぎ、と言った諸条件を考えても。今日来た観客はさすがに今日のメンバーがいかなる位置付けか踏まえている人が多く、たまにカウンターを仕掛ける時など盛り上がったりもしたが、どちらかと言うとそれは高校サッカーで見受けられる声援に近く、果たして控えとは言えプロ、それも1部リーグ勢同士のカップ戦としてどうなのかという疑問もある。今季からJ3にガンバやセレッソU23チームが参戦し、オーバーエイジも3人まで認められているのでガンバなどは若手+二川、岩下というまさに今日のマリノスの様なチーム構成で戦っているが、ホーム自由席の価格は1,000円。はっきり言えば今日の試合はこれくらいの価格が妥当だし、4,777という数字は価格や内容に対する市場の正確な反応と思う。(ちなみにガンバU23は先日セレッソU23とのJ3大阪ダービーで8,000人集めている。)

 チームとしては若い選手を今から少しでも経験を積ませて戦力にして、将来に備えなければならないというのはあるとは思う。ここ数年ベテランを起用していた反動で、飯倉、三門の86年生まれ(今年30歳)以降の世代が極端に薄くなってしまった。とは言え、プロである以上興業としてより多くの観客、収入を得なければならない訳で、その両立は難しいものだな。

 試合終盤からそんな事を考えていた。帰りは友人車で途中駅まで送って貰い、帰路へ。