中堅世代

 先週、代表に永木が初招集され、また土曜の埼スタの試合で浦和の武藤やガンバの長沢を観てふと思ったのだが、彼らは皆1988年度生まれなんだな。更に言うとリオ五輪のOAである塩谷と藤春も同学年。今年27〜8歳で若手でもベテランでも無いまさに“中堅”ど真ん中という世代だが、他の有力選手もピックアップしてみると以下の通りとなった。

【1988年度生まれの主な選手】

※:早生まれ、★:代表経験者
香川(ドルトムント)※★
乾(エイバル)★
永木(鹿島)★
金崎(鹿島)※★
森本(川崎)★
森谷(川崎)
武藤(浦和)★
倉田(G大阪)★
米倉(G大阪)★
藤春(G大阪)★
長沢(G大阪)
塩谷(広島)★
伊藤(横浜M)
下平(横浜M)
永井(名古屋)※★
高山(湘南)

 香川、乾といった若くして代表で活躍していた選手は別として飛び抜けた技術よりは献身性、確実性で勝負する仕事人タイプが目立つ。言い換えると「良い選手」ではあってもそれ以上ではないというか。こういうタイプは若い頃は経験が不足して力を安定して発揮出来なかったが故にブレイク出来なかったが、年齢と共に経験を積んで丁度今に至る、といった所かな。
 早熟な選手もいれば、遅咲きの選手もいて、色々な選手が集まった多様性こそ強さの源と思ってるんで、今回の永木の様な選手が出てくるのは良い事とは思うのだが、一方で倉田、長沢、伊藤といった面々は10代の頃は年代別代表(つまり同世代でトップクラスと認知されていた)にも選ばれていたにもかかわらず伸び悩み、レンタル移籍や海外経験を積んで25〜6歳でようやくJ1で戦える選手になった。この20歳を過ぎてからの5年間は選手本人にとっては貴重な時間だったかもしれないが、もっと早く開花していればと思わずにはいられない。伊藤翔など特にそうだな。もっと早く今のポジションを経験していたら、点取り屋の動きを身に付けてあの身体能力がもっと得点数に繋がっていただろうに。また倉田、武藤、藤春、米倉といった選手達は国内組で臨んだ去年の東アジア杯で代表デビューしたが、海外組不在かつ五輪世代に目ぼしいタレントが少なかったが故の消去法という面もあった。もしリオ五輪世代がタレントの宝庫だったら、浅野以外にも何人か選ばれていただろう。
 イラク戦の前にこういうネタもあれだが、全体的に見ると現在不調の香川も含めてブラジルW杯以降の停滞を象徴する様な世代だな。まだまだ86年組の存在は大きい。そういう停滞感を突き破るのは大抵若い世代なので、リオ世代の奮起に期待したい。