昨日で天皇杯もベスト8が揃った訳だが、この大会は毎年シーズン最後に行われるので、リーグやルヴァン杯(ナビスコ杯)でタイトルの望みが無くなったチームが最後のチャンスに賭けようとする。トーナメント戦だけに一発勝負、ジャイアントキリングという言葉が思い浮かぶが(イメージキャラクターがまさに“ジャイアントキリング”だが)、大会の中でそういうジャイキリはあっても最後に優勝するのは結局鹿島やガンバなどリーグの上位、つまり強豪という印象がある。その検証に過去15年間の天皇杯王者のリーグ戦成績を調べると以下の通り。
年度:天皇杯優勝クラブ(同年のリーグ戦順位)
2001:清水(4位)※1
2002:京都(5位)※1
2003:磐田(2位)※1
2004:東京V(9位)※1
2005:浦和(2位)
2006:浦和(優勝)
2007:鹿島(優勝)
2008:G大阪(8位)
2009:G大阪(3位)
2010:鹿島(4位)
2011:FC東京(J2優勝)
2012:柏(6位)
2013:横浜M(2位)
2014:G大阪(優勝)
2015:G大阪(2位)※2
※1:2ステージ制における年間総合順位
※2:リーグでは年間総合3位だがCS決勝進出により公式記録は2位
やはり天皇杯王者はリーグ戦でも上位に付けている傾向が強い。リーグ戦3位以内のチームが優勝した例は過半数の8回、J1の18チームを6チームずつ上位/中位/下位の3カテゴリに分類した中での中位(7〜12位)以下に該当するのは04年の東京V、08年のG大阪、11年のFC東京(J2優勝)のみ。
ただその中で08年のガンバはリーグは低迷したがACLでは優勝し、その前4年、後3年(04〜07、09〜11年)は全てリーグ年間3位以内と抜群の安定感を誇っていた。つまり本当の意味での中位、下位チームが勝ち抜いた事例は15年間で04年と11年の2回のみという事になる。“1発勝負”という言葉に惑わされるが、天皇杯を勝ち抜くまでには最低6試合戦う必要があり、特に12月中旬以降に3〜4試合集中するだけに、層が厚く安定した力を発揮するチームが勝ち上がり易い。その短期間で勢いに乗って勝ち上がる中位以下のチームも無くは無いが、確率的にはまさに2/15程度と言う事なのだろう。
そんな事を考えつつ、今年の天皇杯を予想すると、やはりリーグ上位の川崎、G大阪、鹿島、それと近年タイトルを取っている広島、この4チームのどこかだろうな。ただ広島は過去20年間で5度決勝に進出しながらその全てに敗れているシルバーコレクターなので、組み分けを見る限り決勝は広島vs川崎で後者が優勝かな(笑)川崎も広島に劣らぬシルバーコレクターだが、何となく13年のマリノスを思わせるので、その通りなら(リーグはあと一歩でタイトルならず)天皇杯優勝となるが。
しかしCSがある川崎、鹿島はともかく他チームは12/24まで試合が無く、負傷者がいるチームは絶好の回復期間にはなるが、チームのコンディション維持、調整に苦労しそうだ。週末に練習試合を組んだりして試合勘を維持するのだと思うが。