高校選手権1回戦 桐光×長崎総科大付属(等々力)


 今年のラスト観戦はやはり大晦日高校サッカーという事で。桐光には川崎入りが内定しているDFタビナス・ジェファーソンがおり、殆どこの選手目当てに行ったようなものなのだが、試合が始まると長崎総科大付属の強烈なプレスと推進力に見入ってしまった。ここはあの小嶺氏が監督だが、サッカースタイル、縦縞のユニフォーム、そして全員坊主という姿にはどうしても国見を思い起こしてしまう(笑)繋ぎよりもとにかく前に蹴り出すサッカーには昔からアンチも結構いるが、個性的なタレントを過去何人も育てているという点で育成指導者として素晴らしい。フィジカルの強さは勿論だが、特に自分で仕掛ける選手、2列目から前に走り込んで点に絡む選手を育てるのが上手いな。永井秀樹三浦淳宏大久保嘉人柴崎晃誠城後寿など。今日も7番宇高と9番右田の両サイドは何度も仕掛けてチャンスを作り出した。特に宇高は足が長く、スピードだけではなく切り返しやヒールパスで桐光守備陣を翻弄していたのが印象に残っている。また右田もタビナスと対面して股抜きするなど果敢に勝負していた。

 一方で桐光の方は良くも悪くも神奈川のチームという印象。高校、ユースに限らず神奈川のチームはテクニックの水準は全国平均を上回っていると思うが、相手がフィジカルやスピード勝負に持ち込んで来た場合に良さを封じられる事が多い。今日も序盤の長崎総科大付属の圧力に押されてボールを繋げず、早い時間に失点したことで更に苦しくなってしまった。後半はさすがに相手のペースも落ちてきたので前にボールが運べるようになったが、去年いた小川(現磐田、U19代表)の様な決定機を逃さないストライカーがおらず、結局無得点に終わった。タビナスはと言うとポジションは左SBでアジリティのある選手にはやや苦戦していたが、フィジカルの強さやボールタッチの感覚などは高校生の中に一人大人が混じっているようなプレー。あまり回数は無かったが、オーバーラップしてからのクロスでは、他の日本人選手がクロスを上げきれないような場面でもしっかり中に入れていた。川崎では3バックの一角か、一列前の中盤サイドなのかは分からないが、上手く育って欲しい。

 等々力のメインスタンド2階でのんびり観ようと思って行ったら2階は閉鎖されており、着いた頃(開始30分前)にはメインは長崎側の端の方しか空いていなかった。結局最後までそこで観たが、ハーフタイムにはメイン2階が解放されていた。今日は車で行ったので、帰りは中原街道をひたすら南下し、帰宅。