ルヴァン杯準決勝第2戦 川崎×仙台(等々力)


 今週はAマッチ期間なのでリーグはお休み。マリノスは来週、再来週とホーム戦が続くが、前回のホーム(9/16FC東京戦)の後は2戦連続アウェイで1ヶ月近く空く。これに限らず今季はどうも日程が変則的というかホームとアウェイが交互に続く通常パターンが崩れる事が多い。日本のスタジアムは大半が自治体所有なので、他のイベントが優先される日が存在するが(例えば日産は毎年8月にコンサートで使用するのでその間マリノスはアウェイか三ツ沢開催となる)、各スタジアムそれぞれの事情を調整した結果とか?他のイベントと書いて思い出したが、スタジアム使用に関して19年のラグビーW杯の影響はかなり大きいと思うのだが、それはまた後日書きたい。

 まぁそんな感じで今週末は連休で天気も良いので等々力へ。思い立ったのが遅く現地に着いた時は既に前半10分頃。第1戦は仙台が勝利していたが、3-2というスコアからアウェイゴールを2点奪った川崎が有利かなとは思っていた。仙台としては3-0から2点返された形だが、3-0、3-1なら川崎は第2戦で2点差以上を付けて勝たねばならず、何にせよ勝てば良いと割り切れる1点差との違いは明白。そういう意味で第1戦終了間際の川崎のゴールは両チームにとって戦略が変わる分岐点だったかな。
 試合は川崎がやや押す形で何度かチャンスが生まれていたが、前半30分頃に三好が決めて川崎が先制。ゴール前で中村憲剛がヒールで流した先に走り込んで決めたのだが、この選手の名を聞くのは久々だった。5月のU20W杯まではクラブでも“レギュラーを伺う準レギュラー”という感じで順調に伸びている印象だったのだが、あの大会で少し壁に突き当たった感が。攻撃陣で目立ったのは堂安くらいで他のアタッカーは軒並み存在感が希薄だった中で、この選手もあの大会以降クラブであまり活躍を聞かなくなった。これが今季初ゴールだったらしい。そして後半開始早々に再び決めた。エウシーニョが右サイドから突破してシュートしたこぼれを押し込んだ形だったが、これで2点目。もしかしたらこの試合が停滞を突き破るきっかけになるかもしれないな。
 2-0として試合を完全にコントロールしたはずの川崎だったが、その数分後に奈良が2枚目のイエローで退場。ここから仙台の猛反撃が始まった。川崎も森谷→板倉と守備に人を入れはしたのだが仙台のサイドの崩しに対応出来ず、何度もSBの裏を突かれて何度もフリーでクロスを上げられ、ピンチを招いていた。そういう中で後半15分頃に仙台の中野が左サイドから切り込んでミドルを決めた。中野は今季川崎からレンタルで仙台にいる選手だが、去年川崎の試合でドリブルでボールを前に運べず横パス、バックパスに終始した試合を思い出した。自分の周りに座っていた人々はそのプレーに苛立ちを隠せなかったほどだったのだが、そうした声に対するこの選手の意地の一発だったのだろう。
 奈良の退場から後半20分位までの川崎はこれまでのイメージ通りという感じで、昨季リーグ最終戦を思い起こさせた。2-0からガンバに3点取られた試合。あの試合も悪い流れを止められず、立て続けに失点していたのだが、今日もそうなってもおかしくないシーンが幾つかあった。ただそれをどうにか凌いだのはこれまでとの違いだったかな。後半20分過ぎからは押されつつも、徐々にカウンターで仙台ゴール前に近付くようになる。そして後半45分頃にカウンターから途中出場の長谷川が決めて3-1。その後も仙台の攻撃を抑えて川崎が決勝進出と。
 準決勝のもう1試合は等々力より1時間早かったので試合中に結果を知ったのだが、セレッソが終了間際に勝ち越しと。決めたのはDFの木本で4月のセレッソ戦@キンチョウでも書いたように静学の出身だが、等々力で長谷川が決めた時もそういやこの選手も静学だったなと思って調べたら2人は93年度生まれの同級生だった。これも何かの巡り合わせか。大柄なCBと小柄な2列目のアタッカーという、この高校がこれまで輩出してきたプロ選手の典型というのもまた面白い。

 正直準決勝のカードが決まった時点で、決勝はガンバ×フロンターレでガンバ優勝なんだろうなと思っていたのだが(笑)、どちらもJ1タイトル未経験なので結果は全く予想出来ない。先日のリーグ戦では川崎がホームで5-1と圧勝したが、一発勝負のカップ戦決勝ではそういう実績は何も影響しないのも事実。鹿島、ガンバ、浦和など決勝お馴染みのクラブがいないのも新鮮ではある。埼スタ開催になってから決勝は行ってないが、久々に行ってみようかな。

 帰りはいつものように新丸子まで歩いたのだが、途中のコインパーキングで宮城ナンバーの車をベガルタユニを着た人が出していた。車だと仙台~川崎間は4~5時間て所だろうか。ベガルタも気付いたらテクニックのある選手が増えて、これまでのイメージが変わりつつある。