今年の未踏破スタジアム制覇は大阪から。思えば4年前は水曜開催、3年前はヤンマー開催で、その年まさかの降格で一昨年、去年は行くチャンスが無かった。奇しくも去年の吹田行と同じ4月第1土曜日の大阪開催だったが、今年は去年の経験を踏まえて日程が出た直後から事前に色々調査。調べてみると大阪でも飛行機の方が新幹線より安かったりするので帰りは伊丹から空路を選択し、また去年は宿を取るのに苦労したが、今年は15時開始なので日帰り。
例によって早朝の新幹線でまずは京都に向かったのだが、今年は桜の開花が遅く、また前日は雨で気温が上がらなかったのもあって去年ほど咲いてはいないだろうというのは分かっていた。そんな中で京都でも行ったことの無い場所、かつ京都駅からそう遠くない名所はどこか色々検討し、まずは京都御所(京都御苑)に向かった。洛中にあるが、行ったことがあるようで無かった。御所の周りを御苑が囲む、というよりは塀で囲まれた広い京都御苑の中に京都御所を始め幾つかの御所や貴族の住まう邸宅が独立しているイメージ。行くと御所の外に広がる砂利道の広さに圧倒された。普通屋敷の外は細い道に囲まれているが、そうした固定観念を打破する光景であるが故に何か只ならぬ風格を感じてしまうとでも言うか。
9時からは御所内の一般見学が始まったので中を見学し、その後は地下鉄を乗り継いで醍醐寺に向かった。乗りながらふと思ったが、京都ほど古い街で地下鉄を通すとなれば各時代の遺跡が出てきて工事どころでは無かっただろうな。同じような話をローマでも聞いたことがあるが。
醍醐寺に行ったのは今まで行ったことがないのと秀吉が開いた花見で有名な桜の名所という点からだった。今回は桜はあまり望めないなと思って行くと、やはり枝垂れ桜が木によっては咲いているといった程度で全体ではまだ一分咲き。ただ中の庭園は見事だった。
こういう樹木、石、水で自然を現したような庭園はその規模が大きいほど観ていて飽きない。
醍醐寺を出た後は醍醐駅近くの定食屋で昼食を摂り、地下鉄で山科駅、そこからJRの新快速で大阪に向かった。この時点で既に一万歩以上歩いていたので、新快速ではすぐ座れたのもあって大阪まで意識を飛ばしていた。大阪からは地下鉄で長居駅に向かい、14時前にはスタジアム到着。
■観戦記
今回はメインスタンドアウェイ側に座ったが、メインスタンドが大きく(高く)、その他スタンドが低いという構造は三ツ沢に近く、マリノスにとっての日産―三ツ沢の関係がセレッソにとってのヤンマー―キンチョウなのかな。ただマリノスと違うのはキンチョウの増築計画がある点で、中にこんなポスターが。
バックやG裏を増築するらしい。吹田スタジアムを造ったガンバといい、またノエビアの神戸、亀岡に新スタジアムを建設する計画が具体化している京都など、スタジアムに関しては関西が日本の先進地域だな。関東も埼スタ、フクアリ、NACK5、など専スタはあるが、収容25,000〜35,000規模のスタジアムが無い。
ホームゴール裏を観ると、シンハービールの目立つ広告とあべのハルカス、そして中継映像でよく映るセレッソ旗を掲げたアパートが。
今は取り壊されてしまったが三ツ沢バクスタ裏の古河電工社宅にもマリノスやフリューゲルス、横浜FCの旗が掲げられていたし、浦和美園〜埼スタ間に出来たマンションにもレッズの試合日に旗を掲示した家を見たことがある。ああいうのはサポがスタジアム近くに家を買った、あるいは近所にプロチームが出来て応援するようになった、というパターンか?
ようやく試合について(苦笑)代表戦の影響でバブンスキーはベンチスタートで前田がトップ下に入り、富樫が負傷、ウーゴがコンディション万全で無い(らしい)為に伊藤が1トップに入ったが、前半はシュートを打てたかどうかという悲惨な内容だった。前田はセレッソの中盤、山口とソウザに対応されて中央で前を向いてボールを持てないために、自然といつもの右サイドに流れていってマルティノスとポジションが被り、伊藤も前でボールを収められず。今日のセレッソは杉本がスタメンで、フィニッシュは寒くて点の入る匂いはしなかったが柿谷や山村とのコンビによる崩しや中澤を背負ってもボールキープするなど、マリノスからしたら嫌らしいプレーを何度も見せていた。
後半は少しマシになってセレッソゴールに迫るプレーが増えてきたのだが、そういう中でセットプレーから木本にボレーを決められて先制を許した。この選手は先日のルヴァン杯でもマリノス相手にCKから点を取っていたのでどんな選手だろうとプロフィールを見たら、静学→福岡大で去年加入した選手。静学も小柄なテクニシャンタイプばかり育てていると思いがちだが、小林祐三(高校時代はCBだった)や永田充、薗田淳(元川崎、札幌、現熊本)などCBも結構プロ入りしている。
先制されたマリノスは金井→ウーゴで3バック(松原、中澤、デゲネク)、2トップ(伊藤、ウーゴ)にして押し込んでいく。が、ボールを支配する割に決定機は無く、逆にセレッソにカウンターからピンチを招く場面が増えていった。これまでも終盤に1点取るために前掛かりになってカウンターを受ける、というような試合は何度もあったが、今日ほど数的不利の場面も作られたのは記憶に無い。おそらくまだこの3バックを消化し切れておらず、マークやポジション移動の約束事が体で覚えるまでには至ってないのだろう。後半30分頃には喜田がPKを与えてしまい、これを柿谷が決めて2点差。その後も押し込みはするが決定機は作れず試合は終わった。
試合後、どうもこのスタジアムはいつも負けるイメージがあるなと思って調べてみたのだが、
vsC大阪キンチョウスタジアム戦績
2010年●0−2
2011年○1−0
2012年●0−2
2013年●1−2
2017年●0−2(ルヴァン杯)
●0−2
なんと今日で6戦5敗目だった。ここではいつもマリノスのやりたいことが出来ず、セレッソの思惑通りの(場合によってはそれ以上の)試合展開になる。ユアスタとは対照的に苦手なスタジアムということか。
帰りは御堂筋線に乗ったのだが、この前の埼スタの浦和美園ほどとは行かずとも1〜2本乗車を見送る位の混雑の覚悟はしていたのだが、あっさり乗れて千里中央駅→モノレールで大阪空港まで。帰りの便は窓側の席が取れたので、縦横に道が連なる大阪の街並みの夜景が美しかった。