J1第8節 柏×横浜M(日立台)


 2年ぶりの日立台。鉄骨や柵がメイン、かつゴールとスタンドが密接した構造は他の日本のスタジアムにあまり無く、イングランドの箱形スタジアムのような雰囲気がある。このスタジアムを見ているとイングランドでそうだったように、増築、改装すればより素晴らしいスタジアムになるのではないかという想像(妄想)が出来る(笑)実際、周囲の土地には建設の余地があるし。

 そういう中で始まった試合だが、今日はマルティノスが累積警告で出場停止の為、前田が右サイドに入り、バブンスキーがベンチで天野がトップ下、ボランチには喜田と扇原というコンビだった。開始直後は一進一退の攻防で、柏ゴール前で2度ほどFKを得たが決まらず、徐々に柏にサイドから押し込まれるようになった。柏はクリスティアーノがトップに張っていて、シュートはあまり打たせなかったが、ポストプレーで何度も起点を作られた。デゲネク、中澤を背負ってもしっかり空中戦で競り勝って後ろに、横に展開するので柏の選手は思い切って攻め上がることが出来、それが連続した攻撃に繋がっていた。そういう中で柏の左サイドからのクロスを金井がハンドしてPKとなり、クリスティアーノが決めて柏が先制。飯倉はコースは読んでいたが、クリスティアーノのシュートスピードがそれを上回った。その数分後には右サイドからのクロスを大谷が折り返して中の中川が合わせて追加点。あっと言う間に柏が2点先行した。

 磐田戦でも書いたように、今は(というかマリノスは伝統的に)先制されると苦しい。まして2点も先行されると追い付くのも厳しくなる。後半も立ち上がりは攻勢に出たが徐々に柏に押し返され、終盤は途中投入のバブンスキーがテクニックで相手をかわすプレーを見せたが、周りに2人、3人と柏の選手がいる中で1人抜いただけではチャンスに繋がらず。逆にカウンターから柏になんどかチャンスを作られたが、これは防ぎ、0−2のまま試合終了。

 今日は齋藤のコンディションが万全でないのか動きに切れが無く、また柏も対面に同じく俊足の伊東を置いたりしていつものように独りでサイドを突破してフリーでクロス、パスというシーンは殆ど無かった。また右サイドの前田も只管サイドを前に突っ掛けるだけのプレースタイルで、スペースに走り込んでボールを呼び込むと言ったプレーが殆ど無く、また単純なトラップミスも多くて攻撃にブレーキを掛けているような状態。松本時代は1トップもやっていたし、もう少しプレーの幅が広いと思っていたが、現状ではマルティノス(この選手も決してレギュラー盤石といったプレー内容ではないが)の控え以上では無いかな。
 また全体的にトラップ、パスといった基本スキルで柏に大分見劣りがした。慣れたピッチとは言え柏の選手は狭いエリアでもシンプルにボールを繋ぎ、ワン・ツーでサイドを突破したりとボールを前に運べるだけの技術があったが、マリノスは横に繋ぐのがやっとで前に出そうとするほどパスミスの回数が増えていった。柏はスタメンにアカデミー出身者が7名もいたが、皆確かなスキルがあって決して若いから敢えて起用されているのではないプレーぶり。特にCBコンビの中谷、中山は先日の川崎戦(等々力)では退場や失点に繋がるミスなど若さを露呈していたが、今日は最後まで安定したプレー。こうした柏の若い選手達を見ていると、育成とは何かを考えさせられる。本来公式戦に出るレベルでは無い者もいる中でルヴァン杯に出場“させて貰い”、1本パスを通したり、相手から1度ボールを奪うだけで良く出来ましたとばかりに拍手を浴びるようなマリノスの若い選手達とは戦っている次元があまりに違う。柏の選手もこれが今季ホーム初勝利だったようになかなか結果が出ておらず、また前述の川崎戦の様に敗戦に繋がるミスをすれば年齢に関係なく厳しい批判を浴びる中で、それが成長を促して今日のようなプレーを見せることが出来るんだな。

 開始直前から雨が降り出すような天気だったが、幸い本降りにはならず。今日は行き帰りとも品川〜柏直通電車を利用したが、特に帰りはそのまま乗っていれば品川まで着くので心理的にかなり近く感じられた。