天皇杯決勝 横浜M×C大阪(埼スタ)


 3大会ぶりの天皇杯決勝観戦。前回は12月の決勝だったから元日決勝はその前の年、2014年以来か。4年前は国立開催で、試合後に初詣に行く時間的、体力的な余裕もあったが今日は埼スタ開催で開始も14:40とやや遅めなので試合後は勝てば祝勝会、負ければ直帰だなと思いつつ例によって赤羽~赤羽岩淵ルートを使って埼スタへ。まぁ去年みたく吹田開催だったらTV観戦だったろうからこうして現地で観戦出来るだけ恵まれているが。余談だが次回も決勝開催地は埼スタで決まっており(2019アジアカップの影響で開催日は18年12月24日)、新国立競技場の完成予定は2019年11月末とのことなので、早ければ次々回(つまり20年元日)には再び千駄ヶ谷で決勝開催となるだろう。杮落しイベントの関係でその翌年になる可能性もある。それはともかくとして、浦和美園駅やスタジアムでいつもの観戦仲間に会って新年の挨拶を済ませ、試合へ。

 マリノスとしては試合の入りはなかなか良かったと思う。決勝だからと言って硬くなりすぎず、守ってサイドからカウンターというのが徹底されていた。そういう中で前半10分にもならない時間にマリノスが先制。左サイドからの下平のクロスを伊藤が受けて流し込んだ形だったが、その少し前にも同じく左からのクロスが簡単に伊藤に渡っていて(これはオフサイド)、セレッソCB陣が伊藤を捕まえ切れていない中で決まったゴールだった。準決勝と違って先制した展開となったが、その後のセレッソの攻撃も上手く抑えて前半は1-0リードで終了。ただ前半の終盤に左の山中が足を痛めて交代(→遠藤)し、またセレッソ戦は11月のホーム最終戦でも前半1-0リードから後半崩れて1-4だっただけにまだ分からなかった。
 後半は少し前掛かりになったセレッソに対してマリノスが序盤からカウンターで何度か相手ゴール前まで近付く。だが、何度かあったチャンスを逃している中で後半15分過ぎからセレッソが更に押し込むようになって、その流れの中で同点ゴールが。水沼がマリノスの選手を一人かわして打ったシュートは飯倉が弾いたものの、そのクリアがエリア内にいた山村に渡ってシュート→ゴールインという流れ。
 結果論だが後半序盤に2点目を決めていれば試合は終わっていたはずだった。だが主に遠藤になるのだが、最後のシュートやクロスが甘く、簡単に相手にクリアやキャッチされてしまっていたのが勿体無かった。何度も言っているが遠藤はここだよなぁ。「自分が試合を決める。」、「自分のプレーにチームの浮沈が掛かっている」という自覚に欠けるというか、相手にとって怖いプレーヤーでは無いんだな。17年はアウェイガンバ戦、ホーム鹿島戦の様に、何故か持ち場(サイド)を離れてゴール前に飛び込んでゴールを決めるプレーがあったが、ああいう大胆さを持っているのならそれを今日出して欲しかった。来季はああいったプレーをもっと継続して出して欲しい。
 同点以降はほぼセレッソのペースだった。セレッソの中盤、ソウザ、山口、清武らは個々でボールを前に運べるスキルと同時にパス&ゴーも出来るのでマリノスとしてはなかなかボールを奪えず押し込まれる展開が続いた。今日の両チームで一番差があったのはこの中盤だったな。純粋なボール扱いだけ見ればバブンスキーは両チームの中でトップクラスのスキルがあると思うが、実際の試合でスキルをより有効に使っているのはソウザや清武なんだな。勿論それは個人の問題だけではなく運動量や周りのサポートの違いもあるとは思うが。つくづくこうしたスキルを持つ(と同時にムラもあった)選手達に献身性を植え付けた尹晶煥指導力は素晴らしい。90分終わって1-1のまま延長へ。
 延長は開始5分でいきなり試合が動いた。セレッソの左からのクロスを飯倉が目測を誤ったのかキャッチできず、ファーサイドに走り込んだ水沼がマークに付く下平の頭越しにヘッド、これが決まってセレッソが勝ち越した。しかし水沼はルヴァン杯の決勝(2点目をアシスト)等重要な試合で一仕事する印象なのだが、少し大袈裟に言えば元チェコ代表のネドベドみたいなタイプだな。華やかなテクニックを見せることは無いが、ゴール、アシストに直結するプレーをコンスタントに出せるという。こういうタイプは一人で試合を決める訳では無いから、チームの組織力やその組織の熟成度によってプレーに違いが出てしまうと思うが(FC東京でイマイチだったのはそこだと思う)、今のセレッソは最適の環境なんだろうな。
 その後はほぼセレッソペースで試合は進んだが、延長後半半ば過ぎからはマリノスが最後の攻勢に出て、特にウーゴ(途中出場)にボールが入った時はゴールの匂いがしたものの、点は入らずセレッソが優勝。

 準決勝の観戦記にて、今季は国内メジャータイトルの無かったセレッソフロンターレがタイトルを獲ってきただけに、これまでの流れ(マリノスは決勝に行けば勝つ)が踏襲されるかは分からないと書いたが、それが結果的にではあるが当たる形となった。マリノスとしてもそれまでの伝統的なサッカー(代表クラスの4番(高さと強さを備えるCB)と10番(攻撃の創造者)と9番(ストライカー)を擁し、少ないチャンスをものにして勝つ)からの脱却を本格的に志向した今季こういった(それまでのジンクスとは異なる)結果となるのはある意味象徴的というか。

 勝ったら東川口辺りで祝勝会かなと友人たちと話していたが、この結果なので直帰が決定(苦笑)疲れて東京駅から新幹線を使ってしまった。