ルヴァン杯GL 横浜M×仙台(三ツ沢)


 土曜に続いて三ツ沢行だったが、仙台GK川浪が当たっていて決定機をものに出来ず0-0スコアレスドロー。ただ点は取れなかったが(前半終わり頃から相手が一人少なかったのを差し引いても)よくボールが回って決定機も柏戦、鳥栖戦に比べて断然多かった。サイドの出来はこれまでとそう変わらなかった中で、中盤の選手がどんどん前に仕掛けてエリア内に入っていったのが違いだったかな。ベンチには天野、扇原もいた中で途中出場したのは和田や仲川だったが、観ていてふとトルシエシドニー世代を思い出した。それまで日本であまりなかった戦術(フラットな3バック)を導入するにあたって、より若く技術のある世代がそれをいち早く吸収し、中堅、ベテランを押しのけてA代表でもポジションを確保していった、という構図。今日は若手優先起用という縛りがあったかもしれないが、若い世代の方が戦術の体得が早いという点で今のマリノスもそれに近い状態なのかもしれない。
 その中で吉尾は観ていて面白い選手だった。マリノスユース出の中盤の選手は全体的にスマートだが軽さもあって、特にトップ昇格直後の19~20歳頃はプロの寄せの早さの中で消えてしまう選手が多いのだが(故にJ2レンタルを経て20代半ばでようやくプロとして戦えるようになるパターンが多い)、この選手は思ったよりがっしりしていて重心が低いので、相手の寄せにも簡単に当たり負けせずプレーを続けられるし、パスだけで無くゴール前まで走り込んでシュートも狙える。今後もルヴァン杯でこのプレーを出していれば結果(ゴール/アシスト)も出るだろうし、リーグ戦でも出番を貰えるかもしれない。
 
 仙台も若くて巧い選手がいつの間にか増えていたな。つい3~4年前はベテラン中心だったイメージなのだが、今日がルヴァン杯なのを考慮しても20代前半の選手が多かった。出身を見ても自前のアカデミー出身者始めクラブユース出身者と青森山田、清商、流経柏など強豪高出身者が勢揃いといった感じで。今日も一人少ない中でボールを支配されながらもマリノスの浅い最終ラインの裏を突いて何度かマリノスゴール前までボールを運んでいたし、ワンチャンスで1点取る匂いを出していた。キャプテンは野津田(広島ユース出身)だったが、これまでは右からカットインして左足でシュートというパターンばかりだった中で、今日は中盤やや低めの位置からゲームメイクしていたのが印象深い。まだプレーにぎこちなさはあったのだが、あの左足がシュートやセットプレーだけでなく、中盤から試合のリズムを変えるロングパスやサイドチェンジにも活用されたらワンランク高みに達するのではないかと思う。

 今日は平日開催で観衆も6,391人という入りだったが、仙台サポは意外なほど多かった。アウェイ自由にいた人数ならこの前の鳥栖とほぼ変わらない位。ユニの黄色の中に白が目立っていたのでよく見ると、白いYシャツの上からユニを着ている人達だった。仕事帰りという事だろうから、仙台出身とか縁のある首都圏在住の人が来ていたのだろうか。20年Jで戦っていれば、子供の頃地元で観ていて進学、就職で上京した後は仙台が首都圏に来た時に観に行っている、という人も多そう。