監督も正式に決まったことだし、例によって4年後のメンバーを予想してみる。個人的な願望も多少あるが、基本的には出来る限り客観的な視点で。
<カタールW杯メンバー予想>
GK中村、権田、川島
DF吉田、昌子、長友、酒井宏、植田
富安、杉岡
MF柴崎、大島、原口、香川、堂安
中島、中山、守田、久保建
FW大迫、武藤、久保裕、鈴木優
■GK
まずここで悩む。順当にいけば中村航輔が正GKだとは思うが、残り2枠は全く予想が付かない。候補が多いからではなく、少な過ぎて。年齢的に権田(4年後は33歳)、林彰洋(同35歳)、東口(同36歳)は十分可能性があるが、どうもなぁ。この面々なら4年後39歳になっている川島のメンバー入りさえ有り得る。また中村も負傷の多さは気掛かり。ここまで川口に倣わずとも良いのだが・・・。理想を言えば川口と楢崎みたいに切磋琢磨する同世代のGKがもう一人いれば良かったのだが、1人しかいないだけに期待が過剰に圧し掛かってしまっているようにも。
まぁいかに現時点で20代前半の日本人GKの層が薄いかの裏返しではあるな。J1では中村以外一定の出場機会を得ているGKはおらず、J2も20代半ばまで対象を広げても以下の通り
※25節終了時点
櫛引 政敏(山形、1993/1/29):14試合
福井 光輝(町田、1995/11/4):14試合
辻 周吾(横浜FC、1997/7/21):10試合
若原 智哉(京都、1999/12/28):6試合
一森 純(岡山、1991/7/2):18試合
田尻 健(金沢、1993/6/11):9試合
藤嶋 栄介(山口、1992/1/31):23試合
圍 謙太朗(福岡、1991/4/23):14試合
櫛引は山形でレギュラーを取りつつあるようなので、4年後可能性はある。J1でプレーしていないと厳しいと思うが、少し前のイングランドはあまりにGKがいない為に2部のチャンピオンシップから選ばれていた事もあったので、J2所属のまま選ばれるという事態も無くはないな。それ以外だと生で観た事があるのは一森くらいなのだが、岡山で櫛引からポジションを守ってレギュラーを張り続けている選手で、飛び出しのタイミングの良さが印象に残っている。岡山が昇格してJ1でも実力を見せられればもしかしたら。
■DF
ロシア組の吉田、昌子、長友、酒井宏樹、植田は4年後も残りそう。特にSBは4年後も36歳になった長友が左サイドを駆け回っている姿が目に浮かぶ。
若い世代のDFというと、まず思い浮かぶのはベルギーにいる富安。クラブでしっかり経験を積んで4年後はステップアップして欲しい。SBは代表入りだけならともかく、W杯メンバーとなるといかに強烈なキックやテクニック、得点力を持っていてもそれと同等の守備レベルが無いと厳しい。長友や酒井宏樹が起用されるのはまず第一に対面の相手をしっかり抑えられるから。その点で山中(横浜M)、松原(清水)、初瀬(G大阪)など攻撃に特徴のあるタレントよりも、湘南で左サイドハーフのレギュラー、かつボランチや3バックの一角でも堅実なプレーを見せる杉岡がロシアでいう遠藤の様な役回りで選ばれるかなと。
■MF
香川は4年後33歳だが、ロシアで組織の中で機能する姿を見せてくれたので、例えレギュラーではないとしても「黒子に徹しながら相手ゴール前で守備の急所を突く」役割で重宝しそう。後はこれだけ大事にされてきた選手なので、(余程の不調や負傷が無い限り)この4年の間に代表からフェードアウトなど考えにくく、カタールが代表最後の舞台として用意されるだろうという政治的理由もあり(苦笑)
その他ロシア組では司令塔として柴崎は確実、というか名実共に中心選手になっているものと思うが、大島は実力的には日本トップクラスではあるが監督によって好みが分かれそうでW杯メンバーに選ばれるかは分からない。これまで殆ど代表で試合に出ていないので、この4年で継続的に実力を示すことが必要になってくるかな。原口は守備もこなすドリブラーとして貴重なのでエントリーされると予想。攻撃陣では乾はさすがに4年後34歳なので年齢的に、宇佐美もロシアで見せたようなムラのあるプレーだと欧州でよほど活躍しないと(それこそかつての香川のようにブンデス1部ベストイレブン級の)厳しい。後継は堂安、中島かな。また守備面では長谷部の後継に中山(柏)で、山口は4年後32歳で十分エントリーされる可能性はあるが、今大会あまり良いプレーを見せる事は出来なかったので、より若い世代を選んでみたい。このポジションでは最近川崎でポジションを掴んでいる守田は面白いタレント。ボール奪取力があるし、川崎のパス回しの中でも浮く事無くプレー出来ているので。
そして中盤最後の1人は4年後21歳になっている久保建英が選ばれているんじゃないかと。既に現時点でア●ィダスのプロモーションにも登場しているし、色々な意味で香川の後継者として。
■FW
大迫はあのポストプレーは4年後も必要だし、今回落選した久保裕也も29歳とピークを迎える。また武藤はブンデス1部で一定の結果を残しているし、トップでも2列目でも機能するので4年後も選ばれるかなと。ただし今回のように最後の最後に滑り込んで連携も何も無いまま控え要員で終わるよりも、継続的に代表に選ばれてチームの中で機能するようになって欲しいところだが。
最後の1枠は欧州で一定の実績があるのにこの4年間A代表には殆ど縁の無かった南野(ザルツブルク)、なかなか人材豊富な96年生まれ組の北川(清水)、西村(仙台)等がいる中で、98年中山雅史⇒2002年鈴木隆行⇒2006年巻誠一郎⇒2010~2018年岡崎慎司と受け継がれた魂のFW枠として同じく96年組の鈴木優磨を。毎年着実に公式戦でのゴール数を伸ばしているし、来年辺りかつて大迫がそうだったようなブレイクを果たすのではないかと思う。金崎の移籍がそのきっかけになるようにも。
と予想してみたが、東京五輪世代(97年生まれ以降)が同じ監督の下で指導される(そしてU21~23でかなりの国際経験を積める)一方で、ギリギリ五輪に入らない95~96年生まれ組はその点で不利になるかもしれない。前にも書いたが96年組は早くからJ1で試合に出ており高卒(トップ昇格)4年目の今季は特に前線で結果を残している選手が多く、国際経験を積めば化けそうな選手が多いだけに勿体ない。学年で言えば鈴木優磨と中山、三好(札幌)らは同じなのだが、97年早生まれの中山、三好が去年のU20W杯、東京五輪代表と年代別代表の経験を積む一方で、鈴木はリオ五輪で一番若い世代として2年前が年代別代表の最後のチャンスだった(正確には今年のU23アジアカップの出場資格はあったが、日本は東京五輪世代であるU21を出した)。これからの4年で世代交代を掲げるなら、こうした生年別の国際経験の格差も解消して貰いたい。
最後にメンバーには入れなかったが、入ってもおかしくない選手達の名を挙げておく。4年後の言い訳用として(笑)今回の代表候補で最年少世代だった井手口や三竿は4年前18歳だった。今年18歳なのは2000年生まれの世代。去年U17W杯に出た菅原由勢(名古屋)、中村敬斗(G大阪)は今季J1で一定の出番を得ているので可能性はある。またその1つ上の99年生まれ世代も安部裕葵(鹿島)、橋岡大樹(浦和)、郷家友太(神戸)、田川亨介(鳥栖)、山田康太(横浜M)らもJ1でレギュラーor準レギュラークラスで、この中から東京五輪⇒カタールW杯メンバーが現れてもおかしくない。それ以外の若い世代だとマリノスの吉尾(98年生まれ)が少し気になっている。この選手は今年から齋藤学や中村俊輔と同じ代理人と契約していてそれ故にサポから不安視されているが、逆に代理人の“目利き”を信じたい。この代理人は他に長友、岡崎、柴崎らと契約し、マリノス以外でも海外移籍時に禍根を残しているケースもある。ただ長友の様に古巣と円満な関係を維持している場合もあり、そこは個別の事情に因るようだ。海外でもミーノ・ライオラの様にサポーターから嫌われる代理人がいるが、こうした代理人は選手の素質を見抜き、キャリアアップの為に的確な助言をする力もまた確かなもの。彼らにとっては選手の価値を高める事が収入に繋がるのだから。ブックメーカーの試合結果予想が的確だったりするように、生活が掛かった人間の仕事はやはり侮れない。てことでこの選手も4年後期待している選手。
てな感じで4年後に目を向けつつ、まずは9月の新監督緒戦のメンバーを楽しみにしておこう。