J1第19節 横浜M×広島(三ツ沢)


 リーグ戦を観るのは5/19の長崎戦以来2ヶ月半ぶり。今日は首位広島が相手だが、このチームを今季観るのは始めてで、一体どんなサッカーか興味があった。
 
 前半はマリノスがボールを支配し、時折広島がカウンターを繰り出す展開だったが、ゴールに近付くプレーは広島の方が多かったかな。やはりパトリックが前でボールを収めてくれるので、2列目が思い切って上がれるし、またそういう動きがチームとして出来上がっている。そんな中で前半終了間際に仲川がエリア内でハンドしてPKとなり、青山のキックは飯倉が止めたのだが、ゴールラインから前に出ているという判定でやり直し。2度目はパトリックが決めて広島が先制した。
 PKの判定時からホームゴール裏を中心にブーイングは大きかったが、それは広島のキッカーにプレッシャーを掛けるというより、判定に納得いかない不満をぶつけたものだったように思う。クロスに対して腕を上げ、腕に当たった後方向が変わったのは明白でどうみてもPKだったが、どうもこの辺りから一部の選手やサポは試合に集中出来ていなかった。ゴール裏に向かってジェスチャーで怒り(ブーイング)を抑えるよう示した松原や、2度目のPK判定で更に騒然となる中で飯倉コールで焦点を試合に戻そうとしたコールリーダーの様に、勝つ為に何が必要か分かっている人もいたが、前半終了後も主審に抗議していたウーゴやドゥシャン(ツェティノヴィッチ、この試合でデビュー)の様に、一部の選手や観客は現実を受け入れられない鬱憤を主審にぶつけるだけで試合に集中出来ていなかった。
 
 失点したとは言え残り半分あるのだから十分追い付く時間もチャンスもあるはずだったが、広島ボールで始まった後半はそのまま攻め込まれてCK→パトリックの2点目が決まった。開始から約1分。その数分後も広島のダイアゴナルの動きからゴール前での落とし→シュートという綺麗な形で0-3。ここでマリノスはようやく吹っ切れたのか攻勢に出るようになった。前半あまり見られなかった縦パスも出すようになり、広島が引いた事もあって完全にハーフコートゲームになったのだが、惜しいシーンと言えばクロスバーをかすめた天野のFKと林がパンチングで防いだ山中のミドルぐらいだったか。押されていても広島の選手はサイドにはしっかり2人で対応し、中央でシュートを打たれても皆身体を張ってブロックしていたが、18試合で12失点(4点は前節浦和戦)という守備力の一端を見た思いだった。
 マリノスも後半20分を過ぎるとさすがに攻め疲れたのか徐々に広島が押し戻していったのだが、CKの流れからまた決めて0-4。それ以後はマリノスは組織の体を成さず、個々が仕掛けては奪われカウンターでピンチを招くシーンが続いた。後半30分過ぎに一緒に観ていた友人の一人がスタジアムを後にし、私ともう一人の友人も帰りのバスで長時間待ちたくなかったので後半40分でスタジアムを出た。バスを待っていると歓声が聞こえたのでDAZNを観たら終了間際に伊藤が決めたらしい。

 広島は前節大敗した後の今日だったが、敗戦を引き摺らず結果を出した辺り、その強さは確かなものだ。しかもマリノスは前節台風で試合が延期されたので(しかもホームだったので移動も無く)、体力的に不利だったにもかかわらずこの結果。観て思うのは、試合展開に左右されず我慢強くバランスを保てる強さだな。その中心にいるのはやはり中盤の青山で、キープ力が有り、パスでテンポを操れるこの選手がチームを落ち着かせられるからこそ押されても慌てずにプレー出来るのだろう。この選手とパトリック以外で印象に残っているのは左サイドの柏で、森保時代の3バックから今の4バックになっても相変わらず鋭いサイド突破だった。アシストだけで無く切り込んでシュートも打てる。遠藤や仲川のお手本とも言うべきプレーで、後5歳若かったらマリノスは獲りに行ってたんじゃ無いかと。

 マリノスはPK時の対応含めメンタリティで広島とは差があり、根負け。後半半ば過ぎの失速からの失点などはまさにその象徴というか。新加入のドゥシャンは高さもあって繋ぎも苦にしないので大きな戦力になりそうだが、中澤がちょっと危ない。8月は次中3日で川崎戦、そこから5日空いた後は8/11湘南戦→8/15名古屋戦→8/19鹿島戦→8/22仙台戦(天皇杯)→8/26神戸戦→8/29清水戦(7/28順延分)と続く。9月も9/1柏→9/5G大阪(ルヴァン)→9/9G大阪(ルヴァン)なので、9月上旬まで連戦が続く訳だ。おそらく連続フル出場記録の関係でリーグ戦は出続ける契約になっているだろうし、デゲネク、金井outドゥシャンinとそもそもCBの頭数が足りないので、リーグに専念したとしても湘南戦~鹿島戦、神戸戦~柏戦と3連戦が2つあり、前節、今節の出来を見る限りこれに耐えられるかどうか。8月でシーズンの行方が事実上決まるかもしれない。