観客動員についてなど

 たまには観戦記や散策記以外も。マリノスは先日の浦和戦でリーグ戦ホーム17試合中13試合を消化し、平均観客数は現時点で21,902人。これは去年の平均24,766人に比べて約11.6%の減少で、またリーグ内においても毎年平均観客数2位の座をFC東京と争っていた中で現在リーグ6位(浦和、FC東京、名古屋、川崎、G大阪、横浜Mの順)。
原因としては席割りの変更、チームの成績(特にホームで3勝3分7敗と勝てない)というのがまず思い浮かぶが、ただ今季は集客面でことごとくツイてないという面もある。挙げてみると
①変則日程
 今季は日産の改修工事が3月末まで続いた影響で開幕当初はアウェイが多く(5試合中4試合)、その分4月以降はW杯でリーグが中断される5月中旬まで毎週末ホームで試合があったのだが、それが逆に観に行く試合を選別される結果になったと思う。「たまにはマリノスの試合観に行こうか」という人にとって足が向くのは隣町とのダービーかつ齋藤学の移籍という話題性のあった4/8川崎戦(37,332人)だったり、GW序盤の土曜という近場に出かけるには丁度良い日程だった4/28鹿島戦(27,348人)であって、その間の4/15神戸戦(16,313人)、4/21湘南戦(19,117人)はそうではなかったということなのだろう。同時にマリノスの客層はそういう層の占める割合が大きいとも言える。
 また今年は中断期間の為にリーグ戦の平日開催が例年より多いのだが、7/28清水戦の様に気象条件によって試合が延期され、代替開催日が水曜、しかも3日後には同じ場所で試合という日程になった。清水戦は7/27まで25,000枚くらい発券されていたが8/29の入場者は15,645人。

イニエスタトーレスが来る前に神戸、鳥栖とのホーム戦を消化
これも不運としか言いようがないのだが、この2人がJデビューする前に両チームとホーム戦を消化してしまった(苦笑)

 3/10(土)鳥栖●1-2:11,247人(三ッ沢
 4/15(日)神戸●1-2:16,313人(日産)
 6/2 (土)神戸○4-2: 8,827人(三ッ沢)※ルヴァン杯PO

鳥栖戦はホーム開幕戦で三ッ沢は大入りだったが(それでも12,000~13,000ほどは入って欲しかったところ)、神戸戦は今なら上記の倍以上、味スタのFC東京×神戸戦(本人は出場しなかったが)が44,801人で今週末の埼スタでの浦和×神戸も完売なのを考えると、この前の浦和戦以上に入っていてもおかしくなかった。目安として客単価を2,325円(17年度の入場料収入、観客動員数より算出)としても約7000万の増収。来場者が購入するグッズ収入もあるので、17年度の純利益が約2500万だったマリノスにとってこれはかなりの金額。

③夏休み期間のホーム戦がすべて水曜
 小学校の夏休み期間は集客の書き入れ時だが、この期間のホーム戦はというと

  7/28(土)清水   :台風で順延
  8/1 (水)広島 ●1-4:10,069人(三ッ沢
  8/15(水)名古屋●1-2:24,527人(日産)
  8/29(水)清水 ●1-2:15,645人(日産)

 8/15はお盆休みの人が多かったと思うが水曜開催ばかりで、唯一の土曜開催だった清水戦も台風で順延という。こう書いてても本当にツイてないな。また結果も書いたが、この3戦全て敗れたのも影響があったと思う。

 今後のホーム試合は以下の通り。

9/29 (土)仙台※三ッ沢
10/5 (金)札幌
10/14(日)鹿島※三ツ沢、ルヴァン杯
11/3 (土)FC東京
12/1 (土)C大阪

 浦和戦も消化した今30,000人を超えそうなのはFC東京戦、最終節のセレッソ戦でどうかといったところかな。FC東京戦は3年前に30,999人だったが(大学4年で特別指定選手だった富樫がデビュー戦ゴールを決めた試合)、いつもは25,000前後なのでギリ届くかどうかだと思うが。近隣だけにガスサポは毎回4~5,000人くらい来るが、ホーム側が浦和や川崎戦ほど来ない。後は金曜開催の札幌戦が20,000前後、三ッ沢の仙台戦は12,000前後といったところだろうか(雨が降らないのが前提)。どちらも遠方のチームだが首都圏在住の出身者が来るのかアウェイサポが多い印象がある。マリノスの集客傾向として、相手の知名度(有名選手がいるかどうか)と分かりやすさ(例:勝てば優勝など)に大きく左右されるというのがある。言い換えると勝点で並ぶ相手との直接対決とか、ホーム開幕/最終戦、この試合に勝てばACL出場が見えてくる、といった要素はあまり響かないんだな。8/1の広島戦は水曜とは言え首位相手なのだから、もう2,000人くらい入っても良かったが、1万人を越えるのがやっとという辺りにそれが現れている。勿論いつもスタジアムに行く人はそういう背景を十分理解しているが、そういったコア層とライト層のギャップが大きい。浦和の観客数も以前よりは減少傾向にあるがホーム開幕/最終戦はどこが相手だろうと何だかんだ40,000人以上入るし、去年のACL決勝も勝てば優勝という分かりやすい試合ではあったが、自分の周り(バックアッパー)はある程度観戦慣れしている人(チャントへの手拍子とか)が多かった。以前から思っていることだが、浦和の強みはこうしたコアとライトの間に位置する「中間層」の分厚さだと思う。(逆に言えば観客の減少はこの層が離れつつあるのが響いているのかなと。)

 開幕前に書いた懸念が、今のところ集客面はその通りの結果になっている。ただ今季は席割りが大幅に変わって実質的に値上げされた分、入場料収入自体は増えているかもしれない。ルヴァン杯も昨季はGL敗退(ホーム3試合)だったが今季は準決勝進出中でホーム6試合が確定しているのでその分増収となる。ただ空席は無いに越した事はないんで、メインはともかくバクスタホーム側まで人が少ない試合はなんだかなという思いにさせられる。まぁこれは去年までそこで観ていたからなのかもしれないが(苦笑)