高校選手権2回戦 浜松開誠館×長崎総科大付属(NACK5)


 2019年の始まり。
 例年選手権では近場の会場に行くのだが、今回は神奈川の桐光が大晦日に負けてしまい、三ツ沢、等々力、駒沢といった普段観に行くような会場もこれといったカードが無かったのでどうしようかと思案した結果、静岡勢で初出場の浜松開誠館と長崎総科大付属というなかなか良いカード、かつ隣に武蔵国一宮である氷川神社がある、という理由で大宮まで行くことにした。思えば選手権で埼玉まで行くのは初めて。

 このスタジアムも久々なので、今まであまり行ったことの無いメインスタンドに行くことにした。今日の両チーム、まず浜松開誠館は初出場だがこの10年で現清水の竹内、松原を輩出するなど一定の実績を残してきた中で今季ついに選手権の予選突破を果たしたチーム、そして長崎総科大付属は小嶺氏が監督を務める長崎の新たな盟主。余談だが、選手権に出るチームというのはその高校史上最高クラスのタレントが在籍時は出れずに、その選手が卒業した後に出場というパターンが多い気がする。古くは清商の小野伸二が選手権に出れずに卒業した直後に出場したりとか、今年で言うならこの浜松開誠館や鹿島の安部の出身校である瀬戸内が初出場したりとか。

 試合は序盤は長崎総科大付属がロングボール中心に押し気味に試合を進めたが、前半中盤以降は浜松開誠館が押し返して一度決定機を作るなど対抗していた。長崎総科大付属のユニはアウェイ用の白黒縦縞だったが、そのデザインが国見のアウェイそのままだったのはやはり監督の意向があるのだろうか(笑)このチームには今季C大阪U18から移ってきたMF鈴木(17年U17W杯出場)がいたのだがキャプテンマークを巻いていたのには驚いた。中学でJユース、高校で高体連というのはこれまでもよくあるパターンだったが、ここ数年Jユースのタレントが高校の途中で高体連に移るパターンが増えてきた気がする。神谷優太(東京Vユースから高2途中に青森山田高)とか中村駿太(柏U18から高3時に青森山田高)とか。まぁチームスポーツである以上自分に合う/合わないというのはあると思うし、合わないなと思ったらより自分がより活きる(であろう)チームに移れる選択肢があるのは良いことだと思う。鈴木は坊主という見た目もそうだが、小柄ながら当たり負けしないテクニシャンという点で昔国見で活躍した大久保嘉人中村北斗らを彷彿とさせて、まるでずっとこのチームにいるようだった。

 前半は0-0、後半も膠着状態が続いたが、後半半ば過ぎに長崎総科大付属が右サイドからのクロスを合わせて先制し、その1点を守り切って勝ち抜いた。やはり小嶺監督のチームというか他の日本のチームに無いヘディング慣れは感じたな。先制点の様なクロスに合わせる場合でも、ルーズボールの競り合いでも頭に当てる時はジャンプしきった最高到達点で、姿勢も顎を引いてしっかりコントロール出来る体勢なのでほぼ競り勝っていた。普段からの練習が、相手の攻撃を撥ね返すだけで無く、攻撃でも今日のような得点に結び付くんだなぁと実感。
 開誠館は前半半ばから終わりまでの攻勢を後半に維持できなかった。個々で見ると右サイドに張っていた11番が逆脚の左足で突破してチャンスメイクしたり面白いタレントだったが、最後フィニッシュする選手がいなかったかな。これで静岡勢は4年連続初戦敗退らしいが、かつてほど人材の質で他の都道府県に優位性を保てない中で、限られた人材が多くのユースや高校に分散される以上、こうした傾向は今後も続くのだろうと思う。

 試合後は氷川神社まで歩いて参拝。

元日は横浜の伊勢山皇大神宮に初詣したので今日は二番詣(という言葉があるかは知らない)だったが、それほど混まず参拝出来た。帰りは大宮公園駅から大宮駅に戻り、湘南新宿ラインで帰宅。