平成の観戦を振り返る

 学生の頃から観戦の記録を付けるようになった。と言ってもメンバーや展開を詳しく記載するようなものではなく、日付とスコア、得点者、スタジアム等を記載しただけの簡素なもの。これのお陰で今も過去の記録を手掛かりに記憶を辿ることが出来る。いつしか観戦数は700を越え、区切りの良い数になったら振り返ってみようと思ってはいたものの、1000試合にはまだ少し掛かるな、と思っていたタイミングで改元されるので、ここで一区切りを付けておきたい(笑)まぁ実際これまでの観戦は全て平成時代なので、ある意味丁度良い括りではあるかな。ちなみに観戦にはプロ/アマ、男女、年齢の区別は無く、高校選手権や都道府県リーグ、なでしこの試合も含んでいるし、またフットサル(代表戦、Fリーグ)、ブラインドサッカーの試合もカウントしている。

累計観戦数:754試合(2019/4/30現在)
■初観戦試合
1995/6/10 ペプシカップ 鹿島×パリSG(東京ドーム)
初めて観に行ったサッカーの試合はJでも天皇杯でも高校選手権でもなく、東京ドームに人工芝を引いて行われた親善試合。当時のパリSGは直前の94ー95シーズンにジョージ・ウェアやジノーラ、ライーらを擁してCLベスト4に行くレベルにあったが、こうした親善試合のご他聞に漏れず出場したのは控え選手中心だった(はず)。メンバーの詳細は分からないのだが、もしかしたら当時若手FWの一人だったエムボマがいたかもしれない。スコアは3-2で鹿島勝利だったのだが、ゴールは序盤に集中して後半は退屈だったのは覚えている(笑)

■Jリーグ初観戦
1998/3/25 J1 1stステージ第2節 横浜F×浦和(横浜国際)
 初観戦から約3年が経過した98年に2試合目、かつJリーグ初観戦。丁度横浜国際総合競技場(現日産スタジアム)が出来たし、学校が春休みなので行ってみようかなという動機だったと思う。この試合で覚えているのは何と言っても小野伸二だな。当時は清商からプロ入りして1年目だったが、既にA代表入り、フランスW杯のメンバー入りも囁かれる存在だった。そしてこの試合で1対1を冷静に決めてJ初ゴール。フリューゲルスの監督はクライフのバルサでコーチを務め、後に監督にもなるレシャックで遠藤保仁も出ていたが、バルサ流のパスサッカーといいつつパススピードが遅く原博実監督の浦和に何度もカウンターを浴びていた。浦和の2トップは岡野と大柴という快足コンビで。思えばこの時点では原氏も三菱重工からの生え抜きでコーチから監督に昇格というまさに「浦和の人」だったが、その後の解任→FC東京監督就任→協会やJでの要職という経歴を経てもはやそのイメージは薄い。

マリノス初観戦
1998/3/28 J1 1stステージ第3節 横浜M×広島(三ツ沢)
 マリノス戦は上記のフリューゲルス戦から3日後の三ツ沢の試合。この試合ではフリオ・サリナスが4点決めて4-0で圧勝した。当時のマリノスは他にアスカルゴルタ監督、ベギリスタイン、バルディビエソらスペイン、南米路線だった。2年目の中村俊輔も出場。このシーズンで覚えているのは上野良治ボランチで開花したこと。伸び悩むトップ下の選手がボランチにコンバートされてブレイクという点であのピルロの事例を先取りする形だったと思う。引退後は全く消息を聞かないが今どうしているのだろうか。前にも書いたがこのコンバートとか、その後の岡田監督時代に試合で使わないと宣言されながら自力でスタメンの座を勝ち取ったりとか、そういう経験は特に若い選手の指導に活かされると思うのだが。

■ユース年代初観戦
1999/1/2 高校選手権 滝川第二×青森山田(三ツ沢)
 これも冬休みだから近場の試合に行ってみたという経緯で、主目的は佐野裕哉擁する第2試合の清商だった。第1試合のこのカードは両チームとも選手は全然知らず、青森山田にブラジル人留学生がいたのでこちらが有利かなと勝手に思っていたら滝川第二が4-1で圧勝。この試合で2点決めたのが後にジェフやトリニータで活躍する滝川第二林丈統だった。この大会で得点王を獲得。

■日本代表(男子)初観戦
2001/11/7 親善試合 日本×イタリア(埼スタ
 初めて行った代表戦は埼スタのイタリア戦。当時から帰りは混むという評判でルート開拓に東川口から歩いてみたらエラく時間が掛かった事、遠くから埼スタが見えた時、そしてスタンドに入ったら目の前でブッフォンネスタらイタリア代表選手達がアップしていたのを観た時の感動、試合前には当時ローマでチームメイトだったトッティと中田が談笑しているシーンが映像装置で映し出され盛り上がった事、目の前で観た柳沢の先制ボレー、イタリアの同点ゴールも目の前で、決めたのがトッティでもデル・ピエロでもインザギでもなく地味な(笑)ドニだった事、帰りは結局一緒に観た埼玉の友人宅に泊まった事・・・今も忘れられない思い出。

■日本代表(女子)初観戦
2003/7/12 W杯予選プレーオフ 日本×メキシコ(国立)
 なでしこの試合、というか女子サッカーを初めて観たのは、まだその愛称が付けられる前、2003年のW杯予選プレーオフだった。アウェイで引き分けた後ホームに戻ってきた試合。この試合で2-0で勝利して予選突破を決めたのだが、得点者は澤と丸山という8年後にW杯優勝の立役者となる2人。この2003年W杯ではGL敗退に終わるのだが他に宮間ら後の主力選手が台頭し始めて、翌年のアテネ五輪でベスト8。そして08年北京五輪で4位になった頃から黄金期が始まった。

■最も多く試合を観たスタジアム

1位:日産スタジアム(257試合)
2位:国立競技場(117試合)
3位:ニッパツ三ツ沢球技場(90試合)
4位:等々力陸上競技場(51試合)
5位:埼玉スタジアム(49試合)

やはり日産スタジアム(横浜国際)が一番多いが2位が旧国立だったのは意外だった。かつては年代別を含む代表戦の開催が多かったし、天皇杯ナビスコ杯、高校選手権の決勝などによく行っていた為かな。三ツ沢もマリノス戦に加えて選手権で結構行ってるし、等々力はフラッと川崎の試合を観ることが多かったが故か。埼スタが味スタより多かったのも意外だったが、思えばここも浦和絡みの試合だけでなく代表戦で結構行ってる。

■最も多く試合を観た年

2008年(63試合)

 2007~2009年は61試合、63試合、54試合とその前後に比べて多く、マリノス戦に加えて代表戦も近場で開催されたら行ってたし、マリノスが遠地アウェイの週は埼スタ、等々力、味スタなどにふらりと出掛けて観に行っていた。その他年末年始には高校選手権があり、ほぼ毎週何かしらの試合を観に行っていた年だったな。ここ10年ほどは年間40試合前後。マリノス戦以外は(優勝、昇降格争いなど)展開的に面白そうなカード、未見のチーム、未踏のスタジアムに行くことに重点を置いている。まぁ未踏スタジアムは殆ど遠地なので長期休暇中しかチャンスが無いのだが。

■その他色々
以下観戦記録を振り返って印象に残る試合をば。
2004/8/1 親善試合 鹿島×バルセロナ(国立)
 この04年から06年頃にかけては欧州クラブがマーケティング目的でシーズンオフやプレシーズンに日本を訪れることが多かったのだが、この試合もその一環。何故この試合を挙げたのかというと5-0でバルサが勝ったこの試合の5点目を決めたのが当時17歳のメッシだったから。当時からマシアの天才少年としてそこそこ名を知られてはいたが、そういう選手は過去も今もいる中で、その中の一人以上の認識は無かった。途中出場で点を決めて凄いなとは思ったが、まさかあれほどの選手になるとは当時は夢にも思わなかったな。当時はトップチームに昇格したばかりで公式戦デビュー前だったが、もしかしたらこの鹿島戦のゴールがトップチーム初ゴールだったかもしれない。

2005/3/8 CL決勝T1回戦 ACミラン×マンチェスターU(サンシーロ
 海外初観戦試合。卒業旅行はイタリアで1週間で4試合観るという怒濤の観戦行だったのだが、この試合は当初チケ代が高額で諦めていた。ただマンチェスターから来た連中がミラノのドゥオモ前広場を占拠して騒いでいたのを目にし、この雰囲気の続きを味わいたくなって友人と少なくともスタジアム迄は行こうと決めた。間の悪いことに丁度地下鉄がストライキで止まっていて、トラムもマンUサポが占拠していたので結局サンシーロまで歩いて行った(今googleマップで測ってみたら6kmほどあった)。スタジアムに着くと、同じ日本から来た学生がチケを安く入手する方法を教えてくれて、6,000~7,000円程度でゲットし、開始直前に入場することが出来た。あれだけミラノの街で我が物顔で騒いでいたマンUサポも巨大なサンシーロでは片隅に押し込められ、ミランティフォージが圧倒的なホームの空気を作り出していたのが印象深い。試合はクレスポのゴールでミランの勝利。

※ドゥオモ前のマンチェスター・Uサポーター

2006/12/17 クラブW杯決勝 インテルナシオナル×バルセロナ(横浜国際)
 (おそらく)最もチケ代が高かった試合。普段のマリノス戦は年チケだし、Jや代表戦でも2,000~4,000円程度に収まっている訳だがさすがにこの試合は高かった。はっきりとは覚えてないがメインスタンドなのでおそらく10,000~12,000円程度したのではないかと思う。やはりFIFAが絡んで試合のグレードが上がるとチケ代は一気に高騰する。普段年チケで平均2,000円を越えない程度で観ているスタジアムでその5倍以上の価格で観るのも馬鹿らしくなってくるが(しかもトラック付で決して観やすいとは言えない)、さすがにバルセロナは観たかった。結果はインテルナシオナルに敗北(苦笑)

2015/5/23 J1前期第13節 松本×横浜M(アルウィン
 ベスト遠征試合。これまで友人達とマリノス戦で日本各地に旅することも多々あったが、旅程や試合内容、天候等を総合的に評価してこれを上回る試合は無い。早朝に新幹線で長野に行って善光寺に詣でた後に電車で松本に向かい、松本城を巡った後でスタジアムという旅程、超満員のスタジアム、開始前にアウェイゴール裏の背景にそびえる南アルプスの夕景、と全てが素晴らしかった。試合も3-0で快勝し、19時開始の試合にもかかわらず友人車で(日付は越えたが)夜中に帰れたというのも含めて。

スタジアムでこれほど美しい光景にお目に掛かったことはない。

 その他色々な思い出があるがこの辺りで。今の観戦ペースなら1000試合到達は6年後かな。