J3第8節 岩手×YSCC(いわぎん)


■岩手行(3日目)
 3日目は昼からグルージャの試合を観るので午前中は盛岡市内を観光。こういう時にレンタサイクルは便利だが、行きたいスポットは駅から少し離れており、この2日間歩いて階段上り下りして結構疲労が溜まっていたので出来るだけ公共交通機関を利用することにした。
 まず盛岡駅で荷物をロッカーに預けた後、電車で隣の上盛岡駅で下車、そこから徒歩7~8分ほどの場所にある三ツ石神社に向かった。ここは鬼の手形とされるものが遺されており、これが「岩手」の由来になったという。

 そこからまた10分ほど歩くと盛岡城址があり、その中に桜山神社がある。ここに限らず岩手はさすがにソメイヨシノは時期を過ぎてはいたが、シダレザクラは見頃だった。

 ここでは三ツ石神社と併せて御朱印を頂いた。そこからは盛岡城跡公園を散策したが、そこで朝の散歩中のYSCCの選手達と遭遇。そこからバスで盛岡八幡宮へ向かったのだがこういう時にgoogleのルート検索は電車だけで無くバス路線も検索してくれるので役に立つ。盛岡八幡宮は歩けば15分以上掛かる場所にあるが、お陰で大分時間と体力をセーブ出来た。

盛岡八幡宮。ここでも御朱印を頂き、帰りもそれほど待たずにバスに乗れて盛岡駅へ。一緒に観戦する友人との待ち合わせ時間にはまだ少し時間があったので、ここで早めの昼食を摂ることにした。昨日は冷麺だったので今日はじゃじゃ麺をば。

じゃじゃ麺自体は(おそらく)これまで食べたことはあるはずだが、店で食べたのは初めてのはず。食後に卵を落としてスープにするのも初めて知った。食後に西口バス乗り場で友人と合流し、シャトルバスでスタジアムへ。

■観戦記
 今年初の未踏スタジアム制覇となったが、スタンドはメインのみで後は芝生の専用球技場という点で横浜の保土ヶ谷公園サッカー場に似ている。2つのグラウンドが背中合わせとなっており、試合が行われるAコートと隣のBコートのメインスタンドは上部通路を共有している。またメインからピッチの先には東北新幹線が走り、背後には雪を被った岩手山が広がるというなかなか雄大な景色も楽しむことが出来る。

またグルージャと言えばやはりこのマスコット、キヅールだな。

 試合について。正直グルージャの選手で知っているのはFWの宮市剛宮市亮の弟)くらいで後は監督の菊池利三くらいだったが、宮市が今岩手にいるのをこの試合で知った。U18~19の頃(他に現代表の南野、三浦弦太中村航輔らがいた)は代表常連だったのだが、クラブで結果を残せず、最初に入った湘南からレンタル先も水戸(J2)、鳥取(J3)、滋賀(JFL)とカテゴリが徐々に落ちていって今はJ3と。先輩である兄や伊藤翔然りで、どうも中○大中京出身者は身体能力がサッカーに活かされず、経験を重ねて20代後半でようやく活かす術を身に付けて開花する印象がある。兄の負傷の多さも(タックルされた時の)身体の受け方、使い方如何で全てとは言わないが一部回避出来たようにも。あのE・アザールは幼い頃に柔道を習っていてその時覚えた受け身の技術が今でも役立っているとインタビューで語っていたが、あの高校はサッカーに必要な身体の使い方という点でかなり偏りがある育成を行っている印象。今はOBの岡山哲也が監督になっているようだから変わっているのかもしれないが。

 試合はYSCCが先制してその後もやや押し気味に進める展開。両チームは7節終えて勝点1差だが、狭いエリアでの繋ぎや個人技術ではYSCCが上回っていたかな。岩手はそういう部分で苦戦し、サイドに大きく振ってそこからクロス、といった展開に活路を見出していた。観ていて高校サッカーで神奈川と岩手の高校が対戦する時はまさにこんな展開だなと。そうそうYSCCのGK古島圭人はその名前と、経歴を見たら湘南JYとあったのでもしやと思ったらやはりかつてのベルマーレGK古島清人の息子だった。高木、前川といったドーハ世代の2世もJデビューしているし、もうそれだけの年月が経ったのを改めて実感した。
 前半終了間際にはポスト直撃のシュートもあり、試合はこのままYSCCが逃げ切るかなと思っていたが、後半にCKからグルージャが同点に追い付き、終盤に右からのクロスをGK古島が捕り損なって後ろにこぼしてしまい、これを押し込んで逆転。最後はボールキープしてグルージャが逃げ切った。専用スタジアムだけに選手やコーチの声もよく聞こえてきたのだが、岩手ベンチでコーチングエリアに立って指示を送っているのは監督ではなくコーチだったのは興味深かった。ゴール時も真っ先に飛び出して喜んでいたし、事実上チームを仕切っているのはこの人なのかな。
 YSCCは逆転負けとなったが、先ほど述べた高校サッカー然りで神奈川のチームが負ける典型パターンだった。技術的な優位をスコアに反映できず、セットプレーなどで相手に少ないチャンスを決められてしまう、というもの。YSCCは監督がずっとタブレットを持っていたのが目を引いた。シュタルフ悠紀リヒャルトという人で現役時代は10ヶ国以上でプレーし、まだ30代半ばらしい。Jにも少しづつこういた経歴の人が監督になってきたということか。

 帰りのシャトルバスは15:45発とかなり時間が空くのでタクシーを呼んで盛岡駅へ。そこで3日目の宿にチェックインした後、友人の父が営むホルモン屋で食事し、その後何軒か連れて行って貰い、3日目が終わった。

■帰路へ
 翌日は当初平泉に寄ろうと考えていたのだが、三陸と盛岡を満喫し、旅先で友人とサッカーを観て酒も飲めて収まりが良かったのでこれ以上の観光は蛇足だと思い直し、朝の新幹線で帰宅。GW後半だけに指定は埋まっており、立ち席を覚悟していたらグリーン車が運良く空いていたので即購入(苦笑)。さすがはやぶさだけあって9時半に盛岡を出て12時前に東京に到着。