J1第12節 横浜M×神戸(日産)


 これまでの味スタ、埼スタの神戸戦動員数から見ても今日は人が集まるのは予想してたが最終的に44210人。日産で4万を越えるのは久々だな。神戸戦では恐らく初めてアウェイゴール裏2階が開放されメインスタンドアウェイ寄りもあまり青くなかったところから見るに、イニエスタやビジャを観に来た層はこの辺りに座っていたのだろう。マリノスの場合、毎試合ホーム戦に行く訳では無いがたまには(年数回)行こうかという層が多く、そのスタジアムに足が向くトリガーがイニエスタだったりGW序盤という時期(鹿島戦)だったり隣町のJ王者(川崎戦)だったりという印象。ここまで平均観客動員は3万を越えているが、それは集客が見込める試合を序盤に多く消化した側面が強く、今後3万を越えそうなのは浦和戦とFC東京戦(最終節)くらいか。ラグビーW杯の影響でリーグ戦の三ツ沢開催が5試合あるのは(例年なら3試合)、平均観客動員を伸ばす上で痛い。
 で、試合はイニエスタ欠場という(笑)トーレスといい本当にこのスタジアムは大物に縁が無いな。ただしビジャはスタメンだった。08~12年頃のスペイン黄金期はとにかく全ポジションのレベルが高かったが、中でも中盤が作ったチャンスを確実に決めたこの選手がいなければ、それまでの様に(今もそうだが)、内容の割に点が取れず競り負けていただろう。
 序盤は神戸がやや押し気味でビジャも何度かボールに絡んでいたが、徐々に組織の体を成さなくなって特にサイドの裏をマリノスに突かれる場面が増えていった。イニエスタ欠場とは言え西、山口の現役日本代表や田中順也といった元代表、三田のような仕事人もいる中でそれが組織に昇華されていない印象。ショートカウンターから前半にマリノスが先制した後も、後半途中まではまだ試合になっていたが、マリノスの2点目が入った後は何か糸が切れた感じで更に2失点と。今日の神戸は3バックだったが、最終ラインの3人も個々で守っている感じだった。ダンクレーは良い選手だと思うが、それだけに尚更孤軍奮闘振りが目立っていたな。終了間際にウェリントンがクロスに合わせて1点返したが4-1でマリノスの勝利。神戸の唯一のゴールを見ても、1人で何とか出来るタイプのウェリントンの方がJリーグ向きで、ビジャには中盤やサイドからパス、(グラウンダーの)クロスを出す味方が必要だとは思った。その意味で今日はイニエスタと同じくらい古橋の欠場は痛かったかな。この選手は毎試合確実に一仕事こなすサイドアタッカーという点であのペドロを思い起こさせる。
 序盤に監督が代わった難しさはあると思うが、やはり吉田氏にはこのチームを率いるに荷が重い印象。またリージョの後はこの人を再任させるしかなかったという点で、外国人選手や監督の選考はオーナーのトップダウンで決まっていて、三浦アツ(SD)にはあまりそういう権限、人脈は無いのかなとも思う。

 マリノスは前節の完敗からこれまで固定化されていたメンバーを少し代えて中盤に扇原、マルコスが入り、CFにエジガルがスタメン復帰。神戸の出来に助けられた感もあったが、ベンチに三好を置いて切り札として使えたのが功を奏した。三好は簡単なシュートが決まらないというのが唯一にして最大の課題だったが、今日はシンプルな形から2ゴール。これがコンスタントに出せればまぁ来年には欧州に行くだろうな。やはりこのポジションの選手はシーズン二桁は決めて欲しい。トゥーロン国際に出るU22に名前が無かったので、おそらく代表に呼ばれるのだろうが、もしコパアメリカ組になったら15~16節は欠場、もしかしたら6/29の17節FC東京戦も出れなくなりそうなのはチームにとって痛い。
 U22と言えば遠藤も2アシストとようやくサイドアタッカーとして結果を残し、これで吹っ切れたのか終盤には左から切り込んで逆サイドポストをかすめるミドルも見せた。2ゴールを振り返ると、ショートカウンター向き、かつサイドに流れるより最初から中央に向かってプレーするのが合っているように見える。逆に普通にサイドを突破する場面ではバックパスや精度の低いクロスに終わる事が多く、サイドアタッカーならぬハーフスペースアタッカーとでも言うべき選手。既にマリノスで公式戦100試合以上出場と、これ以上無いほどチャンスを与えられてきたけど、ようやく自分の“型”が見付かったかな。この選手もトゥーロンには呼ばれてないので、もしかしたらA代表?三好と違ってまだJでも継続的に違いを見せている訳では無いのでそれは無いか。
 
 帰りは新横浜で軽く飲んで駅が空くのを待ってから帰ったのだが神戸の選手に何人か遭遇した。日本平の帰りに静岡駅でマリノスの選手に出くわしたこともあったが、遠征帰りは試合後2時間くらい置くものなんだな。キム・スンギュは間近で見るとかなり大きかったのが印象深い。