ACL準決勝第1戦 浦和×広州恒大(埼スタ)


 結局9月は14日の広島戦を最後に、後半は観戦が無いまま過ぎてしまった。先週のアウェイ仙台戦も帰りの新幹線はあるにはあったがやはり19時開始というのがネックとなり断念。今月はアウェイ行も計画しているし、また色々観に行く予定だが、まずは埼スタへ。タイトルが近付くカップ戦の準々決勝以上はやはり面白くなるし、最近勝ててない浦和が一体どんなサッカーなのかも観てみたかった。今日は浦和美園駅からスタジアム迄のシャトルバスが無料で、駅前でバス会社の係員がその旨告知していたのだが、後ろに並んでた中年夫婦が「金取ってもいいから勝ってくれ」と話していたのはさすがに笑った。

 選手入場時にはさすが頂点が近付いてきたのもあってか↑の様なコレオも出現。今やコレオも日本で珍しくなくなったが、大抵格子模様や縞模様の単純な柄、あるいは都市名、チーム名の表記に止まる中で、メッセージ性のある図柄を綺麗に表示させることにかけてここに勝るクラブは無い。対する広州恒大も例によってACLのアウェイチームとは思えない動員数だった。遠目に見ると同じユニだかTシャツを着ていたので親会社の呼び掛けで首都圏在住の中国人が集まったのかな。
 試合について。広州恒大は現在中国超級で首位、かつ中国人、外国人共にレベルの高い選手を揃えているので、浦和としたらこの前の上海上港戦以上に厳しい試合になるだろうなと思っていたのだが、開始から浦和がボールを繋いで押し気味に進める意外な展開になった。やはりアウェイゴールを奪われることを警戒して、あまり無理にボールを運ぼうとせず、詰まったら躊躇無く後ろに戻して作り直してもいたのだが、広州CBと中盤の間が空いていて、そこに興梠やファブリシオが上手く入り込んでパスを受けて基点を作れていた。そんな中で前半半ば頃にパスを受けたファブリシオがエリア外斜め45度からゴラッソを叩き込んで浦和が先制、その後も広州DFにライン際でクリアされた決定機もあり、一方で広州攻撃陣は上手く押さえ込んで前半を終えた。
 後半はさすがに広州が攻めてきたのだが、特にタリスカの強引な突破頼みといった感じで西川を脅かしたシーンはそれほど無かった。そして後半30分頃にCKの相手クリアから関根がこれまたエリア外からミドルを決めて2-0。そのすぐ後に広州が1点返したのだが、主審が副審に確認後オフサイドと判定された。後で確認しても明らかなオフサイドだったが、もし認められていたら最近の浦和の戦い振りからして2-2は有り得たかもしれない。そのまま逃げ切り、アウェイゴールを許さず2点差を付けるという第1戦をホームで戦う側としては理想的な内容で浦和が勝利。

 試合前はどんだけ酷いのかと思っていたら広州恒大相手に完勝と呼べる内容で正直驚いた笑。国際試合だとより個人の突破力や高さ等を前面に出したチームが多く、それ故に優秀な外国人選手がいればその分脅威になる一方で、それを押さえ込めば今日のように意外なほど優位に試合を運べたりもする。特に大槻監督は相手の分析に長けた人なのでACL向きと言えるかな(ついでに言えば去年のW杯で監督が直前に代わっても一定の成果を出せたのも同じ論理なのだろう)。今日の広州もエウケソン、パウリーニョはまるで目立たなかったし、タリスカたまにも個人で強引に仕掛けるか、判定の度にイラつくのが悪目立ちしている程度の出来だった。一方でこれが日本のチームが相手だと対処療法よりも自分達がどういうコンセプトで戦うか、その上で相手の強みをどう消すかという話になるので、その点で今の浦和はミシャ時代の香りを残しつつオリヴェイラの影響もあって揺れており、コンセプトが固まって無いようにも。

 すぐにスタジアムを出たので浦和美園の混雑に巻き込まれることは無さそうだったが、今日は初めて浦和行きのバスを利用した。40分という表示だったが夜で道は空いていて30分で到着。そこから上野東京ラインを使えば地下鉄とそう変わらない時間に帰れるので次回以降も使えるかもしれない。