J1第34節 横浜M×FC東京(日産)


 4ヶ月ぶりの日産スタジアム。31節札幌戦で、ここから先はトーナメントの様なものと書いたが、それから松本、川崎と勝ち抜いてとうとう決勝まで辿り着いた。今日は開門がいつもり1時間早まり、年チケは3時間半前の10:30。10時前にスタジアムに着くと北ゲートには各選手に向けた段幕群が。

入場後、一旦外に出てコンコースを周り、普段行かない南ゲートにも行ってみたのだが、ここでも幕が。

これだけでも今日が特別な試合なのを実感する。

 奇しくも今日は最後に優勝を逃した2013年の最終節から丁度6年
barcaw.hatenablog.com
 また雨の降る寒い最終節というと最後の最後に逆転優勝した2003年2ndステージを思い出す。今日は4点差以上で負けなければOKという条件もあって試合前はそれほど張り詰めたものは無かったかな。

 開始からFC東京は点を取りに前に出てきたのだが、やはりディエゴの欠場は大きく、前線で基点となる存在がいない為に、どう点を取るのか見えてこなかった。サイドを攻めてクロスを上げても中に人がいなかったり、中盤でアルトゥールが独力で何人かドリブルでかわして突破するシーンもあったが、そこからパスを出せず結局マリノス守備陣に阻まれてしまったり。前半半ば頃に縦パス1本で永井が抜け出すシーンはあったがここは朴が好セーブ。
 そうしている内に徐々にマリノスはリズムを取り戻し、永井のチャンスの後にティーラトンのエリア外からのミドルがFC東京の選手に当たって軌道が変化し、ゴールイン。ラッキーだったが、この選手は今季同じ位置から2点決めているだけに半ば必然でもあった。前半終了間際にはエリキが追加点を上げて2-0。これでほぼ結果は決まった。
 後半は飛び出した永井と接触した朴が一発退場。最終戦でのGK退場というと03年の榎本哲也の(当時磐田だった)グラウへのブチ切れアタック→退場を思い出すな(苦笑)これでFC東京がやや押すようになるが決定機まで作れず。最終ラインからの繋ぎもあまりスムーズとは言えなかったし、長谷川健太サッカーのタレント依存度の高さが悪い方で露わになってしまっていた。ガンバ時代の宇佐美&パトリックが東京での久保&ディエゴだったんだろうけど、この2人は今日いなかった。
 最後はカウンターから遠藤が一人で決めて3-0。この選手は完全開花とまではいかないが、これでリーグ7点とようやくJ1で戦える選手になった。後は苦しい時にゴールで流れを変えたり出来るようになれば東京五輪だけでなくその先も見えてくるかな。このまま試合は終わり15年振りのリーグ優勝。

 表彰式では主将として喜田がシャーレを受け取った。開幕時は天野、扇原との共同キャプテン制だったが、試合を重ねる毎に腕章を巻くに最も相応しいのは誰かを示したと思う。スピーチも頭の良さ、育ちの良さを感じさせるものだった。新加入選手やユースからの昇格選手はこれまでの所属チーム歴だけでなく通った小中高もHPに掲載されるが、この選手の地元から判断する限り、サッカー以外にも良い環境の下で育ったのだろうと思う。

 その後は今季で引退する栗原のセレモニーだった。過去何度か書いてきたが、この選手や坂田、田中隼磨は00年代後半にクラブが毎年の様に監督が代わった煽りを食らったというか、一人の監督の下で一貫した指導を受けられなかった世代。もし彼らがオシムオリベイラネルシーニョあるいはモンバエルツやポステコグルーと若い頃出会っていたらもっと凄い選手になっていたと今でも思っている。少なくとも南アかブラジルどちらか1つのW杯には行けたはず。それでも代表20試合はマリノスユース出身者としては最多(中学までの所属選手は除く)だし、現時点でのマリノスユース最高傑作だと思う。花束のプレゼンターとして同世代の榎本、藤本(中学はマリノスだった)が来たのも良かったな。

 タイトルを獲った獲らなかったに限らず最終節は色々な思いが去来する。試合後は新横浜で軽く祝勝会をして帰宅。