年間表彰2019(後)

 今日は表彰の後編ということでMVPの発表をば。毎年仕事で納会した後に書いて公開という流れなのでこの最終週は慌ただし過ぎてふと我に返るとこの日になっている、という感覚。今年も多くの友人達に強力して貰った。毎年のことだがこの忙しい年の瀬に、時には強引な依頼に応えてくれて感謝に堪えない。投票者をキリ良く40名にするため、最後はサッカーを始めてるという友人の息子にも協力して貰った。まぁ幅広い年齢層からってことで(笑)選考に際してコメントを書いてくれた場合、少なくとも一度は引用させて貰いました。

【選考方法】
各投票者にはベスト5を選んで貰い、1位:5pt〜5位:1ptでポイント化してその総合計で選出。仮にポイントが並んだ場合は1位票の多い方が上位、それでも並んだ場合は以下2位→3位・・・5位票の大小で決定。順位票すらも並んだ場合は両者同順位とする。なおこのルールはベスト5のみ適用し、6位以下でポイントが同じ場合は全て同順位と扱う。
【過去の受賞者】

それでは5位から発表。例年通り選考者コメントを太字で表記。なお所属は2019年に在籍したクラブ
第5位
喜田 拓也(横浜M):31pt
 5位はマリノスの中盤を支えた「我らのきーぼー」喜田。今季のマリノスは喜田、天野、扇原の共同キャプテン制で始まったが、「最後のスピーチ、本当に素晴らしかった」し、もう来年は誰が腕章を巻くに相応しいかはっきりしたと思う。あのスピーチ一つ取っても育ちの良さを感じさせるな。「25歳にして人格者故にクラブ全体を背負うことになりそうだが、周囲の適切なサポートを願うばかり」。まだ若いのでこれから代表入りの可能性もあるとは思うが、個人的には柏の大谷(ユースからの生え抜きで代表歴はないもののクラブのバンディエラとして長らく活躍)のような存在になるのではないかと思う。因みにだが、この投票でA代表歴の無い選手がベスト5入りしたのは初めて。
 またキャプテンシーだけでなくプレー面でも、「ディフェンスからの前を向く技術は美しさを感じ」、「攻撃への橋渡しにも成長の跡」と。「DFラインからのパスを引き出すポジショニングと、そこから勇気を持って前を向く姿勢が素晴らしい」。去年までは攻撃にも絡もうと縦パス通そうとしたり無理をして空回ってた印象だが、出来ない事はせず、中盤で守り味方にボールを預けるシンプルなプレーになって存在感が増した。

第4位
冨安 健洋(STVV→ボローニャ):55pt
徐々にステップアップできていて、成長を感じ」、「サイドバックもできるかなりのユーティリティ」を持つ冨安が4位。「セリエAディフェンダーって長友以来」で、「デカくて早くて上手いという、とうとう現れた次世代ハイブリッド型CB」。最初の半年くらいは見習い期間で徐々に試合に出るのかなと思っていたらあっという間にボローニャに欠かせない戦力になった。「吉田麻也以来の安心して任せられるCB人材」であり、「この先10年は代表の最終ラインを任せられる逸材」。そして「中澤→麻也と続く長身DFの後継ということを、20歳で認めさせたという事実」。中澤が代表レギュラーになったのは20代半ばだったし、麻也も23歳位だったのを考えるとその凄さが分かる。今後はこの2人や闘莉王の様にセットプレーでもっと点が取れるようになれば言うこと無し。

第3位
久保 建英(FC東京[→R・マドリー]→マジョルカ):76pt
3位は「日本では一番話題になったし、成長率が高かった」「日本版スーパーワンダーボーイ」久保。昨日の最優秀若手選手(U-20)にも選んだが、18歳(高校3年次)で今年の前半はFC東京で攻撃の柱として優勝争いに貢献、夏以降はリーガで試合に出続けるということ自体が日本サッカー界では前人未踏の域であり、この投票で10代でのベスト5入りも初めて。まぁその「夏移籍がFマリノス優勝の一因にも笑」というコメントもあったが(笑)結果的に東京での最後の試合となったJ1大分戦を偶々観に行ったのだが、そこで2点決めてこりゃ移籍するわと思ったな。「期待値が高すぎるだけに現状には満足できない」、「結果が少し物足りない」というコメントもあったようにここまでまだ1ゴールではあるが、少しづつ持ち味を出し始めてるので年明けからに期待。

第2位
南野 拓実(ザルツブルクリバプール):95pt
先日リバプール入りが決まった「クロップに認められた男」南野が2位。95ポイントというのは2位では過去最高記録。代表では5戦連続ゴールなど「なんとかいまの日本代表を支えているひとり」であり、クラブではCLでリバプール相手にゴールして加入まで決めてしまうという「クラブ、代表いずれも活躍」する安定感。「セレッソ時代から代表に推し続けてきた俺の勝利(笑)」という喜びのコメントもあった(笑)確かザッケローニがブラジルに連れて行くか最後まで悩んだ若手というのが南野だったかな。そこから5年でここまでステップアップ。冨安もそうだが、欧州の中堅国で鍛えられてからプレミア、リーガ、ブンデスセリエAへ、というのが主流になっていくのだろう。オーストリアでの5年間は欧州への適応期間であり、リバプールも日本人だからとかではなく、欧州で実績のある若い選手を獲ったという感覚なのだろうな。忘れがちだが「守備がすごい」選手でもあるので、この点もハードワークするリバプールに評価されたポイントか。「やっぱりイケメン」て声もあったが、セレッソ時代の映像を見るとまだ幼さがあっていつの間にこんなに雰囲気変わったのかと。まぁまずは「リバプールでの活躍に期待」ってことで。

2019年日本最優秀選手
仲川 輝人(横浜M):106pt

ということで今年の当blog選定日本の年間最優秀選手はマリノスの仲川。40名中28名がその名前を挙げ、1位票に限ると2位の久保(7名)に大差を付ける13名からの得票。選考者にマリノスサポが多いという事情は無きにしも非ずだが(笑)
マリノスの攻撃の要となり、優勝に貢献」した「マリノス優勝の中心人物!」。とにかく「シーズンのほとんど誰も止められなかった」し去年からこの選手の覚醒は凄まじいが、「スピードスピード言われているけど、そこじゃないんだよね」と。「何よりも左足のシュートを身につけたことで、縦もカットインもどちらも選択肢として持てるようになり」、ボールを持てば何かを起こす選手になった。得点パターンも多彩で、右45度から左足で巻くシュート、右足で低い強烈なシュート、そしてドリブル。「32節松本山雅戦のドリブルゴールは圧巻だった。」過去のMVPがいずれも代表の主力経験者だった中で、12月に代表デビューしたばかりの選手がここまで得票したのはそれだけクラブでインパクトのある活躍だったということなのだろう。
そんなこの選手も少し前までは「変な髪型の奴としか思わなかった」程度の認識で、「怪我あり、手術あり、レンタルありと困難続きも、ポステコのサッカーに巡り会えたのもまた運命」。今のマリノスのサッカーと自分の特長が完璧にハマったよなぁ。その他「PK無しの得点王は誇って良い」、「PKでの得点がない中での得点王は評価に値する」などリーグでの15点全て流れの中から決めた点を評価する声も複数寄せられた。まぁ「あれだけの活躍をすれば文句なし」だが「本当の勝負は来年」でもある。ACLでどこまでやれるか、代表に定着できるか、だな。「2020年の更なる飛躍に期待」。

全順位は以下の画像を参照。
名前の青は選手以外、チーム名の赤は海外クラブ緑はJ2橙は大学青はその他カテゴリ

以下雑感を箇条書きに。
・根強いカズ人気は変わらず今年は何と6位。「来シーズンJ1でカズが観られるのは嬉しい」のは事実だが、プレーはそろそろ・・て感じで「昇格決めた試合でのスライディングをメディアはこぞって放送してたけど、あれは公開処刑みたいで切なかった」。ただやっぱこの人は「大舞台が似合う。」役者ではあるな。「新国立のピッチに初めて足を踏み入れた姿を見て、改めて今も現役で活躍している偉大さを感じました。」この新国立で着たユニは93年と97年の代表ユニのハイブリッドで格好良かった。

・最年少得票者は久保、ではなくレアルの中井君。「まだ存在感は出せていないものの、レアルとプロ契約という実績は日本サッカーの中でもかなり大きな実績。」2003年生まれという“アフター日韓W杯”世代。あのクラブの下部組織からトップに上がって定着するのは、特に中盤は至難の業なので、リーガ1部の他のチームで試合に出るようになれば大成功。

・代表主力組だと酒井は去年ロシアW杯の主力で唯一の0票だったが、今年もマルセイユと代表で安定した活躍は変わらず、ポイントも9ゲット。
 「地味でも安定して海外でプレーする選手は評価したい。
 「DFは数値化が難しく、地味な印象になりがちで、今シーズンはフル出場も多く、チームの好成績=彼の成績と考えて
 「名門で不動のポジションはもっと評価されていい
 「代表で酒井が入ったときのサイドの安心感は唯一無二

・引退選手への惜別票が今年も幾つか。また今年は逆にピッチに戻ってきた選手への票も入った。
栗原(マリノス
なかなかリーグ戦には絡めず、ルヴァンも敗退、出番がなかなかなく、シーズン半ばには昨年の中澤の様に引退か他のクラブかと覚悟はしていた。引退セレモニーでも相変わらず人の良さ、素朴さが滲み出ていた。観戦仲間とは、もう少し良くも悪くも、個性であり、アピールが足りなかったかなと。あれだけのスケール、フィジカルがありながら、もう少し足下を磨く努力とケアが出来ていれば、中澤と吉田麻也の間に入れたはず。ま、そのあたりも(松田直樹同様)彼らしいとは思う。
代表20試合はマリノスユース出身者では最多。↑にもあるように83年生まれのこの選手は丁度中澤(78年生まれ)と吉田麻也(88年生まれ)の中間の世代なので、もし若い時に岡田さんだけでなく他にもいい指導者に巡り会っていたら10年か14年どちらかのW杯には行っていたかな。

那須(神戸)
「この人、今年1番サッカーを身近に感じさせてくれた選手」
Jリーグプロスポーツでファンを喜ばしてナンボ。と言う観点から申し上げると今年1番面白い動画を数多く挙げてくれたのが、那須YouTube、特にビジャやイニエスタな登場した会や歴代のベストFW、DFなど回が特に面白い。ビギナーでもオールドファンでも楽しく、選手を身近に感じさせてくれる人という意味では、選手の鏡とも言える。また同年齢として、今年引退を迎えたのが惜しまれる。感謝の意味を込めて。

元々DFだったのがマリノスボランチ起用されて一気に伸びてアテネ五輪代表の主力に成長していったのは今でも覚えている。81年生まれ世代がまた一人ピッチを去る、か。

早川(新潟)
「この人、今年1番劇的なカムバックをして感動した選手」
きっかけは、1冊の本で知ったのだが、2016年春、突如、急性白血病と診断された早川史哉選手。
移植手術を行い、闘病、リハビリ、トレーニングを続け、2019年10月、ついに3年7カ月ぶりに公式戦のピッチでフル出場を遂げた。
「しびれがきたけど、幸せな痛み。これが戦うことだと思った」
このコメント、こちらがシビれる。これからも無事でピッチに立てることを心から祈る。
詳しくは本を是非とも読んでほしい。

2011年U17W杯に出た選手。このチームは南野、中島 植田、中村航輔鈴木武蔵、室屋などの代表組や喜田、岩波、深井らJ1で活躍する選手などここ10年では一番の豊作世代。この年末年始で本も読もうかな。

・毎年J2からも何人か票が入り、教えてもらうことも多いのだが、今年は特にアタッカーの名が。
小池(東京V
今シーズンはゴール、アシスト共にキャリアハイを残したのでヴェルディの中でMVP
確かに観に行った徳島戦でも敗れたがチーム唯一のゴールを決めたのはこの人だった。
一美(京都)
ガンバから育成型で来ましたが、2桁得点もしてますし当たり年ではと思いました。
確か五輪世代だったかな。ガンバだと来年も出番は限られそうなのでJ1なら他のチームの狙い所だと思うが・・・
呉屋(長崎)
レンタル続き、かつ新チーム1年目で22Gは立派。
この選手もガンバからのレンタルという。一美と同じく結局このポジションは宇佐美、アデミウソンがいるし、一方でガンバは他のポジションが厚い訳でも無い。監督が望む選手と強化部門の思惑が一致してないのが透けて見える。

・今年は選手以外の得票は多くなかったがそれでも何人か名が挙がった。マリノスGM小倉氏は「就任時は、指揮官としてのイメージが芳しくなかった為、不安感だらけだった。しかしCFGの情報に自分のつてを活かした補強(ワダタクヤ、中林、マテウス、泉澤は?だが)はドンピシャ。」。マテウスもまぁ一定の貢献はしたし、和田や中林も最終節はしっかり働いたので本当に期待外れだったのは泉澤くらいか。元々協会で年代別代表を見ていただけあってJ2、J3含む日本人選手のコネクションは広い。監督よりもコーチやこうしたGM業が向いてる人なのだろう。

・この投票は毎年、票を集める意外な選手が出てくるが、今年は札幌の福森に入れた人が4人もいたのには驚いた。この人と言えばやはり「和製ミハイロビッチとも言える左足の精度があまりに強烈」。「深井の同点ヘッドを演出したCK&自身が決めた延長での勝ち越しゴール」のルヴァン杯決勝のインパクトが大きいとは思うが、「今シーズン何度もこの選手のプレスキックからのアシスト&ゴールを見た記憶がある。」という様に、それがたまたまではなく普段通りのプレーだったというのが素晴らしい。太田宏介やかつての三浦アツ、鈴木規郎みたいな「FKが上手いDFってロマンあるよね」と。「桐光ということを知り、勝手に親近感 笑」てコメントもあったが、中村俊輔藤本淳吾に続く左足フリーキッカーの系譜。そう言えば既にセレッソで試合に出てる西川潤も桐光の10番&レフティだがフリーキッカーとしてはどうなのだろうか。

・これも恒例?の品川CCからの得票が今年も。寺村選手は「今シーズンの品川CCを崖っぷちから救ってくれた存在」、鬼武選手は「品川CCのキングカズ!」来年の昇格を祈ってます。

・外国人選手など選考対象外だが入れたい選手として何人か名が挙がり、その殆どがマリノス勢なんだが(笑)特に多かったのがチアゴ。「スピード、対人プレー、ヘディングと全てが対戦相手の選手より上回ってたかなと。」「あの守備力、ビルドアップ能力は日本の子供達にぜひ見てほしい!マリノスがあのサッカーを出来るのはラインを高く保っても後方をカバー出来るチアゴのスピードあればこそ。実際この選手の出場時と欠場時では勝率は大きく異なる。ついでながらチアゴとコンビを組んだ畠中についても。「今後のサッカーの絶対条件となる攻撃の初手としての能力は日本人最高峰」。「今年最もブレイクスルーした若手CB。マリノスに緑の血が入ると優勝する法則が生まれた。

 去年の総評で「来年は早々にアジアカップなので、2019年の投票がアジアカップ関連で埋まるのを願いつつ」と書いたが、準優勝とは言え内容は全体的にいまいちだったし、1月だと記憶も遠くなってしまうので難しかったな。その代わり世代交代がついに本格化。上位5人が全員20代なのは実はこの投票を始めた09年以来10年振りで、全員が初のランクイン。しかも4人は25歳以下なので2010年代が終わりを迎えようとする時に新たな時代を感じさせる結果となった。来年は東京五輪なのでU23世代が数多くランクインするのを願いつつ今年の表彰を終えたい。