天皇杯決勝 神戸×鹿島(国立)


■初詣など
 2020年の幕開け。毎年初詣は特定の社に決めている訳では無く、今年は鶴岡八幡宮にしようかとも考えたが、天皇杯決勝をTVで視るために、10時に家を出て14:30頃までに帰って来れそうな場所はとなると去年と同じ伊勢山皇大神宮となる。着いたのは11:00頃だったが去年(15:30頃)よりも参拝列はさほどでもなくすんなり参拝出来た。意外と昼前は穴場?御朱印も拝領したが、去年は直書きしてくれた中で今年は150周年記念の御朱印があったものの書き置きのみ。

 伊勢山皇大神宮桜木町から徒歩10分程度なので、みなとみらいや横浜にすぐ行けるのがいい。そのまま桜木町駅を越えてランドマークタワーに上ってみた。

 このような素晴らしい横浜の眺めを楽しんでいると、友人某氏から電話が入り、決勝のチケが1枚余ってしまったとの連絡が。こうしてまさかの新国立行きが決まった。

■観戦記
 みなとみらいから新国立までは実は電車で1本。みなとみらい線東横線副都心線と来て北参道駅から徒歩15分程度。しかもみなとみらい駅に着くと東横線内急行で副都心線内各駅停車というベストな電車がタイミング良く来て、13時にランドマークタワー69階で電話を受け、国立の千駄ヶ谷門に着いたのは14:20頃だった。入場して上層階まで階段を上って席に着いた直後に選手入場。
 新国立のスタジアムそのものについて詳細はまた別途書くとして、自分が座ったのはメインの3階席だったが、傾斜があり(故に前に手摺りが付いている)、意外と観やすかった。ただし案内表示が小さく見落としやすかったり、階段が狭い、分かりにくいという点もあった。

<両ゴール裏>

日本に3層のスタンド持つサッカー場陸上競技場は今まで無かった(はず)ので神戸のコレオはフランスのスタッド・ドゥ・フランスみたいで目に新鮮だった。一方でアウェイ側は五輪用?の仮設舞台やど真ん中にゲートがあったりして少し残念だったな。
 
 こうした試合では協会会長やVIPが整列する選手達に激励するのが恒例だが、今回は両チーム社長、神戸三木谷氏、鹿島小泉氏もいたのはちょっと驚いた。これが親会社からの天下り社長ならば起こり得なかっただろう。2人とも若くして事業を興し、成功を収めた実業家であり、そうした新興経済人がJクラブを買収して強化する最近の流れをある意味象徴するような光景。オーナーのリーダーシップと国際性が今後の各クラブにおける発展のキーワードになると考えているが、(良くも悪くも)その2つを備える両クラブが決勝で対戦というのも象徴的ではある。

 試合について。始まる前は戦力的には神戸だが(しかもリーグ終盤にアウェイで鹿島を破ってもいる)、鹿島の強かさは侮れないと思っていたが、開始から神戸がボールを繋ぎつつ、奪われてもすぐ奪い返す切り替えの早さも見せて試合を支配した。イニエスタが前を向いて鹿島陣内でボールを持てるシーンが幾度もあったが、それだけ選手の配置やボールを前に運ぶプロセスが整理されてるんだろうな。世間的には“バルサ化”というワードが前面に出ているが、ドイツらしいシンプルな美しさをベースにイニエスタで彩るといった感じのサッカー。中でも酒井高徳は攻守に素晴らしく、この選手の加入で、左でも右の西と同じ動きが出来るようになった。
 で、前半の内に神戸が2点取るのだが、どちらもサイドからというのは共通しているが、観ていて鹿島の方に目が入ってしまった。1点目は自陣右サイド深くで一度ボールを奪いながら再度奪われてエリア内に侵入され、2点目は低いクロスをクリアミス。カップ戦決勝進出回数で言えば神戸はこれが初めてで鹿島は数え切れないほど経験しているが、試合の入りやプレー内容はまるで逆で、鹿島の方が浮き足立っているようにすら見えた。まぁ選手個人で比較すると、神戸にイニエスタポドルスキヴェルメーレン、山口、酒井、そして鹿島でタイトルを獲り尽くした西などCL、W杯の大舞台やタイトル獲得経験を持つ選手達が揃う中で、鹿島はその点で分が悪かった。ACLを制したのはつい1年前だが、当時のスタメンから昌子、安部、鈴木、西が移籍し、それを犬飼、白崎、名古といった選手達で埋めるのはキツいよなぁ、と。

 後半は鹿島が少し攻勢に出たが神戸が無理せず試合をコントロールしていた面も大きかった。終盤は神戸がカウンターで何度か鹿島ゴールに迫るが決め切れず。ベンチだったビジャは残り10分位で出るかと思っていたらATからの出場で、慎重過ぎるとも思ったが、実は負傷からの回復途中という状況だったらしい。そういう状況を踏まえた上で、引退する選手への花道を、というギリギリの判断が終了直前からだった、ということか。このまま2-0で神戸が勝って初タイトル。途中で気付いたが、実は(神戸での)イニエスタポドルスキのプレーを生で観るのは初だった笑。2人ともなかなか日産スタジアムとは縁遠いが、今年は是非横浜へ。

 折角なので表彰式も観て帰ったのだが、3階のコンコースからは新宿のビル群がよく見えた。

 旧国立時代はバクスタからこのビル群がよく見えて、↑の様にカップ戦決勝後は陽が傾き、試合の余韻に浸るにはいい雰囲気だったのだが、マリノス天皇杯優勝した14年元日以来6年振りにこの光景を目にすることが出来た。スタジアムを出た後はホープ軒でラーメンを食って、そのまま表参道~原宿と歩いて帰宅。