高円宮杯U18プレミアファイナル 川崎U18×鳥栖U18(国立)

 前回から1ヶ月ぶりの観戦。もうそんなに経ったのかと思うが、この間にW杯が始まりほぼ毎日サッカー視ていたので数ヶ月前の様に感じる。
 この試合はプレミアウエストの優勝が鳥栖に決まった事で行くことを決めた。近年U15で結果を出していた中で、その世代が高校生になってU18でも結果が出始めてついにプレミア優勝。一度是非観てみたかったし、相手がイースト初昇格でいきなり優勝した川崎というのも、ユース年代の新興勢力同士の対戦として興味をそそられるものがあった。それ以外にこの試合は国立の1階席のみ開放だったので、なかなか行けない(行かない)この場所に行くチャンスでもあった。普段はチケ価格や試合を上から俯瞰する事を優先してどうしても2階席、3階席になってしまうので。
 スタジアムに着いたのは12時過ぎで、メインスタンドアウェイ(鳥栖側)に席を確保。1階は2、3階より傾斜が緩い分、スペースも多少余裕がある。また今回気付いたが、メインスタンド中央前のトラックには五輪マークが描かれていた。

トラック上の五輪マーク

 そして13時から試合が始まったが、最初の約10~15分の探り合いが終わると、徐々に両チーム持ち味を出し始めた。前半は川崎のボール支配率が高いものの、シュートまで持ち込むのは鳥栖という展開。川崎U18は10月に一度観ているのでどんなサッカーか事前にある程度予想出来たが、鳥栖は初めて。観ると選手の立ち位置を重視して、特にライン際など狭いエリアからの展開力に優れたサッカー。選手では来月からのバイエルン移籍が決まっている10番福井に注目していたが、中盤の下がり目からピッチを広く使ってゲームメイクしつつ、前に飛び出してゴールにも絡むという、柴崎と鎌田を足して2で割ったようなスタイル、ドイツ風に言うならトニ・クロースみたいな。対する川崎の10番大関も同じように中盤幅広く動いてゲームメイクしていたが、自分でゴールを狙いに行くよりはパスで崩そうとするタイプだったかな。そんな中で前半終わり頃に川崎U18がPKを得てこれを決めて先制するも、直後に鳥栖が追い付いて前半は1-1。高校年代の試合だが、両チーム共に最終ラインからのビルドアップや守備の強度など総合的なレベルの高さを見せて、普通に大人の試合を観ている様な感覚だった。あまりに自然にプレーするので何気なく観てしまうが、ふとこの試合がU18なのに気付いて驚くというか。今年の1月に観た選手権決勝でもし今日の様な展開だったら場内は終始どよめいていただろう。

 後半は前半より鳥栖が攻勢に出たかなと思っていると、15分過ぎに川崎ゴールエリア外やや左から福井が縦パス、それを受けて左サイドからグラウンダーで折り返し、ファーサイドフリーで増崎が詰めて同点、そして直後のキックオフのすぐ後、川崎陣内中央で福井がボールを奪うとそのまま独りで持ち込んで逆転ゴール。わずか数分で鳥栖が3-1と突き放した。全体的に鳥栖の選手はスキルがあって上手いなと思ったが、その中でもこの福井は別格なのがよく分かる数分であった。
 この後川崎は攻勢を強めて1点返し、更に長身CBの高井を前線に上げるものの、2~3度訪れたチャンスをものに出来ず、そのまま試合終了。3-2で鳥栖が優勝した。

最終スコア

 日本のU18年代の頂点を争うに相応しいハイレベルな試合だった。これで鳥栖はU18年代でも日本一になった訳だが、U15での実績を見ると、今の高校生は高円宮杯U15で優勝と準優勝しか経験していない世代。そりゃ強い訳だわ。少し前はU15鳥栖でもU18で高体連に行く有力選手もいたが、実績を積み上げると共にU18にそのまま昇格する選手が増えたのかな。
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鳥栖U15高円宮杯U15成績
※2019~21年度が現U18世代
2017:優勝
2018:1回戦敗退
2019:準優勝
2020:優勝
2021:優勝
2022:1回戦敗退
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表彰式

 表彰式の後はこの世代らしく、両チーム共お互いの応援席を回って挨拶。そう言えばメインスタンド鳥栖側の前方には大分トリニータのジャージを着た集団がいた。同じ九州勢ということで観戦に来たのだろうか。

 行きは千駄ヶ谷駅からだったので帰りは外苑前まで歩いて渋谷に出て、軽く飯を食って帰宅。