高校選手権3回戦(等々力)

 明けましておめでとうございます。去年同様、新年最初の観戦は選手権にて。今回は年末の1、2回戦は都合により行けなかったものの初出場校始め興味深いチームが多く、年明けは何処に観に行こうか色々考えた結果、1/2の等々力にした。すると年末の試合の結果、地元日大藤沢vs大会後渡欧する福田擁する神村学園、前回王者青森山田vs久々出場国見というかなりの好カードに。
 過去の例だとかなりの人出が予想されたため1時間前を目安に現地に向かうと、既にご覧の通り。

入場の並び(11:00頃)

 この列に30分ほど並んでようやくゲートへ、というところでチケを発券していなかったことに気付いた。ここ数年観戦チケットはQRコードが主流となったものの先月の高円宮杯プレミアファイナルはちゃんと紙で発券していたのだが・・・今回はクリスマス前に購入した後、年末年始慌ただしい中で発券するのをすっかり忘れていた。発券先に指定していたのはファミマだったが、一番近い店舗で往復20分以上。結局11:50過ぎに等々力に戻り、そこから並んで席に着いた時は丁度キックオフという時間だった。何とかメインスタンドの端に席を確保。

第1試合応援席

 開始早々左サイドを突破してのチャンスなど序盤から神村学園が押し気味だったが、日大藤沢もよく粘ってゴールを割らせなかった。神奈川のU18年代はこれまで高校、ユースに限らず「相手のプレッシャーが無ければ上手い」という印象があり、逆に言えば相手に少し強く寄せられると途端に持ち味出せずカウンターで失点→敗戦というのがお約束だったのだが、今日の日藤はそれを良い意味で裏切るサッカー。神村学園の攻勢を凌ぎつつセットプレーやカウンターでチャンスを作るなど互角に渡り合っていた。
 そんな中で後半の序盤にCKから日藤の森重が決めて先制。試合前に長身CFでCBも兼ねるこの選手の記事を読んでいたのもありこのセットプレーでの動きを注目していたのだが、キックの直前までファーサイドで敵味方と密集しつつ、蹴る直前に動き出してマークを外してフリーでヘッド。見事だった。前半から前でボールを収めるタッチの柔らかさが印象に残っていたが、今の子達は長身でもボール扱いが本当に上手いな。昔は190cmを越える選手は高さに特化して足下には目を瞑り、てなタイプが多かったけど。
 先制後森重はCBに回ったのだが、直後から神村学園が攻勢を掛けて、最後はゴール前にこぼれたボールを押し込んで同点。その後も神村が押して日藤が時折カウンターという展開は変わらず、神村は大会後にボルシアMG入りする福田や大迫といったタレントを擁して惜しいシーンは作り出すもののゴールならず。そのままPK戦となり、ここでは日藤の1人目を神村GK広川が止め、神村は5人全員決めて勝ち抜け。

第1試合PK戦結果

 試合終了後、神村の選手達はバクスタの応援席に飛び込んで応援に回った部員達と共に喜んでいた。ゴールや勝利後に応援席に駆け寄るのは高体連、ユース限らず有ることだが、スタンドにまで飛び込む熱さは九州ならではという気がする。

 座って観ていると冷えるので第1試合終了後に何か温かいものを入れようとコンコースに出向いたが、この人の多さ故に豚汁などめぼしいものは既に完売。結局コーンスープとビーフパイで寒さを紛らわせた。
 第2試合は事前の展開が読めなかった。国見はネームバリューはあるとは言え12年振り出場で今回も1、2回戦はいずれもPK戦での勝ち上がりだったし、青森山田は前回王者だが今年のメンバーで前回の決勝にエントリーされていたのは僅か2名と全く新しいチーム、かつ今年のプレミアイーストでも4位とは言え22戦で8敗と去年ほどの強さは無いだろうなと。

第2試合応援席

実際試合開始後、前半終わり頃までは青森山田が押しつつも国見もカウンターで対抗とどちらに点が入ってもおかしく無い展開だった。そんな中でハーフタイムの混雑を避けるためにAT直前にトイレに行ってると、そこで青森山田のゴールのアナウンスが(苦笑)後で見たらCKからのゴールだったらしい。
 国見はカウンターで対抗と書いたが、以前の様に最終ラインからロングボールを蹴り続けるのではなく、しっかり繋いでいたのが印象的だった。それでいて強度が下がった訳では無く、丸刈り廃止を含め、色々な意味で長所を残しつつ変えるべき所を変えていったのを伺わせた。後半は前半以上に青森山田に押される時間が長かったが、選手交代で打開し、後半半ばに同点。第1試合と同様にその後も青森山田が押しつつ国見がカウンターという展開は変わらず、終了間際に青森山田PK戦用と思われるGK交代も行い、そのままPK戦へ。
 で、PK戦では4-2で青森山田が勝ち抜け。このGK鈴木は190cm近くある長身だが、決められた2本はいずれも逆を突かれたもの。しかし低めの甘いコースに飛んだキック2本を防いでこの試合のヒーローとなった。第1試合を含め2つのPK戦を観ていると、決めたキックはどれも上の隅や、サイドギリギリへの速いシュートだったりと、GKがノーチャンスのものばかり。以前はもっと普通に蹴っていたというか、枠を外すシーンも多く、シュートスピードもそれほど無かった印象がある。今日は4チームとも明らかに「どんなキックがGKが取りにくいか」を意識しているのを感じたし、やはりW杯のクロアチア戦、決勝など様々なPK戦が多くの人の目に触れた影響はあったんだろうなと思う。

第2試合PK戦結果

 2試合ともPKまでもつれて大分冷えたがいずれも濃い試合だった。都合が付けば去年同様決勝にも行こうかな。