年間表彰2022(前編)

 さて、2022年の日本サッカー表彰をここで行いたい。今回もMVPは関係諸氏に投票をお願いしているが、W杯が11~12月開催てことで選考・発表は年明けという事で。いつも通り今日は前編としてメインのMVP以外の各賞を私が勝手に選出。

■年間ベストマッチ
※過去の受賞試合

1位:スペイン戦(○2-1/2022.12.1/W杯グループリーグ@ライヤーン)
 今年は他にも歴史に残る試合はあったが、GL突破を決めた試合であった点、そして相手の強さ(FIFAやEloなど各ランキングではスペインがドイツを上回っており、日本と共にGL突破したのもこの国)を考えるとこの試合かなと。ドイツ戦同様に前半は圧倒的に試合を支配されるも後半に全く違う姿を見せて逆転という展開。既にGL緒戦でその姿を視ていたはずなのに、この試合の前半で感じた重苦しさは、自分がどこかで代表を信じ切れて無かったのかもしれない。
 実はこの日は早朝に家を出なければならず、電車に乗ってwifiセットしてようやくAbemaに繋げた時は既に2点目の判定待ちの時間だった。故に両ゴールともリアルタイムで視てないという苦笑。裏のドイツvsコスタリカも激しくスコアが動き、コスタリカが2-2に追い付いた時はこれは行ったと思ったが、その後すぐドイツが2点を追加した後でふと、これ日本が追い付かれたら3位敗退なのに気付いてそこから急に時間の流れが遅く感じるようになったが、AT7分もよく守り切ってくれた。終盤に一度ゴール前ワンツーで抜け出されフリーで打たれた場面はあったが、ボールを支配されつつも安定感があった。

■年間ワーストマッチ
※過去の「受賞」試合

1位:コスタリカ戦(●0-1/2022.11.27/W杯グループリーグ@ドーハ)
 6月のチュニジア戦(●0-3)も考えたが、W杯本大会の勝利に重みがある以上敗戦もまた逆のベクトルで重いなと。負けるならこのパターンというのを見事にやられた試合だった。 
 
■年間ベストゴール
※過去の受賞ゴール

1位:田中碧(スペイン戦逆転弾)
2位:浅野(ドイツ戦逆転弾)
3位:堂安(スペイン戦同点弾)
4位:前田クロアチア戦先制点)
5位:三笘(オーストラリア戦先制点)
 今年の代表戦を振り返って、そう言えば3月はまだ予選を戦っていたのを思い出した。ということで5位には予選突破を決めた豪州戦の三笘の先制点。2点目のドリブルゴールと迷ったが、0-0のまま終盤に差し掛かった中で、山根、守田と川崎勢が連動してついにゴールをこじ開けた価値でこちらに。
 4位以上は本大会のゴールで。4位はついに見せたセットプレーのデザインからの前田の先制ゴール、2位と3位は迷ったが、あのロングボールのトラップで浅野を2位。そして1位はゴールの価値(逆転しGL突破に近付く)、あの1.8mmだけラインに残っていたインパクトなど総合的に判断してスペイン戦の田中碧のゴールを。
 と書いて気付いたが1位田中碧、2位浅野は去年と同じ。

■最優秀若手選手(U-20)
※対象は2002/1/1生まれ以降の選手
※過去の受賞者

1位:藤田 譲瑠チマ(横浜M
2位:松木 玖生(FC東京
3位:半田 陸(山形)
 1位は迷い無し。マリノスでは終盤ベンチスタートが増えたもののリーグ戦29試合出場で優勝に貢献し、U21でも主力としてU23アジアカップ3位。攻守ハイレベルに機能する中盤のタレントは希少なので、今年はU22優先かもしれないが遠くない将来に代表にも定着するはず。夏には欧州行ってるだろうな。
 2位はJ1でレギュラーとしてほぼフル出場(リーグ戦32試合2ゴール)てことでこの選手かなとは思うのだが、まだどんな選手か掴めないんだよな。去年は選手権決勝入れて4~5試合スタジアムでプレーを観たが、前評判の攻撃の才能よりも中盤の献身性の方が印象に残っている。逆に言えばあまり攻撃面のインパクトは無かった。今年は2年目てことで前への飛び出しやミドルでもう少しゴールに絡めると面白いなと思うのだが。代表ではU19、U21に呼ばれ、U19内でのコロナ感染者で適わなかったがW杯のトレーニングパートナーにも選ばれ、クラブではバルサやシティで育成年代に関わってきたアルベルに指導され1年目からレギュラー格とこれ以上無い環境であり、失礼を承知で言うと、これで大成しなかったら嘘だろと。
 3位は他にも中野(鳥栖)、鈴木彩艶(浦和)なども考えたが、それぞれクラブでは準レギュラー、控えということで、J2でレギュラーとして参入PO入りにも貢献した半田を。3年前のU17W杯時から気になっている選手で(ちなみに中野、鈴木も共にこの大会のメンバー)、何度か言ってるがそれほど上背は無いものの首が太く体幹ががっしりしてるのがイングランドミルナーみたくいかにも丈夫そうで、五輪→A代表と堅実なキャリアを築きそう。

■最優秀監督
※過去の受賞者

1位:森保 一(A代表
2位:川井 健太(鳥栖
3位:小菊 昭雄(C大阪
4位:山口 智(湘南)
5位:松橋 力蔵(新潟)
 もう今年はこの人しかいない。先日契約延長が発表されたが、近年代表に割ける時間が減り続け、クラブサッカーとの金銭面やサッカーそのものの乖離が益々大きくなる中で、継続的に結果を出している国はどこも自国人で長期政権、かつ人心掌握に優れた元代表やベテラン指導者というパターンが多い。今回の契約もその流れに沿ったものと言えるかもしれない。
 2位と3位は迷ったが、あの戦力とシーズン前のin/outの激しさを考えると鳥栖の川井氏を2位に。スピードとテンポの良いサッカーで見ていて面白かったが、終盤はさすがに対策されたのか勝点が伸びなかった(リーグのラスト6戦2分4敗)。その意味で今年どうなるか注目している。
 その他J1日本人監督は鹿島で4位の岩政氏、ガンバ、神戸を残留させた松田氏、吉田氏など途中就任組が一定の結果を残したが試合数が少なかったりそもそも戦力を考えたらその順位ではないよなと思う所もあり。ならば湘南を残留(12位)させた山口氏を4位、最後1枠はJ2優勝の松橋氏で。新潟は独自の理論を持つ監督の後をコーチが受け継ぎ、守備面や攻守のバランスを整備して結果を出したという点で、ミシャ→森保の広島、風間→鬼木の川崎に似たものを感じる。

 後編は明日出したいが、まだ集計、執筆中につき週末になるかも・・