J3第9節 琉球×鳥取(タピスタ)

  • 本島へ

 この日の午前中に本島へ移動。丸2日お世話になったこの民宿とも今日でお別れ。

宿の相部屋

この部屋に初日は8人、2日目も5人寝ていた。
 石垣ー波照間のフェリーは1日3便あるのだが、波照間港9:50発の1便に乗ってまずは石垣島に戻る。港にはまだ滞在したり2便以降で帰る同宿の人達も見送りに来てくれて、名残惜しさとまた行きたくなる思いが混在した感覚。今回は星空が見えなかっただけにまた行きたい思いは強くなっているが。
 そして定刻で出航後、10分も経たないうちに船酔いした。天候は晴れていたのだが上下の揺れが大きく徐々に吐き気も催して30分後ついにトイレに駆け込む事に。行きの便では微妙な揺れで何かおかしな気分だなとは思いつつもここまででは無かった。生まれて初めて「船酔い」というものを経験した。それまでは船が揺れるなど当たり前だから酔う訳ないだろう位に思っていたのだが・・・苦笑。胃の中を全て出し切った後は目を閉じて寝るように努め、そこから約1時間後に石垣に到着。石垣港は2日前と違ってかなりの人出で、そこはさすがカレンダー上の連休初日という事か。思えば波照間に到着した便から降りた人もかなり多かったな。
 那覇に向かう便までは少し時間があったので港周辺で昼食の予定だったが、↑の通りのコンディションだった為、軽く食べるに止め、周辺を散策しつつ12:30のバスで石垣空港に向かい、14時過ぎの便で那覇へ。15時半前に着いて、ようやく本島の地を踏む事になった。

  • スタジアムへ

 今日観戦するスタジアムは本島の中部にある為、空港からは高速バスを利用し、17時前にホテル着。ただスタジアムまではバスを乗り継いで行く必要があり、今回もgoogleマップのお世話になった。ちなみに沖縄のバスはSUICA等の他地域のICカード未対応なので、小銭の準備が必要。そして18時過ぎにスタジアム到着。正式名称「タピック県総ひやごんスタジアム」てことで“ひやごん”てネーミングライツの企業名かブランド名か何かだと思っていたら、“比屋根”という地名なのを知った。メインスタンドは2層でバック、両ゴール裏と併せて座席はチームカラーに統一されている。

メインスタンド

 丁度夕飯時だったので場外のスタグル広場から何か調達しようと思ったが、どこもかなりの行列。

メインスタンド外のスタグル広場

最終的にアグー豚のタコライスにしたが、20分ほど並んだ為、席に着いたのは開始5分過ぎ。こういった試合では主にメインスタンドのアウェイ側に座るようにしている。あまり人もいないしのんびり観れるので。今日も同じかと思ったら、周囲は琉球のアカデミー生が多く、なかなか賑やかだった。恐らくU15、U12年代の子達かな。

  • 試合

 実はFC琉球を観るのは初めて。2トップは元代表金崎とFCポルトでもプレーしたケルヴィンというJ3とは思えない豪華さで、サッカー自体も繋ぐスタイルだったが先制したのは鳥取。前半10分過ぎに先制すると、それから10分もしない内に追加点。琉球はあまりに守備が淡泊過ぎたというか、相手に自陣深くまで攻め込まれたら高い確率でシュートまで持ち込まれ、そして失点という流れ。CB福村はJ1経験もあり、J2でのプレー経験豊富な選手だし、右SB柳も攻撃では右サイドからのクロスで何度かチャンスを作っていたが、チーム全体に守備時で体を投げ出したり相手に自由にさせない意識が無かったようにも。逆に鳥取は手数を掛けずにシンプルにゴールに迫るプレーが印象的だった。監督金鍾成氏は元琉球監督(18年にJ3優勝)だったのか。同氏は日本生まれの元北朝鮮代表選手だけど、京都の曺貴裁氏然り、朝鮮半島にルーツのある監督はこういった激しいプレスやシンプルなサイド突破など「いかに速く攻撃しゴールを奪うか」に主眼を置いたサッカーを特徴とする人が多い。こういったサッカーにとって手数を掛ける琉球のサッカーはボールの奪い所豊富な大好物で、それがまさにハマった形。ボールを奪えない位上手く繋げれば違ったんだろうけど、今日の琉球はそこまででは無かった。前半はその後CKのこぼれをエリア外から琉球MF中野が見事なボレーを決めて1点差とするも、終了間際にロングボールに抜け出た鳥取MF文仁柱のクロスバー直撃シュートの跳ね返りを牛之濱が詰めて3-1で終了。

 後半も同じような展開だったが、前半の出来を見て修正されたのか琉球は守備の淡泊さが消えて、より攻勢を強めた。それでもゴールは遠く、鳥取ゴール前に達しても相手守備の体を張った守りに阻まれた。琉球にこの守備があれば今日は勝っていただろうな。終盤に途中出場のFW野田が決めて1点差とするもそのまま試合終了。

 前述の通り今日は周囲に琉球のアカデミー生たちが多かったのだが、彼らの反応もまた面白かった。鳥取GKの好セーブに「ナイスキーパー」と声を掛ける子がいれば終盤の琉球のチャンスに鳥取の選手がファールを貰って潰したシーンには具体的には差し控えるが激しい言葉を掛ける子もいたり。その一方でそんな言葉が出た直後にすぐ「それは良くない」と制止する子もいた。琉球のゴール時には特に下級生の子ほど飛び上がって喜びを爆発させていたのも微笑ましかった。最近は何かと配慮、自制が求められ、少しでも自分の気に障ればそれを(絶対的な)善悪の問題にすり替えて煽りだ暴挙だと騒ぐご時世だが、彼らの反応こそスタジアムであるべき姿なのではとすら思った。その他ゴールの後誰かのスマホを皆で覗き込んでDAZNでゴールシーンをチェックするというのは今時ではあったな。

  • 試合後

 行きと同様バスを乗り継いで帰る。時刻表を見たら1本逃せば歩くかタクシー使うしかない状況だった。22時前にホテルに戻ったが、1日の疲れがどっと出てすぐ就寝。