ACL決勝第2戦 浦和×アル・ヒラル(埼スタ)

  • ACL決勝観戦

 レッズサポの友人からの誘いあって行く事になった。浦和のACL決勝は縁あって全て現地で観ている。
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 これまでは2~3月開幕の11月決勝だったが今年から年を跨ぐ様になって5月決勝。当初の予定通り2月決勝だったら開幕戦を味スタで観た限り厳しいと思ったが、次のマリノス戦では敗れたとはいえ一定時間を試合を支配し、以降は無敗(リーグ戦5勝2分)。1試合だけで判断出来ないことを学んだ。

 地元で用事があったので新横浜から途中白金高輪で乗り換えつつ浦和美園まで乗り通して現地へ。バスも考えたがまだ時間に余裕があり天気も良かったので徒歩でスタジアムに向かう。

浦和美園~スタジアム

途中には檄文ビラも。

檄文ビラ

これを初めて見たのは2004年のマリノスとのCSだったと思う。一緒に観た友人がこれにインスピレーションを得て、翌年3月のドイツW杯予選(会場は同じ埼スタ)で貼ったのを思い出したり。

 スタジアムに着くとマッチデープログラム売り場には長蛇の列。

MDP売り場

埼スタや等々力に行く時は自分も記念に購入してしまう。マリノスも以前は作成していて、初めてマリノス戦を観に行った時に購入した号では上野良治が表紙だったのは今でもよく覚えているのだが、数年前に作成を止めてしまった。その代わりにA3サイズ1枚の試合情報チラシを配るようになったが、それも最近見ないな。それはともかくとして場外では夕飯も買って17:30前に入場。今日の席はバックアッパーの上層部付近。
 そして選手紹介→決勝前イベント→入場となったが、バクスタなので自席からはメインと両ゴール裏のビジュアルしか見えず、映像装置でようやく全貌を把握できた。

選手入場時

 ホームゴール裏は何を描いているのか分からなかったが旧浦和市の市域を表していたのか。飛行機が移動する演出といい、こうしたコレオグラフィー、ビジュアルに関して浦和は国内で一歩も二歩も先んじている。確か最初に立体ビジュアルを出したのもここだったはず(18年天皇杯決勝)。

  • 試合

 そして試合が始まったが、今日はとにかく風が強く、それはそれでスタンドに掲げられた旗がたなびく様が壮観ではあったのだが

旗の海

前半は風上に立ったアル・ヒラルが押し気味に進める展開。あまりに風が強いので西川の蹴ったゴールキックパントキックも押し戻される程だった。浦和のチャンスは前半半ば過ぎに酒井のクロスからの興梠のジャンピングボレーがバー直撃したシーン位。アル・ヒラルは両サイドからのクロスやエリア外中央からのミドルで浦和ゴール前に迫るシーンが多かったが、結果的にこの前半を無失点で凌いだのが浦和にとっては大きかったな。

 後半はいきなり試合が動き、FKから左に流れたホイブラーテンの折り返し気味のヘッドを最後は相手選手が押し込む形になって浦和が先制。第1戦アウェイで1-1、第2戦ホームで先制というのは2017年と同じ。後半は逆に浦和が風上に立ったのでアル・ヒラルゴール前に到達する場面も増えて、これは浦和がかなり優位に立ったと思った。実際伊藤の枠をかすめるミドル、カウンターから大久保のシュートなど決定機自体前半より増えたし。中盤の伊藤は大柄(185cm)で縦への推進力やミドルも備えるボランチという点で稲本を思い起こさせた。
 ただ先制してリスクマネジメントした面はあったにせよ、攻撃時の迫力不足は否めなかった。興梠、小泉の前線のスタメン組は前からの守備やスペース作りで貢献していたが、特に小泉はプレーもフィジカル面でも軽さは否めず。カウンターで前に仕掛けようとしても相手に上手く潰されてしまうシーンが目立った。こういう国際試合では国内戦ではあまり表立つことのない強み、弱みが顕著に出る印象がある。逆に言えば国際試合で持ち味を出せる選手の実力は本物という事でもあるが。こういったACLの特に上位ラウンドで戦える選手は有力な代表候補だよなと。
 そんな感じで時計は進んで終盤を迎えたが、アル・ヒラルもクロスを工夫し出して浦和ゴールに迫るシーンが出てきた。単純に高いクロスを上げるだけではショルツ、ホイブラーテンに跳ね返されるので、ゴールからやや離れた辺りにポジションを取ったCFイガロ目掛けて低目のクロスを送り、それを収めてシュートを狙う形。これで終盤にイガロ自身がシュートまで持ち込んだが西川がセーブ。今日の西川はセービング、キャッチング共に素晴らしかった。AT以降は浦和が上手く時間を消費して試合終了。

  • 試合後
表彰式

表彰式ではよくあるようにカップリフトの瞬間金紙が吹き上がったが、この強風でかなり高いところまで舞い上がって、それが照明に反射されて美しい景色を作り出していた。
 浦和はこれでACL優勝3度目か。前身のアジアクラブ選手権を入れるとアル・ヒラルの4度が最多とのことだが、ACLに改編後は浦和が単独トップ。国内リーグ優勝回数ではトップではないにも関わらず大陸杯優勝回数では国内でトップという意味ではセリエAにおけるACミラン、プレミアにおけるリバプールみたいな立ち位置だな。決勝で敗れた2019年も含め、このクラブはアジアでの勝ち方を知っているのは感じる。ここで勝つには守備がまず基本だし、打ち合い上等、取られても取り返せばいい、というサッカーでは結局引いた相手を崩しきれず1-2、2-3というスコアで敗れる事が多い。他国勢、特にKリーグ勢はその辺りが強かだし、今日のアル・ヒラルの様な西アジアの強豪は単純に前線のタレントが強力なので↑の様なサッカーでは失点が止まらなくなる。後は07年に初出場していきなり優勝したので、変な苦手意識が無いのも大きいかもしれない。それはサポも含めて。マリノス始め、他の上位クラブもアジアへ、世界へと漠然とは意識していると思うが、それをより具体的な形で示せるのはここくらい。リヤドに700人近く飛んだり、そのアウェイ戦以上の雰囲気を埼スタで作り出せるのもここだけだろう。バクスタ民でも殆どがチャントを歌えるクラブなど他にないし、開始前に場外で夕飯を買っていたら、中からチャントが聞こえてきて、近くにいた中学生くらいの2人組もキターて感じで歌い出したシーンもあった。

 別の場所で観ていた友人とは会えなかったがお礼の電話を入れた後、浦和美園駅に戻り、再び電車を乗り通して帰宅。最初から上手く座れて大分楽だった。