J1第16節 FC東京×横浜M(味スタ)

  • 開幕戦以来の味スタ

 マリノス戦観戦は4/29名古屋戦以来1ヶ月以上空いた。この間、5月のホーム戦は京都、福岡戦共に行けず、今後の観戦スタイルを見直そうかなと考えている所なのだが、それはまたいずれ書く事があるかもしれない。
 それはともかく、久々観戦ということで13:30頃飛田給駅に着くと、駅からスタジアムまでは歩行者天国になっており、中には店も出ていてかなり賑わっていた。

駅前の歩行者天国

 駅前で友人と合流して14時前にスタジアム着。最近は特に近隣の試合は直前に行く事が多いので1時間以上前に着くのも久しぶり。

  • 試合前

 着いてすぐだったがマリノス側ピッチに1人の選手が出てきた。まだGKのアップも始まって無い時間帯。見るとチマで、ウェアやシューズも付けずまるで芝生の感触を確かめるかのように裸足でボールを蹴っていた。

藤田 譲瑠チマ(試合前)

 これは試合前のルーティンなのだろうか、あるいはヴェルディ育ち故に慣れ親しんだピッチの感触を改めて確かめていたのか。いずれにせよずっと見ていたくなる光景だった。
 試合前に印象に残った選手はもう1人いて、それは杉本健勇。実は今日はベンチにも入っていなかったのだが、試合前にピッチ脇でトレーナーとずっとダッシュを繰り返していた。そのダッシュもいかにも体が重そうで、体が全然仕上がって無いんだなというのが察せられたし、若手ならともかく今年31歳で代表歴もあるベテランがベンチ外のアウェイ戦にわざわざ連れて来られてダッシュを繰り返させられるというのはキツいと思うが、1人のコーチがずっと付き添って何か言葉を掛けていたのは、そうしたメンタル面のケアだったのかもしれない。

杉本健勇

この地道な取り組みが夏以降実を結ぶことを期待したい。
 

  • 試合
選手入場時

 試合は開始40秒でいきなりマリノスが先制。右クロスをAロペスが上手く合わせた形で、これは幸先良いなと。東京は序盤上手くボールを前に運べず前に大きく蹴り出すのみだったのもあって、ここでボールを支配しつつ攻め込めば前半中に追加点も有ると思った。
 ただ前半15分過ぎから徐々に東京にボールを繋がれて自陣でプレーする時間が長くなり始めた。ボールを奪って前線に繋いでも上手く相手に対応されて奪い返され、また攻められる展開。そんな中で仲川の右クロスをディエゴに合わされて同点。少なくとも前半はこのまま終わればと思っていると終了間際に左SB徳元のクロスをまたディエゴが頭で合わせて1-2。これは徳元のクロスが素晴らしかったな。最近は相手ゴールライン近くまで深くエグッてのグラウンダーの折り返しが主流だが、やや長いクロスを頭でドンピシャで合わせたゴールは久々に見た。その後も東京のCKからヘッドがクロスバー直撃、直後の仲川のシュートは一森が好セーブで3失点目は逃れたが、完全に東京ペースで前半終了。

 後半はややオープンな展開になったかなと思っていると、後半15分過ぎにAロペスがクロスを合わせて同点。ここまでマリノスはAロペス、東京はディエゴが2点ずつ取っているが、ある意味両チームは合わせ鏡のようなもので、この2人の役割は非常に似ている。組み立てからフィニッシュまで幅広く動く前線の大黒柱。その分トップ下から前に飛び出す選手との役割が曖昧になりがちで、マリノスは西村の消える時間が長かった。一度相手陣内でのスローインの際にAロペスと西村の距離が近すぎてロペスが西村にジェスチャーでポジションを変えるよう指示するシーンもあった。

 そして後半25分頃に後半頭から入った松木がマルコスを肘撃ちしたとして一発退場。VARで確認後の判定だったが、エリア内のダイブなど相手の足が掛かっている/いない、といった事例については映像で判定出来るが、今回の様に少なくとも肘が相手に当たっている事が明らかになった場合、故意なのか、偶然当たっただけでそのままプレーを続けられたのか、当てられた選手の心理まで映像から判定することは難しい。そして判定者の心理として、本当は故意なのに偶然と判定してしまった場合のリスクを考え、判断の根拠は「肘が当たったか否か」に依拠してしまうだろう。そして今回当てられたマルコスは試合が止まるまで倒れ続けていた。こうした点を総合して考えると今回はこの判定になるだろうし、マルコスが一枚上手だったと言える。思えば松木は去年のマリノス戦でも退場していたな。主将として臨んだU20W杯でのGL敗退や今日の退場など、キャリアに逆風が吹き始めているが、本田、堂安といった選手はこうした逆境を乗り越えてワンランク高みに達したよなぁと思ったりもする。

 これで後半の残り半分はマリノスが押し込む展開となり、1人少なく、暑さもある中で東京の運動量が落ちるのも考慮すれば1点は取れるだろうと思った。そしてAT直前に右クロスからマルコスが決めて勝ち越し。ATは8分あったがそのまま試合終了。

アウェイゴール

 相手の退場もあったが逆転勝ち。この辺は勝負強さを感じる。ただ前半半ば過ぎに相手に押し込まれたように、サッカーそのものは去年から上積みは無く、経験と言う貯金で結果を得ている印象もある。今の「アンロペシステム」が機能している内に出来るだけ勝点を積んでおくことが重要だな。上記の通り、夏以降杉本辺りが攻撃のオプションとして機能してくればまた面白いのだが。

  • 試合後

 そのまま武蔵境駅行きのバスに乗ってそこから中央線某駅の焼肉屋で祝勝会。途中注文した訳ではないのに店員がやって来たと思ったら、実は静岡出身の清水サポらしく、我々の会話が聞こえてきて話しかけてきたらしい笑。そのすぐ後には、隣のテーブルに通された若者グループの1人が自分もマリサポだと言ってきて盛り上がった。台風一過で晴れた土曜の夕方なのもあって、楽しい時間だった。