J1第16節 川崎×柏(等々力)

  • 等々力へ

 今日は元々三ッ沢マリノス×鳥栖の予定だったがACLで日程変更。深夜の決勝の前に日中どこか観に行こうかなと思っていたところ、近隣で唯一開催されるこの試合に行く事にした。等々力は4/20川崎×東京V以来1ヶ月ぶり。両チーム共U23代表の主力が所属しているが、特に柏の関根はプレーをこの目で観た事が無い(はず)のでそれも目的の一つだった。
 前回と同じく武蔵小杉駅から路線バスで現地に向かう。いつも等々力で川崎戦を観る時はメインスタンド2階のアウェイ寄りなのだが、今日は同じアウェイ寄りながら席種をやや中央寄り前方にしてみた。↓の様に丁度ゴールラインの延長線上だったが、

自席からの視点

先日公開されていた改修計画の図面と照らし合わせると、球技場化による新ゴール裏スタンドは上記写真におけるカメラマンの位置辺りになるのだろう。

  • 試合
選手入場時

 序盤は一進一退という感じだったが、ボールを奪ってから前線の木下、細谷、サヴィオを中心に中盤以下も絡む柏の方がより相手ゴールに近付く場面は多かった。注目していた関根は開始早々にマルシーニョの突破を抑えた場面など守備の強さだけでなく、むしろ機を見て前に上がっていく攻撃面での貢献が目立った。U23でも感じたが、クロスの種類が豊富なんだよな。アーリー気味に鋭く上げるキックもあれば、低目にマイナスに折り返すパターンもあり。またボールを持ったら前に大きく蹴り出すか繋ぐかの判断力にも優れているし、187cmと高さもある。パスミスは幾つかあったが、これだけ「出来る事が多い」というか特長と武器を備えたSBはなかなかいないし、遠からず次のステップに進むだろうな。同じ柏って事で酒井宏樹とも重なる。五輪が終わればA代表も現実的だと思うが、現代表は菅原、橋岡、毎熊と右SBは層が厚く、特に前二者は欧州でプレーしており経験値で先行しているが、ポテンシャルは引けを取らない。
 という中で先制したのは川崎で、前半半ば頃から徐々に試合を支配するようになると、30分頃に右サイドから複数人がヒールパスも交えた連携を見せて最後はゴール前に走り込んだ脇坂が決めた。美しい展開だったが、全体的には手数を掛け過ぎてチャンスを逃している印象もあり。自陣でボールを奪った後、パスの出し所を探しながらドリブルで前に運ぶプレーが多かったが、出し所が無く再度奪われたり、パスカットされる場面も目に付いた。マルシーニョが要求しているのになかなかボールが出てこない場面も多かったな。正直、今の川崎は数年前ほどのタレントはいないにも関わらず、同じサッカーを志向して行き詰っている印象がある。守田、田中碧、旗手、三笘のように技術と判断力を備えた代表クラスの選手がいて成り立つサッカーを再現するのは難しい。むしろ今のチームは脇坂、橘田ら数人を除いて走力や球際の強さ、スペースへの走り込みに特長のある選手が多い様に思うし、変に美しいパス回しを追求するより、よりシンプルに縦に早いサッカーを志向した方が個々の役割も整理されると思うのだが。そういうチームに脇坂の様な技術のある司令塔を置くとむしろよりサッカーに深みが増すようにも。その意味では黄金期が過ぎた00年代半ば以降の磐田に似たものも感じる。あの素晴らしいサッカーをもう一度、と他からタレントを集めたりしてどうにか再建しようとするものの、なかなか結果に結び付かず、徐々に成績を落としていく様が。

 後半は柏が押す展開。サイドから攻め込んで何度か惜しいチャンスを作り出し、そして15分頃にFKからの流れで最後はゴール前で木下が詰めて同点。30分頃までほぼ柏ペースの試合だった。柏としてはここで更に1点取りたかったと思うが、ここは川崎が粘ってゴールを許さず、終盤にようやく柏ゴール前に達する場面が出来始める。そしてATにFKをジェジエウが合わせて劇的な勝ち越し、と思いきやVARの結果オフサイドで取り消し。その場でDAZNで視てみたが、片手一本分出ているだけのかなりギリギリの状況だった。その後得点は生まれず1-1で試合終了。

  • 試合後雑感

 川崎としては最後のゴールが取り消されたのは痛恨だろうが、内容的には勝点1を拾った試合、柏は逆に勝点3を逃した試合だったかもしれない。川崎は4月に観た時はまだ選手の配置や組み合わせの最適解を見出せてないのかなと思ったが、今日見て未だそれが続いている印象を受けたし、先ほど述べた様に、方向性が現所属選手の特性と一致していないようにも見えた。今後も劇的に変わるとは思えず、勝ったり負けたりの厳しい展開が続くように思う。
 柏は去年同様、今年も引分けが多く勝ち切れない試合が続くが、34試合で6勝に終わった昨季に対して今季は15試合消化で既に5勝。後は今日の木下の様に前線がしっかり点を取れるかどうか。細谷はU23アジアカップで復調しつつあって今日もゴールは無かったが鋭い突破を何度か見せていたので、その点は期待が持てる。ただし関根と共に五輪に行けば数試合欠場だし、夏以降欧州に行く事も十分考えられるので、そうなると分からないが。

アウェイゴール
  • 試合後

 帰宅後少し仮眠を取った後、友人宅に集まってACL決勝を視聴。試合を視た後始発で帰って、翌日この観戦記を書いているのでなかなか頭が切り替わらない苦笑。