親善試合 神戸×トッテナム(国立)

  • 3週連続国立へ

 元々今日は観戦の予定は無かったのだが、友人からの連絡で急遽また国立に行く事になった。色々観に行ってるとたまにこういうイレギュラーというか思わぬ観戦がある。
 Jクラブvs海外クラブの親善試合というと昨年末の福岡とシャフタール・ドネツクのチャリティーマッチが記憶に新しいが
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 夏のプレシーズンツアーだと19年前、2005年7月30日のマリノスvsFCバルセロナ以来。
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 この19年の間に、特にここ数年は数多のチームが夏に来日してマリノスも幾つか試合をこなしたが、まずチケが当時から高騰したのと、クラブの親善試合特有の緩さはあまり興味を引くものでは無かったのでパスしてきた。普段主にバクスタでその約半分の価格でリーグ戦の真剣勝負を観ているのもあるが、日産や国立のゴール裏で7000~8000円するような価格帯で緩い親善試合を観る気は起こらず、というのが正直な所で。これが代表戦だと国を背負う分、親善試合でも一定の強度と結果を追求するので面白いんだけど。今回は色々な縁があったという事で。

  • 昼間諸々

 昼は用事があって千葉方面に出かけたのだが、そこから国立までは京成~都営浅草線で大門→大江戸線かなと最初思ったものの、今日が隅田川花火大会なのを思い出して押上、浅草付近を通過するのは得策で無いと判断し、東西線西船橋経由で、飯田橋総武線に乗り換えるルートに変更。試合までは少し時間があったので飯田橋ドトールで時間を潰す。

飯田橋駅より市ヶ谷方面を望む

 いつも思うがこのJR飯田橋四ツ谷辺りの、皇居の堀の淵を走る景観は独特だなと。緑と水に溢れる光景が続き、信濃町に差し掛かると東京特有の起伏や入り組んだ首都高とも相まって別世界の趣がある。そして(それ故に?)飯田橋から信濃町まで僅か3駅6分なのも毎度驚かされる。実はこんなに近いんだと。
 てな感じで18:30頃に現地着。

試合前イベント
  • 試合

 この試合に関しては試合どうこうを書くのは野暮ではあるが、お互い目玉となる主力数名はスタメンに出しつつ、後は若手、中堅、新加入選手という構成で、前半10分頃にトッテナムゴール前でのDFのクリアミスを大迫が冷静に決めて神戸が先制するもその約10分後にトッテナムが右サイドからの攻撃で同点。
 後半は開始早々に孫興慜のゴールでトッテナムが勝ち越し。孫興慜を生で観るのは恐らく初めて。左サイド起点に切り込んでゴールを狙うスタイルというのは知っていたが、シュートの振りが早いなというのが第一印象。相手もカットインを警戒して対応する中で、それを上回る俊敏性や足の振りの短さで強烈なシュートを放てる能力。この選手については大きな怪我が少ないのも強みだと思う。これまで細かな負傷はあってもシーズン半分以上棒に振るような重傷は無いと思うが、こうして安定的に稼働出来るのも才能の一つ。

 話は逸れるが、韓国は10年に1人代表を牽引する(し得る)タレントを輩出する印象がある。

朴智星(1981年生まれ):大学からJリーグに渡る
孫興慜(1992年生まれ):中学年代まで元選手の父親が経営するサッカースクールに所属
李剛仁(2001年生まれ):10歳でスペインに渡る

コメントで付記している通り、3人共韓国国内の一般的なルートとは異なるキャリアを歩み、Kリーグでプレーした人がいないのも共通している。昨今の韓国サッカーの停滞は、サッカー界がこうした例外的な才能1人(ないしは2人)に依存してどうにかなる世界ではなくなったのを示す証左という気も。

 試合はその後お互い交代選手も増えて、攻め合う展開となり、後半20分頃にJ・パトリッキのゴールで神戸が同点。しかし後半40分過ぎにムーアのゴールでトッテナムが再度勝ち越してそのまま逃げ切った。勝ち越し点を決めたムーアは2007年生まれの16歳だという。経歴見たら年代別イングランド代表でも主力級の様で、先日行われたU-17EUROにも出場して4ゴールを挙げ得点ランク2位タイ。この年齢でトップの海外ツアーに同行させたのを見ても、クラブ期待のタレントなのだろう。余談だが20年前の2004年に鹿島vsFCバルセロナ@国立を観に行った時に、5-0でバルサが勝った最後の1点を決めたのがリオネル・メッシという17歳の少年だった。当時からカンテラの天才少年と日本でも報道されていたが、そうしたキャッチフレーズ持つ選手はそれまでにも数多いたので話半分に聞いていたのが正直な所だったのだが、このアルゼンチン出身の少年はその後僅か数年で世界的な存在となった。今日のムーアももしかしたら数年後大ブレイクして、あの日本でのゴールが伝説の始まりだった、とか言われるかもしれない。冒頭で海外クラブとの親善試合について色々否定的な事を書いたが、こうした楽しみはあるな。

  • 試合後雑感

 今日の試合で驚いたのはトッテナム側のチャント。アウェイゴール裏から定番の聖者の行進(When The Saints Go Marching In)をアレンジした“When the spurs go marching in”がかなりの声量で聞こえて来た。

アウェイゴール

 こうした親善試合ではチャントは主にJクラブ側で試合が動いた時以外は静かな雰囲気になる事が多いが、今日はアウェイゴール裏から色々なチャントが聞こえて来て驚いた。観客は確かに英国系と思われる人もスタジアム内外で見受けられたが(それ以外に韓国から来たと思しき人達もそれなりにいた)、そこまで人数多くなかったと思うんで、日本のファンが主に歌ってたのかな。海外クラブサポがついにチャントまで歌い出すのは画期的。それが国内だろうが海外だろうが、スタジアム内に響くほどの声量で好きなクラブの為に歌うというのは素晴らしいと思う。

 今日は試合そのものより、スタンド含めた試合の雰囲気に関心が行ってしまうのだが笑、入場前の場外の様子や自分の席(バクスタ神戸寄り)周辺を見ても色々興味深い点はあった。まぁ時期的に夏休みなんで、家族連れや学生同士の連れが多かったな。そうした点も併せてこの時期の海外クラブとの対戦は「夏の風物詩」、「夏の思い出」イベント的な位置付けと言えるのかもしれない。

 友人と別れた後はそのまま北参道経由で帰宅。