- 中1日で再び観戦
友人に誘われ、水曜に続いて今日は等々力へ。等々力は9/7プレミアイースト以来、川崎のトップチームだと5/25川崎vs柏以来と意外に間が空いた。ちなみに今季観戦した川崎(トップチーム)戦は、川崎の1勝3分。1勝はスーパーカップなのでリーグ戦は全て引分けという。
いつも行く時は武蔵小杉からバスだが、今日は行きも新丸子からの徒歩で向かい、18:40頃現地着。いつもの様にメインスタンド2階アウェイ寄りなので、さすがというかこのエリアも鹿島サポの数が多かった。
- 試合
鹿島はポポヴィッチが解任され中後監督になって2戦目だったが、開始からボールへの寄せが早く、川崎に簡単にボールを回させない。奪った後はチームとしてボールも人も縦に進む展開で、かなり優勢に試合を進めていた。そんな中で前半10分に右からの長いクロスを中央で知念が頭で合わせて鹿島が先制。この選手は今季からポジションを中盤に移して驚いたが、このゴールはFW時代を思い起こさせるものだった。というか体の強さを活かして中盤の守備に貢献しつつ相手エリア内に飛び込んで頭でも足でもゴールを狙うスタイルは、かつて川崎でプレーしていた谷口博之を思い出す。
先制後も鹿島の攻勢は続いて、そこから10分も経たない内に今度は左SB安西の突破から最後は中央で後ろから走り込んだ樋口が合わせて2点目。更にその10分後にも左クロスが逆サイドに流れた所を今日は右SBだった三竿がダイレクトでGK頭越しのミドルを決めて3-0とした。3点とも後ろの選手が前に出て決めたものだが、開始からのチーム全体の前への意識を反映したものだった。
川崎は3失点目直後に脇坂→小林の交代で2トップにして、以降はようやく鹿島陣内に攻める時間が増え始めるが、ゴールは生まれず3-0鹿島リードで前半終了。
後半は序盤の15分ほどは川崎の攻勢で、決定機というか絶好機が2度程あったが、最初は左クロスをファーサイドで山田が詰めてゴール、と思いきやシュートミスで枠を捕えられずGKがキャッチ、2度目は再び山田が左からのグラウンダーのクロスをフリーで合わせながら枠上に打ち上げ。特に1度目はドイツW杯クロアチア戦の柳沢のシュートミス、いわゆるQBKを思わせるものであった。この選手は今季15ゴールとブレイク中だが、ゴール前での粘りや球際の強さ、ゴールを量産する反面こうした不器用さも見せる辺りは岡崎慎司を思わせる。
川崎としてはこの序盤の決定機を1つでも決めていたらまだ勝負は分からなかったがノーゴールに終わったのだが響いたかな。以降は鹿島が上手く時計を進めるプレーが目立つようになった。川崎がボール支配しつつも鹿島が要所を抑えて決定機を作らせず、ボールを奪ったらカウンターで川崎ゴール近くまでボールを運ぶ、これぞ鹿島というプレーが目立った。序盤から飛ばしていたので後半落ちるかなと思ったが、そこも選手交代で上手くやり繰りしていた印象。川崎は縦にボールを出せない場面が目立ったが、それは鹿島がボールの出どころである中盤の山本を上手く「消して」いたのが大きかったと思う。山本がボールを持つと2~3人が距離を保って前に立ち塞がってボールを出させず、コースを切ってるので裏を狙ったパスも鹿島守備陣がカットしていた。途中からは大島も投入されたが状況は変わらず。
鹿島は途中から17歳のFW徳田が入った。9月の広島戦でJ1初ゴールを決めた選手だが、入った時間帯は既にカウンターメインで前線で球際粘ったり相手を背負いながらハイボールに食らい付くプレーが中心だったが、こうしたプレーを厭わない辺りは鹿島らしい選手だなと。古くは黒崎久志、長谷川祥之、鈴木隆行、今の鈴木優磨、上田綺世(フェイエノールト)、垣田裕暉(柏)などこのチームはこの手のCFを育てるのが上手い。
後半そのまま時間が過ぎ、AT5分に山本の直接FKが決まって川崎が1点返したが、その後は鹿島がしっかり守り切った。最後は川崎陣内のコーナー付近でボールキープするプレーも見られ、こうした「鹿島る」プレー観るのも随分久々だなと笑。そのまま3-1で鹿島の勝利。
- 試合後所感
鹿島の気合勝ちという内容で、イメージとしてはマリノスにおけるアウェイ町田戦(国立)に近い。監督が解任されてコーチが昇格し、チーム全員が危機意識を持って臨んだ試合という意味で。マリノスの場合、その勢いがその後1ヶ月半ほど続いた後で徐々に停滞していったのだが、鹿島の場合は残り4試合を勝ち切って少しでも上の順位でシーズンを終える、といったところだろうか。現在4位で2位広島とは残り4試合で勝点8差なので厳しいが、3位町田とは3差なので十分射程圏内。今日は鹿島サポの声量も大きかった。
川崎は鬼木監督になってから鹿島にはかなり勝率が良かったと思うが今日は完敗という事で、先日の退任発表と合わせて一つの時代の終わりを感じる試合だった。鬼木監督の凄さは、一度連覇したチームを刷新して違うサッカーでもう一度連覇した事だと思っているが、更にその次のサッカーを見出せなかったのが去年、今年と成績低下、ひいては今回の退任の主因ではないかなと。これまでの川崎らしいボールを支配するスタイルよもう一度という事で、先ほど述べた山本などそれに合った選手を獲得してきたが、前線は山田、エリソンなど縦に早いサッカーに適したタイプがメインなんで、その辺のズレは感じた。マルシーニョ、遠野ら他のアタッカーもそうだし、中盤も瀬川、河原などがいるので、割り切って2トップで縦に速く攻める布陣を敷いて、その中で脇坂、大島、あるいは山本がタメを作ったりすればカウンター一辺倒の単調さも無くバランスの良いチームが作れそうにも思うのだが。その意味で来季どんな監督が就任するのかは興味深い。
武蔵小杉に向かう友人達とはスタジアムを出た後別れ、そのまま新丸子経由で帰宅。途中のコインパーキングでは水戸や土浦ナンバー車を何台も見掛けた。