- ルヴァン決勝
昨日に続き、今日はルヴァン杯の決勝。色々タイミングが重なってこの4日で3試合目の観戦となった。例年文化の日前後は晴れること多いが今日は珍しく雨という事で、特に寄り道する事無く国立に直行。バクスタなので外苑前から行ったのだが、駅を出て地上に出ると新潟サポのチャントが聞こえてきて、試合への期待が高まる。12:20頃到着。この決勝恒例のヤマザキビスケット製品と試合パンフを受け取って入場。
今日の席はバクスタ1階中央ややホーム(名古屋)寄り。この天候だが1階の上段なので濡れる心配もない。周りはほぼ名古屋サポで、その中にオレンジのユニ着た人が何人か。前列にいたのは名古屋サポの親子連れだったがゲーフラも持って来ていたのには驚いた。大抵こういった家族連れは父親が熱心で母親はそれに乗せられて子供と一緒に応援というパターン多い印象だが、この家族は父母共に(勿論子供も)超熱心なサポで、野暮な話で恐縮だがサポ仲間同士で結婚したのかなと思ったりもした。毎年こうしたカップファイナルを観に行って思うが、やはりこうした試合は普段まったりなバクスタ中央付近も熱い。
試合前は恒例の両クラブDJによるそれぞれの選手紹介の後、選手入場。
両チームコレオ
- 試合
今季の両チームのリーグ戦での対戦結果を見ると、お互いホームで勝利の1勝1敗。ただ名古屋、というか長谷川健太サッカーにとっては新潟の様なスタイルは好物だろうなと思いつつ観ていたのだが、序盤こそ新潟が名古屋ゴール前に到達しランゲラクがセーブするシーンがあったものの、徐々に名古屋がペースを握り始めた。前線の永井、和泉、森島が新潟の最終ラインをケアして簡単に後ろからビルドアップさせず、その乱れを突いて中盤でボールを奪ってショートカウンターという場面が増え始め、そして前半30分頃に、新潟GK阿部のパスをカットした永井がダイレクトでゴールに沈めて名古屋が先制。更にその10分ほど後にも、名古屋が新潟ゴール前に長いボールを入れて、それを上手く繋いで最後は再び永井が決めて2-0。前半はこのまま終わった。この内容だと後半も名古屋優勢が予想され、しかも控えにはユンカー、パトリック、山岸、山中といった能力ある選手も控えていて、これは新潟が1点返すより名古屋が3点目を決める可能性が高いだろうなと。
後半は早々に新潟が右クロスをファーサイドで合わせたシーンがあったが、これはGKランゲラクの正面。昨日の試合もそうだったが、序盤のチャンスを逃すと後々響くよな・・・と思いつつ観ていたのだが、その後も新潟は攻め込むも中央を固めた名古屋の前にゴールエリア内に侵入できず外に追いやられる形。だが後半半ばに新潟が一気に3枚替えで長倉、星、ダニーロ・ゴメスを入れると流れが変わって来た。D・ゴメスが右サイドで起点となって名古屋ゴール近くでボールをキープ出来る時間が増え、そして25分頃にそのD・ゴメスのクロスから中央で谷口が頭で合わせて1点返した。
これで試合はまだ分からなくなった・・・とは言え、名古屋の守備はその後も堅く、新潟は1点返した後に入った小見が左サイドに入って、D・ゴメスと両翼から攻めるがゴールには至らず。これは名古屋が逃げ切りかな、と思ったATにエリア内で小見が倒され、その瞬間はノーファール判定だったが、その後VARチェックが入り、主審が映像確認しに行った段階で、名古屋側を含む場内がPKを薄々予感していたと思う。場内に映し出されたリプレイ動画では名古屋の選手の足が確かに小見に掛かっていた。結果、PK判定。キッカーはその小見だったが、長い助走のキックで正直外しそうな気がしたのだが、ランゲラクの逆を突いて同点。知らなかったがアンロペの様にギリギリまでGKの動きを見て蹴り分けられるキッカーなのね。2-2で前後半が終わって延長へ。
延長開始から名古屋はユンカーを投入し、いきなり左クロスからそのユンカーが競い、エリア内でこぼれたところを中山が決めて名古屋が勝ち越した。名古屋は2点目もそうだったが、エリア内でクロスやロングボールに合わせられる選手がいて(和泉、ユンカー、山岸、パトリック)、そこでダイレクトにシュート出来ずともエリア内でのこぼれに反応できる選手もいるのは強みだなと。
これで名古屋が優勝に近付いた訳だが、まだ延長前後半で20分以上あったのでそれが新潟にせよ、名古屋にせよ、もう1点くらい入るかなとは思った。どちらかというと、可能性としては終了間際にカウンターで名古屋が4点目取るかなと思っていたのだが、延長後半早々に右サイドからパスを受けた小見がランゲラクとの1対1を冷静に制して新潟が同点。この試合あれだけ名古屋の守備の裏を突く事に苦労していた新潟が、この時は自陣からパス2本で裏を取った。
その後は両チーム攻め合ってチャンスはあったがゴールは生まれず、3-3のままPK戦へ。ゴールは名古屋側となり新潟先攻で始まったのだが、お互い1本目を決めた後、新潟2人目の長倉が枠を外し、名古屋2人目はランゲラク自身が蹴ってこれを決めた。先ほど名古屋側の席にいたと書いたが、名古屋サポのこのGKに対する信頼は絶大なものがあり、新潟が外した直後に本人が決めたのを見て多くのサポは優勝を確信したのではないかと思う。ゴール裏にも無数の豪州国旗が見えた。
その後はお互い決め続け、最後は名古屋5人目の山岸が決めてPK5-4で名古屋が優勝。
- 表彰式&試合後雑感
例年通り審判団、準優勝、優勝チームの順に表彰。
新潟にも名古屋側から大きな拍手が送られたし、この試合のMVPとなったランゲラクのインタビューでも対戦相手を称えるコメントがあった。前半の内容からまさかこうなるとは思ってもいなかった。小見や長倉、D・ゴメスの後半投入を鑑みるに、松橋監督としては(2点は想定外だったかもしれないが)リードされて後半迎える状況は織り込み済みだったんだろうな。PK戦で外した長倉は試合後も泣き崩れていたが、この選手に対しては自分でボールを運べて足でも頭でも点が取れる万能性と共に、ブレイク迄あと一歩、いや半歩というのも感じていた。今回のルヴァン杯では得点王だが、リーグ戦ではまだ5ゴール。リーグで15点取れるポテンシャルはあると思っているだけにこれからの飛躍に期待。今日の試合がそのきっかけかもしれないが。
名古屋は2度追い付かれたとは言え、一度も逆転を許さなかった辺りに手堅さは感じた。今日もパトリックは最後まで温存しつつこの結果。長谷川監督らしいというか、スタメン、控え全員が勤勉でよく走るし球際強いタイプばかり。MVPはランゲラクになったが、永井も2ゴールだけでなく前線での守備で非常に貢献度が高く、90分で勝っていたらこの選手がMVPかなと。その献身性で新潟に思い通りにビルドアップさせない場面が幾つかあり、体を張ってパスカットする度に周りの名古屋サポは大きな拍手を送っていた。そういえば長谷川、松橋両監督はJリーグの前、日産FC時代のチームメイトか。
- 試合後
雨は試合前はそれほどでもなかったが、試合後は本降り。寒かったので帰りにホープ軒に寄ってラーメンをすすった後は北参道駅経由で帰宅。今日の観衆は62,517人だったが晴天ならもう少し増えていただろう。両クラブサポが作り出した熱がピッチ上に乗り移ったかのような試合であった。この試合の為にホームから様々な交通手段で国立に向かったり、朝早くから並んだりする様子が自分のSNSに流れていたが、旅好きとして、またかつては前日シート貼り、早朝並びなども経験した身としてはこういうのを見ると親近感が湧いてしまう。それも含め(月並みな表現だが)素晴らしい試合だった。