- クラシコレジェンドマッチ
夏の神戸vsトッテナムもそうだったが、たまに友人の誘いで行く試合がある。どちらかと言うと試合そのものよりもこの時期にこのメンバーの試合が組まれた背景にも興味があったりするのだが、この友人とはサッカーについてそうした話も含め色々語れる間柄でもあるので、それも込みで誘いに乗った笑。
- 味スタへ
当日は12時に飛田給駅で待ち合わせたのだが、11:40頃に着くと既に駅はかなりの混雑。
チケ完売とは聞いていたが開始2時間以上前にここまで混んでいるのは想定外だった。そして客層が見るからに若い。20代、30代、40代の順で多いように感じられ、40代は子供連れが多かったかな。自分の世代だと今回の主要メンバーはリバウド、R・カルロスらの世代も彼らの全盛期を見ていたので“刺さる”訳だが、20代だと子供の頃にシャビ、イニエスタをバルサやスペイン代表で見ていた、とかかね。
とにかくかなりの人出で周辺のコンビニや店はどこも並んでいたのでまずはスタジアムを目指す。両ゴール裏スタンドのゲートはかなり列が伸びていたが、我々が座るバクスタはそれほどでも無く、12:30頃入場。座席を確認後は昼食を調達しにコンコースを周ってみたが、普段のFC東京、ヴェルディ戦より飲食店はスタジアム内外で圧倒的に少なく、どこも長蛇の列。まぁ開始までは時間があったので比較的列が短く見えた店に並んで(それでも20~30分並んだが)、13:15頃にどうにかゲット。コンコースには今回の各スポンサーブースも設けられており、その中には恐らくは同じスポンサー繋がりである柏木陽介と一緒に写真撮影というコーナーもあった。昨日は槙野の引退試合で神戸にいたからすぐ移動して来た訳か。
今日の席はバクスタホーム寄りの前方で、この位置は普段のJではあまり行かないエリアなので新鮮だった。
試合前は審判団の紹介(主審は家本氏が担当)の後スタメン紹介が無く不思議だったが、開始前に1人ずつ名前が読み上げられて登場してくる形。イニエスタら主力以外で個人的に刺さったのはバルサだとサビオラとメンディエタ、そしてセルジ、レアルだとマクマナマン、イバン・カンポ辺り。バルサの監督は90年代に左のセルジに対して右SBだったフェレール、レアルはスペイン代表監督として日韓W杯にも出たカマーチョ。
- 試合
今回は内容や展開について書くような試合でも無いのだが、基本的には中盤が先日まで現役だったイニエスタと体型が現役時と殆ど変わらず動けるシャビのバルサがボールを支配しレアルはカウンター。シャビのボール捌きを見ていると、中盤でボールを受けてから出すまでが速く、もはやこの場面でどう動くべきか、どこにパスを出すべきか考えるまでもなく体で覚えているレベルなんだろうなと。選手の年齢は幅広く、体型も変わらない人、大きくなった人色々いたのだが、全体的にはバルサの方が動ける人が多かった印象。
先制はバルサでサビオラが決めたが、この人は恐らく19~20歳頃の時点では同年齢時のメッシを上回っていたと思う。当時アルゼンチンはぺケルマンの下でユース代表からアイマール、リケルメ、カンビアッソらタレントを数多く輩出していたが、サビオラはその集大成的な位置付けで、地元開催ワールドユースで優勝、得点王、MVPを獲得。そして満を持してバルサに移籍し、ゴールを量産していたのだが、当時のバルサは低迷期真っ只中だったのが不運だった。ようやく低迷を脱しようという時に他チームにレンタルに出され、その間にロナウジーニョという新たなキングが現われ、またカンテラからメッシという同じアルゼンチン人の天才少年が台頭してチームに居場所が無くなってしまい。実はその後レアルにも在籍していたのだが、今回バルサ側で出たという事は、現役時代の経緯はともかくチームとの繋がりは保っているという事か。
クラシコの展開的に、このまま試合が終わるとは思えずレアルがカウンターで点取ったりするんだろうなと思っていたが、半ば過ぎにPKを得て同点。ゴールを決めたバルボアは知らなかったが、調べるとレアルのアカデミー出身とは言えトップチームではリーグ戦出場7試合のみ(2005-06、07-08の2シーズン)なのでさすがに分からない。
このまま予定調和的に1-1で終了かと思っていたら、終了間際にバルサが相手ゴール前でFKを得て
これは壁直撃だったものの、その流れから最後はイニエスタのゴールライン際からのクロスをレアルDFがOGしてバルサが勝ち越し。そのまま2-1で終わった。
試合後はイニエスタからのメッセージやロベカルら何人かの選手への場内インタビューがあり、レアル側からはイニエスタに対してネーム入り背番号6のレアルユニも贈呈されていたが、さすがに公の場でそれが着用される事は無いだろうな笑。10年程前だったか、レアルサポへのアンケートでバルサで獲得したい選手1位だったという記事を読んだ事がある。この人はカンテラ育ちとは言えカタルーニャ出身ではなく、同州出身のシャビやグァルディオラらとは位置付けは異なるのだろうし、またスペイン代表としてW杯ウイニングゴールを決めたりもしているので、地域の壁を越えた人気があるのではないかと思う。
- 試合後所感
味スタは満席の45,725人。こういう試合特有の静かな雰囲気で、時折両ゴール裏やメインスタンド辺りからチャントやアンセムの歌声や手拍子が沸き起こる程度。普段見ている試合とは別のイベントを観た感覚で、16年前に観た某元日本代表選手が主催した↓の試合と印象は近い。
barcaw.hatenablog.com
改めて当時の文章を読み返すと「サッカーを見に行くというより、この試合を観る事が何かしらのステータスになると思って来ている人達がおそらく多かった」と書いていて、今日もそんな感じだった。座席が前寄りだったのもあったと思うが、ユニを着てピッチを背景に自撮りする若者が結構いたので尚更に。それなりなチケ代だったけど、その価値があると思えるくらいイニエスタ、シャビや“エル・クラシコ”のネームバリューはあるんだろうな。まぁスタンドでは外国人も結構見掛けて、日本に限らず世界中でそうなのだろうと思うが。自分としては試合そのものだけでなく、一緒に観た友人との諸々サッカー話との合わせ技で価値があった。
満席だけに帰りは西調布駅方面の道もかなり混んでおり、調布駅まで歩いた。スタジアムを出たのは16:30頃だったが、この時期特有の雲の少ない澄んだ夕景であった。毎年スタジアムで感じるこの天気や寒さで年の瀬を実感する。気が付けば今年も残り半月。