- 1年半ぶり海外
一昨年のソウル・仁川旅行以来、また海外サッカー旅したいなと思っていて、3~4日程度で行ける場所ということで東南アジアのタイなど考えていた。そんな中で以前から気になっていた香港の新ナショナルスタジアムが25年初頭にオープンするのを知り、スケジュールを見ると3月下旬に7人制ラグビーの大会が行われるとの情報。出来ればサッカーの試合で行きたかったが、直近で開催予定はなく、このラグビー大会は金土日と週末なのもあって行きやすい為、色々計画を練り始めた。これが昨年末。その後、年が明けてさすがに年度末は厳しいかと思って一旦断念したのだが、2月に入ってから色々予定の調整が付き、またこの時期でも飛行機、宿はそれほど割高にならず押さえられたので一気に手配を進めた。
- 出発
一昨年と同じく羽田の深夜便で向かう。使ったのは香港エクスプレスというキャセイパシフィックの子会社LCC。午前2時過ぎに離陸したのだが、丁度関東地方に寒冷前線が接近中で、途中九州を抜けるまで断続的に結構揺れた。現地時間午前6時過ぎに着陸。

香港は初めて。入国後は空港鉄道に乗って終点香港駅の1つ手前、九龍駅で降り、そこでキャリーケースを預けて身軽になった後は近くの街に出て朝飯を食べに行く。

旅行前から朝着いたら粥を食べる事しか頭に無かったのでこの店に寄ったのだが、当日の香港の気温は朝6時時点で25℃、湿度も高く、朝粥という日では無かったな苦笑。
- 日中は海辺を散策~スタジアムへ
新スタジアムにはこの日の昼過ぎに向かう予定なので、午前中は香港と言えばこれ、という景色を見ようと九龍半島側の海辺に向かうとご覧の通り。

まぁこれはこれで風情のある景色だったが。
海辺の公園で休憩しつつ、12時前にスタジアムに向かう。MTR(地下鉄)で4~5駅程度。車内には同じ目的と思われる各国代表ユニを着た欧米系の人々も目立ち、会場に近付いているのを実感。
そして宋皇臺駅で降りて少し歩くと新スタジアムが見えてきた。

以前完成予想図を見た時に、その独特の色合いをした外観のインパクトがあって、以来気になるスタジアムだった。元々同地には啓徳空港という香港の空の玄関口があり、その跡地の一部を複合スポーツ施設エリアとして再開発したもの。開閉式屋根を備え収容は約5万。隣には陸上競技場もあり、客席はメインのみだがこれまた日本では見ないデザインのスタンド。

スタジアムゲートに着くと飲食物は全て持ち込み不可とのことで、ペットボトルの飲料などはゲート脇に設置された棚に預け置く仕組み。12時頃に入場。
- スタジアム


チケットはGeneralという自由席で、行けるエリアは幅広く、場内を色々見学。2階へはエスカレーターで上がる仕組みで、座席は膝先と前の座席のスペースには余裕があり、新国立2、3階の様な状況にはならないものの、カップホルダーは無い。また↑の写真から分かるようにゴール裏の片方はガラス張りになっており、海が見渡せるようになっている。午前中の雨の影響か屋根は閉じられていたが、蒸し暑さは感じなかった。座席下から冷たい風を感じたが、冷風口になっているのだろうか。

これまでの観戦歴で5万以上の専スタは埼スタ、サン・シーロ、ソウルW杯スタジアムなど多くは無いが、いつもネットで見ていたこうした最新の専スタに今いるという事実に慣れるまで少し時間が掛かった。
- SVNS香港大会
目の前で行われているのは7人制ラグビーの世界大会で、11月から5月までの1シーズンに世界7か所を転戦し、各大会で得たポイントの総合計で年間王者を決めるレギュレーション。香港はその第5戦で男女の大会が3日間に渡って開催される。今日行く事にしたのは他の予定との兼ね合いもあるが、チケ代が安かった為。1 day ticketは金曜は500HKD(約9640円)だが土日は一気に1200HKD(約23135円)になる。自分の様なスタジアムが主目的の人間にとってはさすがに2万以上のチケ代は高い。
とは言え折角なので何試合か観戦。7人制ラグビーは試合時間が短く、故にこの大会でも午前中から夕方までずっと試合が行われている。13時半頃には日本女子代表も登場。

お互い攻めたらトライに繋がる点の取り合いになったが終盤に日本の粘りが出て24-19で勝利。トライの度にDJが盛り上げ、ポールが光り、曲も流れるなど、日本でイメージされる15人制と違って変に教条的では無く気軽に楽しむ感覚。
学校の社会科見学で訪れたと思われる教師に引率された地元学生の集団も多かったが、客層は欧米系が過半数で、特に1階席はコモンウェルス諸国の人々の社交場的な雰囲気があり、皆ビール片手にワイワイ楽しんでいた。ピッチャーからビールを注ぐ売り子からピッチャー毎買い取ってるのもいたりで笑。
そうした光景を観ていて、よくラグビーメディアやファンが謳う“多様性”とか“敵味方関係なく応援する素晴らしさ”てのは、かつての大英帝国、現コモンウェルスの連帯感がベースなのではと思ったり。実際に彼らは血縁でも結ばれているし(父がNZ人、母は豪州人、祖父母はイングランド、スコットランド出身、みたいな例は多いはず)、喧伝される多様性というのはそうした一定の同質性を担保にした上での話という気も。今回の開催地が香港なのも、かつてイギリスの植民地で所縁の深い場所と言う意味で象徴性があるのだろう。
という観点だと“異分子”なのがフランス、アルゼンチンといったラテンの国々で、スタジアムにはサポも来ていたが、それぞれ自分達でまとまって応援している様子だった。アルゼンチンはサッカーの代表ユニやリーベルなどクラブチームのユニ着用率高し。
- ホテルへ向かう
大会は夕方まで続くが、14時過ぎにスタジアムを出る。この頃になると午前中の霧が嘘の様に晴れ間も見えて暑さが増した。

地下鉄で尖東駅に向かい、そこからバスで香港島へのフェリー乗り場付近へ。ここには大型書店があり、チェックイン前に少し寄ってみたかった。誠品生活という日本で言えばTSUTAYAみたいな位置付けの書店で、海外の雑誌コーナーには日本の雑誌も数多く、また旅行本コーナーでは日本関連の書籍も多かった。
荷物を回収後はホテルのある深水埗に向かう。九龍半島のやや内陸に入ったエリアで、下町的な風情のある街という。MTRの駅を降りると路面に屋台が建ち並ぶ賑やかな街だった。

一昨年韓国に行った時に泊まった永登甫もこれに近い雰囲気の街だったな。日本で言えば蒲田、御徒町、錦糸町辺りに近いイメージ。
ホテルにチェックイン後は少し休憩し、夕方に近くの店で夕飯。レストランも多く、またコンビニ、スーパーもあるので買い物にも困らない。ガイドブックやwebサイトでは治安面の注意喚起もあったが、夜も老若男女人通りは多く、夜中に暗い通りに1人で入り込むとかで無い限りは歩けるはず。
こうして初日は2万歩歩いていた。夕食後に宿に帰り、ビール一缶空けた後は深夜便の睡眠不足と日中の暑さと疲れが一気に襲ってきて爆睡。