年間表彰2025(後編)

 今日は日本の年間MVPを発表。今年も周りの友人、某SNSで相互フォローしている方々に協力頂き、私を含む36名による投票で決定。

【選考方法】
各投票者は今年活躍したと思う日本人選手1位~5位を選考、それを1位:5pt〜5位:1ptとポイント化しその総合計で選出。仮にポイントが並んだ場合は1位票の多い方が上位、それでも並んだ場合は順番に2位~5位票の大小で決定。順位票も並んだ場合は両者同順位とする。

【過去の受賞者】

年間MVP(歴代)

それでは5位から発表。例年通り選考者コメントを太字で引用。

第5位

鈴木 彩艶(パルマ):32pt
 「あのイタリアでゴールキーパーとして活躍」、「セリエAで定位置を確保し、俊敏なセーブでクラブの1部残留に貢献」というクラブと「確固たる地位を確立した」代表での活躍で「かつての不安定さは影をひそめ絶対的な安定感が漂う守護神に成長」した彩艶が5位。「心情的には(上田と)同率1位。W杯前年に二人が本格化し、チームを勝たせられる替えの利かないストライカーとGKを遂に日本代表が獲得したことを今年のトピックとしたい。」という声も。現在は負傷離脱中だがW杯には間に合いそうだし「W杯後にビッグクラブへの移籍あるか?」個人的に今のパルマ中田英寿がいた頃のペルージャとクラブの格や規模が似ているなと思っていて、中田が1年半プレーした後ローマに行ったように、彩艶も来夏の移籍あるのではと思っている。

第4位

早川 友基(鹿島):41pt
 4位もGKで「鹿島優勝の原動力」でありJ1の今年のMVPである早川。「鹿島が多くの1点差勝利で勝ち点を詰み上げられたのは、早川の好守があってこそ」、「ほぼ毎試合ゴールになりそうな場面でセーブ」と、とにかく「そこ止めるかってシュートストップ」を見せるGK。「早川で勝った試合ってのも何試合かあるんではないかな」、「現地観戦した試合で圧倒的存在感」という声もあったが、自分も国立で観た川崎戦で、相手に何度もチャンスを作られながら早川のセーブで1失点に抑え、逆転勝ちに繋げたプレーは印象に残っている。またホームゲームを何試合か観戦した選考者は「はじめはあまり目立たない印象だったが、だんだんと『ピンチを未然に防いでいるGK』であることに気づ」いたという。
 今年はクラブだけでなく「GK序列を覆して代表入り」した年でもあった。W杯も大迫を越えて第2GKとして臨む事になるのではと予想している。
今までの日本人GKは動タイプ(川口能活)か静タイプ(楢崎正剛)の二択しかないって印象でしたが、彼はその両方を兼ね備えてます。積極的にエリア外まで飛び出すのにミスがない。その上で驚異的な反射神経と足元の技術の高さがありと、よくぞ鹿島はこんな選手を育てな、と」という評価も寄せられたが、プレーも好セーブ後の雄叫びなども(現鹿島GKコーチの)曽ヶ端が乗り移ったかのような立ち振る舞い。まだ26歳、彩艶など他のGK陣も皆若く、当面日本のGKは安泰と思うが、川口・楢崎時代が終わって川島がほぼ1人で10年ほど支えた2010年代を思うと隔世の感がある。

第3位

南野 拓実(モナコ):48pt
 3位は「安定的にハイクオリティ」かつ「完全に円熟期を迎えて貫禄すらあるプレー」で「やんちゃさが無くなってリーダーの風格が出て」きて「代表でキャプテンマークを付けることも多くなってきている」南野。「ブラジル戦の1点目は痺れた」というコメントもあった様に、あの歴史的勝利&大逆転はこの選手のゴールから始まった。正直リバプールからモナコに行った時は、マンU以降の香川と重なって、正直ピークは過ぎつつあるのではと思っていたのだが、クラブ、代表で年々存在感を増している。この選手の特徴は、最近はサイド起点に仕掛けるアタッカーが国内外問わず多い中で、より中央寄りでバランスを取ったり、前線の守備のスイッチを入れたり、そして勿論攻撃面で数字を残せるのが他にない強み。それだけに先日の負傷は残念でならないが・・・。投票コメントでも「絶対に復活してほしい」、「怪我からの復帰を願って…!」、「W杯まで待ってます」、「応援の意味も込めて(投票)」「奇跡を信じたい」、「元気に復帰してくれるのを願うばかり」と早期回復を願うメッセージ多数。

第2位

鎌田 大地(クリスタルパレス):49pt
 「最終予選での出場を決定づけるゴール・クラブではタイトル獲得と目立った活躍があり、年間を通してレギュラー活躍」し、「所属クラブと代表で絶対的な信頼を得た」鎌田が3位と1pt差で2位。「今年クラブレベルで最も結果を出した選手なのでは。ブンデスセリエで成し遂げたリーグ適応に時間かかるも最終的にはチームの王様に納まる、をプレミアでも再現。」最近はプレーメーカーとして凄味を増したというか「周りを活かす気の利いたプレーが増え」、「ゴールに直結するアタックやパスが出せる」と共に「FA杯決勝を見て)ボランチとして泥臭い仕事を徹底して完遂した姿に『あれ、鎌田ってここまでやり切れる選手だったっけ?』と」攻守両面でハイレベルなプレーを披露。かつてのシャビ、ピルロ、近年のモドリッチ、デブルイネなどがそうだが、こうしたタイプは歳を重ねるほど円熟してより周りを見通せるようになり、ボールを奪われず、パスの精度が高まる印象。来年30歳だが、ピークはむしろこれからとすら思える。
 

2025年日本最優秀選手

上田 綺世(フェイエノールト):96pt
 当blog選出の今年の日本サッカーMVPは上田で決定。2位にダブルスコア近くの圧倒的なポイント数であった。今年、というか今季(2025-26シーズン)はとにかくクラブで「記録的なペースで得点を量産」、「圧倒的な得点率に度肝を抜かれた」一方、代表では2ゴールに止まったがその内1点は「ブラジル戦の決勝点」でありパラグアイ戦のゴールも「ストライカーとしての嗅覚で取った感じですごく好き」と評価する声。
昔から日本代表にヘディングの強いFWが出て来るのを待ち望んでいたのでオランダリーグでの彼の活躍は喜ばしく思う」「驚異の身体能力、所属リーグでもほぼ敵無しの活躍ぶり。周りを生かすプレーも上手い」とついに現れた本格CFの登場を喜ぶ声や「大学時代から見ている選手の活躍は嬉しい」という声も。この選手は大学3年次にプロ入りしたが、卒業を待ってプロ入りしていたら今の姿では無かったと思うし、高校から一旦大学進学した経路も含め、様々なキャリアが選択可能な今の日本サッカーが生んだ選手の一人だなと。
 強いて言うならクラブではビッグゲームであまり点が取れていないので、後半戦はアヤックスPSVなど国内のライバルから点を取る事を期待したい。

全順位は以下の画像を参照。

全順位

その他得票者について

- 6位&7位
 6、7位は堂安律佐野海舟が1pt差で続く。
 堂安は移籍したフランクフルトでも安定して活躍。「攻撃のみならず、守備もサボらない。WBでも一定の力を発揮できる。年々、プレーの幅が広がっている」プレーのクオリティそのものが上がり、ガーナ戦の右カットインゴールの様に「得意のゾーンを持ったような雰囲気が出て」きてもいる。またこの選手は「大きな怪我やスキャンダルなく継続して出場かつハードワークできることは立派な才能」。そう、怪我をせず継続してハイレベルを維持できるこの安定感が最大の強みという印象。
 佐野は「遠藤や守田がコンディション不良で抜けた穴を感じさせない」「マケレレかカンテか佐野か、って感じ」の活躍で「もはや日本有数のボランチ」かつ「守田と遠藤を脅かす存在」に。スタッツでも「ブンデスでリーグトップのデュエル勝利数と走行距離を記録」しているという。カタールW杯の頃は遠藤、守田、田中碧に続く選手があまりいないなと思っていたが、この選手や鎌田の攻守両面のスケールアップ、チマの成長でこれに続く選手も弟佐野航大がオランダで活躍しているし、層の厚みが出てきた。

- J1優勝鹿島勢
 J1優勝の鹿島からは早川の他に鈴木優磨植田直通が得票。植田は「優勝チームで全試合出場」で守備を牽引し、鈴木は「これぞ鹿島を体現する男」であり「良く言えば堅実で悪く言えば地味になったJリーグの日本人選手の中で悪役になってでもチームを牽引」すると共に「チームとサポーターの橋渡し役になり、寵愛・激励・批判もすべて受け止める。これがクラブの“象徴”なのだな...と感じさせられた
この選手で今季印象深いのはこのインタビュー。
www.youtube.com
勝った後でこれを言えるのが鹿島の強さなのだろう。

- 意外に票を集めた選手
複数の選考者から得票した意外な選手をば。
田中 パウロ淳一(栃木シティ)
 3名から得票。「3部リーグからサッカーの外側に居る人を巻き込んでJリーグに興味を持たせた功績は計り知れません。」、「ガンガン発信して自分でも結果出してすごいと思いました。」、「ゴール数・アシスト数ともに立派な成績」というSNSでの発信力と共にチームの攻撃を牽引しJ3優勝に貢献。「これからはこんな形で発信する選手のパイオニアかも」。自分はTikTokやってないので知らなかったのだが、開幕から別SNSでもやたら関連ポストが表示されるのはそう言う事だったのか。プレーというか試合中の振る舞いで印象深いのは、古巣松本戦でゴールを決めた後はセレブレーションを控えていた事。


こういうのを見ても非常に聡明な選手なんだろうなと。

稲垣 祥(名古屋)
 こちらも3名から得票。今年34歳ながら「全試合フル出場、キャリアハイの11ゴール、シーズン総走行距離の記録更新と、個人パフォーマンス的に圧倒的に今シーズンMVP」という「いぶし銀」の活躍で、代表でも「e-1選手権でのスーパーミドルがすごかった」。確かによく点取ってるなとは思っていたが他のスタッツもこれ程圧倒的だったとは。E1選手権に選ばれた時はこの年齢での選出はいわゆるベテラン枠?と思ったが、さすが代表スタッフはこうした活躍をしっかり見ていたという事か。

小泉 佳穂(柏)
 この人も3名から票を得た。今季は「ルヴァン準決勝なお見事な出来、リーグ準優勝の原動力」、「流動性高くダイナミックに攻撃を仕掛けるレイソルの象徴」であり、移籍一年目で「左右の足で蹴れる、運動量があるっていうのはみてたけど、監督とチームが変わるとあそこまで化けるものなんだな」という活躍。移籍初年度ではあるがまるで昔から柏にいる様な感覚を覚えた。この人に限らず柏の選手はあまり上背は無いが技術と運動量を兼ね備え、周りをサポートする献身的なMFが多い印象がある。瀬川、戸嶋、久保、仲間、山田など。そうしたスタイルの選手を集めるから、逆にこのタイプはいかにも柏の選手っぽいと思うのかもしれない。

- ライジングスター
 鈴木淳之介は代表における今年最大の発見。「何と言ってもブラジル戦の圧倒的なパフォーマンスの印象が強い。こんな選手だったのかとの驚き。サイドバックセンターバック両方を高いレベルでこなせるところも高評価。」、「ブラジル戦での奮闘は驚き」、「正直あまり知らなかったので、代表で見てビックリした!」、「冨安不在のDF陣救世主」とやはりブラジル戦での活躍のインパクトは大きかったのが各コメントからも伺える。この選手は春先の日産での試合で見たが、足元の上手さが印象的で将来の代表入りもあるかなと思いつつ、それはあくまで今年夏のE1だったり、2026年W杯以降の代表候補だと思っていた。それが6月のW杯予選で初代表、そこから欧州移籍してCLでもデビュー、そして10月のブラジル戦。11月の代表戦では試合終盤に左MFとしても起用されており、恐らく本番を想定した起用と思われるので(終盤に両サイドもCBタイプで固めて逃げ切りを図る意図か)、本大会メンバー入りは固い。

- 偉大なるストライカー
今年は8月に釜本邦茂氏が逝去。「当時の映像をみて、ゴリゴリのストライカーではなく、サイドにひらいて受けたり、ラストパスも出せたりと万能ストライカー(高原の上位互換?)と認識。指導者としてはガンバ時代の??な印象しかないが、ご冥福をお祈りいたします。
現役当時の映像を視ると、体格に恵まれ、強烈な左足という自分の「形」を持ったストライカーという印象を受けた。今の時代に生まれて今の選手と同じ様にトレーニングしたらやはり代表のレギュラーCFになっていたのではないかと思う。代表での75ゴールは未だ断トツ1位。まぁ対戦相手のレベルなど考えると3位岡崎の50ゴールが実質1位なのではと思うが、いつかこの記録を越える選手が出てきて欲しい。

- LA五輪世代
 去年はパリ五輪世代の票を紹介したが、今年はLA五輪世代への票が幾つか。主なコメントを紹介。LA五輪と書いたが、この4人が順調に成長したとしても、いや成長するほどクラブに拒否権のある五輪には出場出来ない可能性が高い。既に佐藤と後藤の2人はA代表入りしているが、後藤についてはコメントにもあるが自分も来年のW杯メンバー入りはかなり可能性あると思っていて、塩貝ももしかしたら3月の親善試合に呼ばれるかもしれない。
佐藤 龍之介(岡山)
高卒新人のシーズンに、 名門Jユースのタレントがトップチームではなく、J1初昇格を果たしたばかりのクラブへ移籍…という異例の決断が大成功。この件は若い日本人選手の移籍に対する考え方を変える大きな転機になりそうだな、と。本人の活躍もさることながら、多方面への影響力まで含めて今シーズン一番のインパクトでした。走れて上手くて、意外性のあるプレーも出来て数字も残せる。おまけにUT性もある。多分、オシム監督が生きてたらニコニコしながら観ていたはずです。
後藤 啓介アンデルレヒト→シント・トロイデン)
期待枠。純粋に5位かといえばそうではないが。来年の26人目として彼が選ばれるのではないかと思っている。図太いメンタル、得点の臭覚、190超えの体躯。大会躍進に必須のラッキーボーイ的存在になれるのではないかと。
塩貝 健人NEC
この若さでオランダリーグ途中出場記録更新。残念ながらマリノスに行かなくて正解。。。
姫野 誠(千葉)
J1昇格プレーオフ準決勝、0-3の状況からJデビューして同点ゴールを決め、チームを17年ぶりのJ1復帰に導いた。

- ヴェルディ
 恒例ヴェルディサポ某友人から熱いコメントを今年も全文掲載。
森田晃樹
理由→今年リーグ38/38
ルヴァンカップ3/5
天皇杯2/3
計43/46を現地観戦。
とにかく1番森田が凄かった。
特に凄かったのはアウェイ湘南戦。
1人だけプレー内容が違った。自分がやりたいプレーじゃなくても引っ張るプレー。
今年はその部分が見えたのが強く感じた。
森田は口数も少ないイメージだし、プレーで引っ張るタイプのキャプテン。
だからこそ、湘南戦は素晴らしかった。
ただ、目に見える結果(ゴールやアシスト)この部分はまだ足りないので、この部分は毎年求めたいところ。
晃樹ならもっと出来る!
来年も頼むぜキャプテン!

- アイドル枠
 これまた恒例のアイドル枠。今年も青木宙帆が得票したが「ジェフ応援番組「WIN BY ALL!」のMCに抜擢され、ジェフの16年越しJ1昇格立役者の一人」という。去年も書いた気がするが、プロ化から30余年経って一世代周り、若い頃にJが始まった世代の子供の世代が成人し始めたんだろうなと。今年のJは観客動員で最多を記録したが、物心付いた時からサッカー、それもプロのリーグが存在している世代が増えたのも影響してるのではと。

- 選考者別投票
・最後に選考者別投票一覧を掲載。回答日からそれぞれ自分の回答を探して頂きたい。

 例年通り最上段が私の投票だが、毎年J1優勝クラブの主力を5位に入れている中で、今年の早川はシーズン通した安定感や代表入りして試合出場した実績踏まえて1位かなと。また鹿島から鈴木優磨は是非入れたかった。その他上田は上位5名から外せず、後は鎌田、堂安、鈴木淳之介も入れるべきか非常に悩ましかったのだが、彩艶はセリエAでレギュラーGKとしてプレーした価値、佐野は守備だけでなく攻撃の起点としても機能するようになったプレーの幅の広がりから選出。

投票者・投票日別リスト

- 終わりに
 今年も協力頂いた友人、SNS相互フォロワーの皆さんには感謝申し上げたい。私の年齢を反映して投票者の平均年齢は年々上がってはいるものの笑、最年少は小学3年生から、そして様々なクラブのサポや様々なサッカーとの距離感を持つ人たちから投票を得た。毎年言っている事だが、この投票を見ればその年の日本サッカーの概要が掴めるはず。その意味で単にMVPを選ぶのみならずその年の記録としての価値もあるかなと。来年はW杯イヤーだが代表がW杯で結果を残し、そこで活躍した選手が上位に入るのを願いつつ2025年を締め括りたい。