ドイツ・オランダ行(5日目:旅先での思わぬ出会いとルール地方でスタジアムツアー+観戦)

思わぬ出会い

 今日はデュッセルドルフの北、ルール地方を周る予定でスタジアムツアー、試合もチケを確保していたのだが午前中は特に予定は無く、同地方の他のスタジアムや観光地に行こうかなと漠然と考えていたのだが、昨日出会った日本人出張者から朝連絡が来て、出張の同行者がサッカー好きで是非会いたいとの事。先方も氏名や勤務先を明かした上での話だったし、会う事にした。
 10時半頃に中央駅近くのカフェで待ち合わせたのだが、その同行者はてっきり自分やその出張者と同世代と思っていたら、かなり年長の方で、何と某オリ10クラブのホームタウン誘致に関わり、今は後援会の幹部を務める方だった。歴代の選手、監督とも親交があり、そのチームに限らずJの歴史の生き字引の様な人。勿論国内外で数々の遠征にも行って、加えてEURO期間中は欧州で過ごすという。思うに自分より10歳以上年長のサッカー好きには共通の雰囲気があるな。年齢故のバランス感があるというか、変に何かを腐したり極端に走ったりせず、ありのままにサッカーを楽しんでいるとでも言うか。自分もこんな風に歳を取りたいと思うような、爽やかな人だった。

ゲルゼンキルヘンでスタジアムツアー

 カフェで1時間ほど過ごした後は、電車でゲルゼンキルヘンに向かう。言わずと知れたシャルケの本拠地。シャルケはゲルゼンキルヘン市内の一地域だが、中高時代に地図帳を見てドルトムントやミュンヘンなどは載ってるのに何故「シャルケ市」は無いのかと思ったのを思い出した。恐らく市名よりこちらが世界的に知られているはず。ゲルゼンキルヘン中央駅でトラムに乗り換え、フェルティンス・アレナに到着。

フェルティンス・アレナ(外観)

スタジアムツアーは15時からなので、その前に周囲の施設を見学。スタジアムに隣接して練習場やホテルなどがある。

パルクシュタディオン

今は1つのスタンドのみとなっているが、このパルクシュタディオンはシャルケの旧本拠地で、かつては5万人以上を収容する陸上トラック付のスタジアムだった。現在はセカンドチーム用として利用。
 敷地内を巡りつつフェルティンス・アレナ内のミュージアムも見学しスタジアムツアーの時間になった。参加者は自分の他にフランスから来た3人組の計4名。ガイドは地元のオヤジさんといった風情の人で、英語での案内。

選手入場ゲート

炭鉱地帯でその労働者に支えられたクラブというアイデンティティを表した入場ゲートを通り、スタジアム内へ。ここはピッチが可動式で、ツアー時は外で太陽光と芝生養生用のライトを当てていた。

スタジアム内観

ツアーの最後にはUEFAからのスタジアム認定証とここが2003年のCL決勝会場になった事も紹介され、ガイドの口ぶりからも誇りに思っている事が伝わってきた。ただ「(CL決勝会場は)フランクフルトやハンブルクなどのスタジアムでも成し遂げていない。勿論ドルトムントも。」と言いつつ中指サインしたのには参加一同苦笑い。現在シャルケは2部だが今の所首位で昇格が見える位置にいる。ツアーの最後にお礼と昇格を願っている旨をオヤジさんに伝えてスタジアムを出た。

ドルトムントでCL観戦

 そんな体験をした後ではあるが、ツアー後はシャルケの宿敵であるドルトムントに向かう。電車で30分ほどの距離。しかしこうして現地を移動すると、ルール地方は各都市が本当に近接していて、感覚としては日本の首都圏を電車移動しているのに近い。ゲルゼンキルヘンとドルトムントの間にはボーフムもある。ボーフムのスタジアムにも寄ってみたかったが時間の都合上断念。到着したのは17時半過ぎで既に陽も落ちていたが、今日の最後を締め括るのはチャンピオンズリーグ観戦。

 元々この日はドルトムントのスタジアムツアーにも行くつもりで、1月半ば頃に予約サイトを見るとこの週と翌週の平日はまさかの開催無し。実はCLのノックアウトステージプレーオフが予定されていて、ドルトムントはそこに回る可能性がある為だった。
 CLグループステージのレギュレーションは以下の通りで

1~8位:ラウンド16直行
9~16位:ノックアウトステージプレーオフ(2/24or25の第2戦がホーム)
17~24位:〃(2/17or18の第1戦がホーム)
※プレーオフを勝ち抜いたチームがGL1~8位と対戦

 1月中旬時点でドルトムントはGL9位とむしろラウンド16直行を狙える位置。まぁ最終的に9~16位には入るだろうし、つまりこの2/17or18はアウェイとなりスタジアムツアーも予約できるようになるかな、などと思っていたらそこから連敗して最終的に17位転落。そして1月末の組分け抽選の結果、2/17夜にアタランタとホームで対戦する事が決定した。試合開始は21時と遅いが、日付は越えるもののデュッセルドルフの宿までは帰れそうだったし、旅程の関係で18日だと厳しかった中で17日開催になったのも何かの縁だなとチケ取りに参戦し無事ゲット。相手がGL9~16位組の中でレアル、ユーベではなくアタランタだったのもチケ取り難易度という意味で幸いしたかもしれない(グループステージ順位から相手はアタランタかレバークーゼンのどちらかと事前に決まっていた)。
 ドルトムントの試合が一般発売されるのはリーグ戦の中小クラブ相手の年間数試合で、CLではここまで全試合会員向け販売のみだったが、今回は会員先行の3日後に一般販売が始まり、特にメイン、バックの上層部はかなり売れ残っていて選び放題。最終的にメイン2階中央寄りの席を確保。価格67ユーロは円安の影響で1万円を越えるが、このクラスのクラブのCLの試合としてはかなり安い方だと思う。

 基本今旅の観戦は手ブラが基本なので鞄は駅のコインロッカーに預け、駅前のクラブオフィシャルショップや旧市街を散策。駅前にはドイツフットボールミュージアムという施設もあったが開館は18時までで断念。
 そのまま旧市街のベーカリー系のファーストフードで夕飯を食べた後、スタジアムに向かう。Uバーン(地下鉄)で約10分。

ジグナル・イドゥナ・パルク外観

 思えば前回欧州に行った時もCLを観たが、それ以来21年振りの観戦。周辺は屋台が並んで試合前に一杯やる人々で賑わっていたが、その雰囲気に乗せられて自分も今旅初アルコール。

試合前に一杯

 その後入場したが、GKやフィールドプレーヤーの登場が少し遅いなと思ったら、場内に開始が15分遅れて21:15キックオフとの通知。デュッセルドルフに戻る以上あまり喜ばしくない状況だったが、とにかく試合開始を待つ。ただ場合によっては終了前にスタジアムを出る必要あるかもなと思いつつも、取った席は通路から30席くらい内側に入っており、そこから脱出するのは容易では無さそうだった。よく日本では国立の座席間隔の狭さ(特に膝先)が指摘されるが、今旅で訪れたスタジアムはどこも似たようなもので通路間の座席数も同様。

CLノックアウトステージPO ドルトムント×アタランタ(ジグナル・イドゥナ・パルク)

試合直前

 そんなこんなで試合が始まる。開始早々に右クロスからドルトムントのギラシが頭で合わせて先制。21年前に観た試合(ACミランvsマンチェスターU)でも似た形でクレスポが決めたのを思い出した。前半はドルトムント優勢で、前半の終わり頃には左サイドのギラシの突破から最後は中央ででバイアーが合わせて追加点。ドルトムントのメンバーを見ると、まず最終ラインに18歳のDFがいるのが目を引いた。ルカ・レッジアーニという選手で、経歴見ると各年代のイタリア代表歴があり昨季サッスオーロから移籍してきて、最近になってトップチームで出番を得るようになった選手。負傷者などチーム事情もあるかもしれないが、有望株として期待されているんだろうな。前半はファールで警告1枚貰っていたが。そして中盤にはR・マドリーにいる兄ジュードと顔も髪型もクリソツな弟ジョーブ・ベリンガム。プレースタイルもよく似ていて、所謂Box to BoxのMFだが今季はここまでノーゴール。プレーを見てもボールに絡む回数は結構あったし、ちょっとしたきっかけでブレイクしそうな匂いはしたのだが。
 対するアタランタは前任ガスペリーニ時代と同じく3バックのお手本の様なサッカーで最終ラインからスムーズにボールを運ぶが相手ゴール近くではなかなか決定機を掴めずといった展開。
 
 後半はドルトムントが守る時間が多かったが、アタランタもチャンスを決め切れず。後半序盤にはアウェイ側から発煙筒も炊かれ出して一時スタジアムが煙った。アタランタサポはそんなに過激なイメージ無かったので少し意外。

アウェイ側の発煙筒

 ドルトムントもカウンターで幾つかチャンスはあったが決め切れず、そのまま2-0で終了。次週の第2戦に向けて2ゴールは一定のアドバンテージ。

ホームゴール裏

 しかしこのゴール裏は圧巻だったな。実際にこの目で見てもこれほど巨大な一層のゴール裏が存在するのかと信じられなかった。今日は試合前に抗議の横断幕が出されたり(恐らくはアウェイチケットの少なさ?に対して)、CLアンセム時もブーイングが聞こえたりしたが、試合中の声の圧は圧倒的だった。ただよく見ると中心はゴール裏の中央寄りで、周辺に行くほど席が埋まるのも直前で割と一見さん多いのかなと思ったり。

デュッセルドルフへ戻る

 試合後すぐスタジアムを出る。帰りを考えて今回メインスタンドにしたのは駅に近い為で、それが功を奏してUバーンにはすぐ乗れて(試合後は電車が随時出発)ドルトムント中央駅に戻り、そこからデュッセルドルフまで電車で一本。例によって遅延していたが、24:50頃にはデュッセルドルフ到着。まぁ感覚としては埼スタで平日夜に観戦した後横浜に帰るのに近かったかな。今旅のチケ取りや2日前のエールディビジハシゴ(未遂)もそうだが、異国かつ初めて行く場所とは言え、これまでの観戦で経験してきた事の応用というか延長線上ではある。
 ホテルに戻った後はシャワーを浴びてすぐベッドに入る。CL観戦の興奮と無事宿に戻れた安堵感が混じってなかなか寝付けなかったが。