サッカーと人口

 先日のコンフェデにタヒチが出ていたが、ここの人口が僅か17万と知って驚いた。緑区とほぼ同じなのだが、区選抜が世界大会に出ると考えるとどれ程の偉業か、そしてあれだけ大差が付いたのも頷ける。
 ただ、サッカーの場合人口の多さが必ずしも強さに比例しない面はあって、同じコンフェデに出たウルグアイは約330万程の人口しかなく、これまた横浜に例えるが市の人口(約370万)より少なく、南米でも最小。南米にはブラジル(1億9500万)やアルゼンチン(4000万)という国があり、ウルグアイの次に少ない国(ボリビア)でも1000万近くある中で、あれだけタレントを輩出して勝っているのは凄いわ。
 他に人口が少なくともサッカーが強い国というと欧州となる。欧州予選で突破の可能性を残していて人口500万以下の国は次の通り。
クロアチア(440万)
モンテネグロ(63万)
ボスニア・ヘルツェゴビナ(376万)
アイルランド(446万)
ノルウェー(488万)

モンテネグロは63万(!)でこれは政令指定都市最小の静岡(約71万)よりも少ない。まぁクロアチアボスニア含め旧ユーゴ時代の遺産を活かしてる面は有るだろうし、ユーゴ紛争で移民した人も相当数いる中で国外で生まれ育った子弟が代表になるパターンも有るので、単純に人口規模でサッカーの強さを推し量れない面はある。それでもあの人口規模でイングランドと首位突破を争っているだけでも偉業だ。クロアチアに関して言えば安定してW杯やEUROの予選を突破しているので、これもまた凄い事。

 逆に人口が多い割にサッカーが強く無い国はと言うと、次の様になる。(世界の人口ベスト20以内から選出。また『強さ』とは相対的なものだが、ここではW杯出場、もしくは最後まで出場を争うレベルにある国を強いと定義。)
・中国(13億5000万)
・インド(12億2400万)
インドネシア(2億4000万)
パキスタン(1億7000万)
バングラデシュ(1億4800万)
・フィリピン(9300万)
ベトナム(8700万)
エチオピア(8300万)
・タイ(6900万)

 見事にアジアが多いな。改めて13億とか12億とか数字を見るだけで目が眩みそうだが、この場合は経済的、あるいは協会の強化や運営の問題が大きいのだろうと思う。明らかに脈のある鉱山を目の前にして、それを発掘する技術が無くただ見守るだけとでも言うか。後は逆に人口が多過ぎるが故に、その中から11人あるいは大会に出る20〜23人を選抜するのに苦労しているのかもしれない。それも含めての協会の力なんだろうけど。中国なんて自分が中学・高校の時から“近未来の大国”扱いされてるがこの有様だしな。
 むしろタイはユース年代が強くなってきていて、ベトナムもサッカー熱が高いから、あと10年位すれば中国より強くなってW杯の最終予選に進出して来るかもしれない。