海の都の物語

 先月買ったをやっと読み終えた。ヴェネツィア共和国建国〜滅亡までの1千年を通しで読めば、読後にそれなりの充実感、満足感を得られるのは当然にしても、やはり本編とは関係無い所で引っ掛かって仕方ない。


 ヴェネツィアは少数の貴族支配が続いた為、同じ姓が時代を越えて何度も登場するのだが、その中の1つに“カペッロ”姓がある。その名を聞けば、少しサッカーを知ってる人間ならばすぐにあの監督を思い浮かべるに違いない。何か関係があるのだろうかと途中から気になって作品の内容はどうでもよくなったというのは言い過ぎにしても取り合えず現レアル・マドリー監督氏の出身地を調べてみたら、ピエリスという町の生まれらしく、その場所はイタリア北東部、まさにヴェネツィアの近郊だった。これはもしかすると、なのか?
 と軽い興奮を覚えたのだが、冷静に考えれば、何百年も続く名家ならばその分家の数も半端じゃないし、子孫なんて何千といるだろう。だから、これを以って物語に登場するベネツィア貴族の子孫だと断じるには気が早いというものだ。しかし先祖を辿ればもしかしたら中世に活躍したベネツィア貴族の一人位には行き着くかもしれないと想像してみると、あの所謂叩き上げ監督とは明らかに異なる、インテリ然とした、そして厳粛な雰囲気も妙に説得力が感じられて、あながち空想とは言い切れないかもなと妙な満足感を覚えた。


勿論、ファビオ・カペッロへの興味が飛躍してレアルに好感を持つというのは、俺の中では100%有り得ない話なのは言うまでも無い事ではあるのだが。